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プロンプトエンジニアについて【追記】

皆さんこんにちは
若者に色々役に立つかもしれない情報をたまに呟いているおじさんです。

以前こんなつぶやきをしました

急速に生成系AIが広がっている現代において、多くの職業がAIに奪われる時代が来るのかもしれません。
特に、IT系の仕事ですが、僕が現在も以前も行っていたプリセールスやマーケティングの世界、お客様が購入した後のポストサポートの世界、そしてそもそも製品の開発を行うディベロプメントの世界。この世界はいずれ今とは違う形に変容していくのかもしれません。
企業側の判断がAI化されない限り、最終的に人的な決定権は残るので、やはり人と接する仕事は残るのかもしれませんが、人と接しない部分で過去の情報を基に生成できる領域はどんどん置き換わっていくのではないかと思います。自立思考型AIができるまではまだまだ時間と倫理的な壁があるため、一気に進みませんが、着実に生成系AIは人の仕事を奪い取っていくことになると思います。

プリセールスの世界は、最も置き換えに時間がかかる領域かもしれませんが、プリセールスの世界で必要な
「プレゼン能力」「対人折衝能力」「技術力」
に関しては、プレゼン能力のうち、プレゼンの構成や作成に関して生成系AIが代わりにやってくれる時代が来ることになります。特に僕のいるサイバーセキュリティの世界においては、「難しいことを分かりやすく説明する」ことが成功のカギですが、このテクニックをAIが覚えてしまえばその分野の人員は現在の半分以下で済んでしまうかもしれません。
また、技術力においても、「マニュアルやヘルプを読んで理解し、お客様へ分かりやすく伝える」という行為も、いずれそもそものマニュアルやヘルプが変容しユーザが簡単に操作できる時代が来れば、それほど重要なスキルセットではなくなるのかもしれません。

マーケティングの世界は顕著になると思います。統計的な情報を背景に最適なマーケティングコンテンツを生成し発信、そしてその情報をフィードバックしてより良いものを作っていく。SNSや既存メディアに代わる新しい媒体が産まれない限り、いずれは完全に置き換わってしまうのではないでしょうか。

ディベロプメントの世界はどうでしょう。プログラムは今後どんどんコンテナ化が進んでいき、GitHubに代表されるプログラムの共同開発のプラットフォームや以前からあるオープンソースのコード共有の結果、AIは文句も言わず過去のプログラム例を学習していくことでしょう。それにより、何か新しいプログラムを開発したとして、そのコアとなるプログラム以外は、過去の蓄積された情報で補うことができます。
例えば、マルウェアを検出する新しい技術が開発されてプログラミングされるとして、コアの領域はアーキテクトと呼ばれる開発者が作りますが、マルウェアを検知した時に通知する仕組みや、検知した情報をログとして保管する機能は、過去からあるもので十分です。またそれを表示するUIに関しても(まあ、それを人間が見るかどうかも怪しいですが)やはり過去の事例から最適なものをAIが自動的に生成してくれます。

ポストサポートに関しても、AIの進出は大きいかもしれません。
現在でもチャットサービスのAIはありますが、有人チャットサービスはいずれAIに代わる時代が来ると思います。コールセンターなども、生成系AIと人工音声による対応が可能になれば、人はいらなくなるのではないでしょうか。
製品のインプリメントにおいても物理的なデリバリーやラックマウントそしてケーブリングなどは、最後まで残りそうですが、インストールや設定は、早晩AI化される可能性が高いと思います。
日本企業は今後、少子化によりIT人材確保が難しくなっていくため、外国人のエンジニアにまず職を奪われ、その後AIに置き換わるのではないでしょうか。

だいぶ暗い未来予想図になってしまいましたが、これと近しい未来はいずれやってくるかもしれません。
では、エンジニアに未来はないのでしょうか。
僕はこれから10年ほどは現在の仕事は継続して存在するだろうと思いますが、来年2024年くらいから急速にプロンプトエンジニアの求人が増えるのではないかと予想しています。
AIをビジネスに組み込めば組み込むほどAIに適切な指示を出す必要が出てきます。

「〇〇くん、あれ適当にやっておいてよ」
なんか昭和の時代にいそうな上司のセリフですが、
これではAIは仕事をしてくれません。
「あれ」:適切に目的を支持する必要があります
「適当に」:適当ではなく、具体的に項目を定義する必要があります
「やっておいて」:ゴール設定が適切でないといけません

このように、AIを的確に使うためのプロンプトエンジニアは、これからどんどん需要が増していくと思います。
以前こんなnoteを書きました。

画像生成AIでやりたい事としては、マーケティングなどの材料として画像を生成する際に、「特定のイメージを表す画像」を作成する時に、適切に支持しないと良い画像データを作ってれません。例えば、ゼロトラストセキュリティを表す画像というのを生成しようとします。先日Abemaで見たひろゆき氏の例えが分かりやすいのですが、「VPNでログインしたら後は何でもできるとまずいのでサーバへアクセスする際にも認証する」こんな説明では、知識のない人には理解できません。「ビルに入るとき入り口で社員証をかざすだけでなく、例えばエレベーターに乗るときも社員証をかざして、許可されない階に下りられなくしたり、許可されていない部屋への入室ができないようにする」こんな感じで説明することがプロンプトの基本的な考えだと思います。前者を生成AIに入力したとしても、適切な答えは来ないと思います。
でも後者ならもう少し分かりやすい画像が出てくるのではないでしょうか。

何でしょうねこれ?
こっちの方がイメージに近いかも?

