小売りチェーンでのセキュリティ対策
小売りチェーンでは、顧客データなどを扱うことも多いことからセキュリティ対策の検討は欠かせないものとなっています。
また、店舗数が多い場合には、店舗ごとにセキュリティ機器を設置したり、頻繁に発生する出店・閉店の都度、セキュリティ機器の設置・撤去などが必要になると、その購入や管理負担は大きいものとなるでしょう。こうした課題の解決に役立つのがクラウド型UTMです。クラウドでの提供ですから、ハードウェアを店舗ごとに設置する必要がなく、新設、移設、撤去の手間もありません。今回は小売りチェーンにおけるセキュリティ対策のケーススタディを紹介します。
セキュリティ運用の課題を解決するためにはUTMの設置が最適。しかし……
顧客情報を扱うことから、情報セキュリティ対策が必須となる小売りチェーンですが、店舗ごとに、ファイアウォールやIDS/IPS、アンチウィルスなどのセキュリティ対策を行っていくと、その導入コストが嵩んでしまいますし、運用管理は煩雑なものとなってしまいます。
そこで、複数のセキュリティ機能を一台にまとめたUTMの導入が効果的です。店舗ごとのセキュリティ機器に対策を講ずるよりも導入・運用の手間とコストの削減につながります。
また、小売りチェーンの中には、頻繁に店舗の開店・閉店が発生するケースもあるでしょう。開店するたびにアプライアンス型のUTMを設置するとなると、セキュリティ機能をひとつにまとめていたとしても、新規店舗の開店の度に機器の購入、初期設定を実施、運用をした場合、情報システム担当者の運用負荷が大きくなっていきます。店舗を閉店する場合においても、せっかく導入したUTMの購入費用や撤去する運用のムダが発生してしまいます。
売り場やバイヤーなど、クライアント端末が増えるとレスポンスが……
小売り業界は競争が激しいため、定期的なセールスプロモーションや売り場改善などさまざまな取り組みが進められています。売り場改善の一環として、バイヤーや売り場担当者にタブレットPCを配布する企業もあるでしょう。こうした施策によりクライアント端末の数が一気に増加してしまうと、アプライアンス型UTMの場合、負荷によって、ネットワーク遅延などが発生する可能性があります。UTMの性能が変わらないにもかかわらず、クライアント端末が増えては、レスポンスが落ちるのは当然とも言えます。
複数のセキュリティ対策を1台にまとめる目的および、利便性やコストの観点からアプライアンス型UTMを活用していても、セキュリティ機能の拡張や、利用者の増加によってどうしてもレスポンスが悪くなるため、情報システム担当者にはこうした課題の解決も求められるようになります。
クラウド型UTMで小売りチェーンのセキュリティ対策を効率化
このように、個々のセキュリティ機器の運用負担の解決にはUTMが役立ちますが、小売りチェーンのように拠点数の増減や利用者数の増加が発生すると、アプライアンス型UTMを導入している場合、複数のアプライアンス型UTMの運用負担が発生してしまいます。こうした課題の解決策となるのが、クラウド型UTMです。
クラウド型UTMであれば、店舗ごとに機器を導入する必要がなく、初期投資を抑えながら全店舗で導入でき、セキュリティレベルを統一できます。ハードウェアの運用管理の負担から解放されて、頻繁に新規店舗の開店があったとしてもスムーズに対応することができます。状況に応じてネットワーク帯域やセッション数を増減できるため、クライアント端末が増えてパフォーマンス低下の問題が発生したとしても、比較的スピーディーに対応できます。
アプライアンス型UTMであれば、ハードウェア故障など予期せぬ事故で、セキュリティ対策に問題が生じたり、突発的なコスト発生のリスクがありますが、クラウド型UTMであればハードウェア故障の負担は必要なく、月々のコストが安定しており、予算計画が立てやすくなります。こうしたメリットも多いことから、複数の店舗を持つ小売りチェーンにはクラウド型UTMが最適だといえます。
ポイントまとめ
小売りチェーンならクラウド型UTM!
アプライアンス型UTMはそれまで個々に展開してきたセキュリティ機器を統合できコストも運用の手間も軽減できます。しかし、拠点の数だけアプライアンス型UTMの台数が必要となり、多拠点を持つ企業では導入・運用の負担が大きくなります。これを解決するのがクラウド型UTMです。セキュリティ専任の担当者がいなくても、一定レベルのセキュリティを実現できるでしょう。