顧客課題からはじめる 実践ジョブ理論 (その1 )
こんにちは。NTTレゾナントテクノロジー アジャイルデザイン部の上田です。企画・マーケティングを専門に担当しています。
私たちはスマートフォン向けアプリをキーにしたサービス開発を行っています。その際、ビジネスプランの整理に「リーンキャンバス」と「ジョブ理論(JobsToBeDone)」を活用しています。そこで今回私たちが使っている活用法について、noteでシリーズに分けて紹介していきたいと思います。
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新規事業を「顧客課題」から見つける
❝ 驚くべき事実だが、大きな会社も小さな会社も、歴史ある大企業もできたばかりの新興企業も、10件に9件は新製品の立ち上げに失敗している。製品を購入しそうな顧客がまったくいない市場に無理に新製品を押し込もうとして何十億ドルものお金を無駄に費やしている。❞(『アントレプレナーの教科書』翔泳社, スティーブン・G・ブランク著)
リーンスタートアップの名書・スティーブン・G・ブランクの『アントレプレナーの教科書』でも書かれるとおり、おおむね9割が新規事業の立ち上げに失敗すると言われています。作ってから検証し顧客の存在を確かめるのではなく、作る前に売り先の顧客が本当に存在するか、その課題やニーズは何かを見極め、プロダクトを開発していくことが重要です。
そこでおすすめなのが、「リーンキャンバス」と「ジョブ理論(JobsToBeDone)」フレームワークによる、顧客と課題の深堀りです。 9つの項目からなるリーンキャンバスの中にある「顧客」と「課題」についてジョブ理論を用いることで、さらに深堀ることができます。そうすれば自ずと「解決する提供価値(UVP)」と「ソリューション」につながるアイデアが鮮明に浮かびあがります。
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JobsToBeDoneで顧客課題を深掘る
ジョブ理論(JobsToBeDone)は、マーケティング研究のオーソリティ『イノベーションのジレンマ』でおなじみのクレイトン・M・クリステンセンが提唱しているもので、「なぜ人は購入にいたるまで、そのような行動をとるのか?」ということを、顧客層の相関ではなく、顧客一人一人の状況をもとにした因果関係から答えを導き出すものです。
“ジョブ”とは、ここでは「ある特定の状況から、顧客が成し遂げたい進歩(プログレス)」としており、「特定の状況にいながら、成し遂げたい進歩した状況に近づくこと」を”ジョブを片付ける(JobsToBeDone)”とし、片付けるためにサービスを”hire(雇用)”する、という考えです。
顧客は課題を解決し、状況を良くしたいと考えるからこそ、商品やサービスを手にします。ですが、顧客は今置かれる「特定の状況」に対して、何がしか不満や要望を持っています。その状況を良くするために、サービスを購入して解決したい。これが”JobsToBeDone”と言われるものです。
人はだれでも、成し遂げたい・解決したいジョブをもっています。「特定の状況で、私は〜を成し遂げたい。」「だから私は〜をやる」。そんな”JobsToBeDone”を気軽に使えるフレーム「ジョブストーリー」(*1)を使えば、ソリューションのアイデアが思いつきやすくなるかもしれません。ぜひ考え方のヒントに参考にしてください。
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さいごに
今回は導入になりましたが、次回からより実践的に、リーンキャンバスで設定した「顧客」と「顧客課題」をさらに洗い出すための「ジョブ理論(JobsTobeDone)」の活用法を紹介していきます。
NTTレゾナントテクノロジーでは、JobsToBeDoneを活用した顧客分析や調査、MVP構築の支援を行っています。また今回のテーマに限らず記事リクエストなどがあれば、公式Twitterからぜひ気軽にコンタクトください。
<参考文献>
1. Designing Features Using Job Stories - Inside Intercom
https://www.intercom.com/blog/using-job-stories-design-features-ui-ux/