これはマーケティング的な画像生成の話ですが、プログラミングなどの世界ではもっと厳格にプロンプトを作らなければ、適切なプログラミングをしてくれないような気がします。
昔の同僚が働いているSynopsys Incというセキュアプログラミングの会社は、開発プログラムの脆弱性や問題を調べてくれる製品を販売しています。プログラムのAI開発が主流になってくると、このようなプログラムの問題点を修正してくれる能力が生成AI内部に組み込まれるのではないでしょうか。
また、先日IBMのAIセミナーに参加させていただいた際に、石井さんに、誤った学習データをすぐに修正することができない問題について質問してみたところ、現在の機械学習システムや生成系AIでは限界があり、やはり学習データに問題があった場合などは、出力する前になんらかの訂正機能が必要だとおっしゃっていました。
ここから想像するに、プロンプトエンジニアはプレとポストにそれぞれニーズが存在する気がしています。プレプロンプトエンジニア(勝手に命名)は、適切な入力言語の選定能力(イメージの言語化)を得意とする人。ポストプロンプトエンジニア(勝手に命名)は、AIによる生成データが適切であるかどうかを判断する人。しかし、このポストプロンプトエンジニアはいずれAI内部の仕組みにとってかわられる過渡期的なポジションであるように思いますが、どうしても現代社会は人を中心として回っているため、最後に人がお墨付きを与えてくれる仕組みが暫くの間は必要になる気がしています。

こんな時代ですが、面白いムーブメントも起こりそうな気がします。イメージの言語化は、生成AIにとってとても重要な要素なので、これから文系の人材がITの業界でも必要になるのかもしれません。IT系エンジニアは論理的に物事を考える能力に長けている人が多いですが、プロンプトに関してはちょっと違った思考構造が必要になると思います。前述した「あれを適当に」は実はエンジニアは頭の中で勝手に処理してやっていることが多いのですが、この頭の中で勝手に処理をする部分を文章化(プロンプト)できるとプロンプトエンジニアになれると思います。IT系エンジニアは論理的に思考すると書きましたが、実はITエンジニアは、職人的な人が多いため、「そんなのは経験と勘だ」的な人も多いので恐らくプロンプトが苦手な人も多いと思います。現在も、製品の手順書やプレゼンの作成を生業にしている人は、プロンプトを行っているため、プロンプトエンジニアへの転向は比較的簡単かもしれません。

僕の考える、プロンプトエンジニアに欠かせない要素
「論理的思考」「イメージの言語化」「多くの一般的な知識」
これをもう少しプロンプトらしくすると、
「数学などの論理的な思考が好きで、毎日日記を欠かさず書き、世界中を旅行した経験を持ち、常に新しい言葉を吸収して使うことができる人」
こんな感じではないでしょうか。

FireFlyだとこんなイメージの人らしい

皆さんも、プロンプトエンジニアを目指してみるのはいかがでしょうか。

【追記】
GartnerさんがAIのHype Cycleについて発表していたのでリンクを乗せておきます。

【追記の追記】
今日、仕事でHPで使用するアイコンをマーケの担当者に伝えようとしたところ、僕のイメージが正確に共有されていないことが分かりました。
自分のイメージアイコンを送ったり、補足説明したりしてもどうもアウトプットが違うんで、よくよく考えたらアイコンで表したい事象についての知識が無いのではというところに行きつきました。
これは正にプロンプト作業と同じことなのですが、相手にどう伝えれば正しく理解してくれるか、そこにテクニックがあるのだと思います。
プロンプトエンジニアは、文章化の能力、論理的な思考力に加えて、業種ごとの知識の深さというのも重要である気がしました。
前述したプレとポストみたいな垂直型の分類だけでなく、業種ごとの異なる知識のような水平的な分類もされるのかもしれませんね。
でも、人が楽をしようと生成系AIにシフトしているけど、結局正しい知識情報を持ち合わせたプロンプトエンジニアでないと使いこなせないのはなんだか矛盾している気がします。いずれ万人向け(詳細な知識が無くても生成リクエストを投げられる)インタフェースやプロンプト補助AIができるかもしれませんが、暫くは専門性の高いプロンプトエンジニアでないと生成系AIは行き詰ってしまう気がします。

サムネはAdobeのFireFlyで生成「AIによってすべてが自動化される世界」

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