「脚本」を科学する。
初めまして、中村冬雪と申します。
脚本家をやっております。
皆さん、かつ丼っておいしいですよね。
偉そうなタイトル付けといて何言ってんだこいつ、うんこかよ(もしくはアルカラのパクリかよ)と思った方、脚本の話も15行くらいすると出てきますので気長に時間をつぶしながら進めてみてください。
改めて言いますがかつ丼って最強だと思うんですよ。
だって「トンカツ」×「タマゴ」×「ゴハン」なわけですよ。こんな旨いもの3つかけ算されたらそりゃ旨いですよね?
これもうアベンジャーズですよね?並みの料理じゃこのワクワク感に勝てなくないですか?「パクチーのおひたし」と「かつ丼」があったらどっち食べますか?そういうことです。
じゃあ例えば「シュワルツェネッガー」×「ジェイソンステイサム」×「ジェットリー」を想像してください。
…最強ですよね?絶対仲間割れか中盤で敵に負けるけど最終的にまた仲直りして、敵どころか壊さなくていいものまで壊しながら敵と建物丸ごと爆散させそうじゃないですか?このかけ算ってワクワクしますよね???
「殺し屋」×「マチルダ」×「ヤク中の首の回し方ヤバい奴」
「世界一ついてない刑事」×「別居中の妻」×「テロリスト」
…なんだかこれもワクワクしてきませんか?
なんとなく伝わったと思うんですが、面白い脚本の面白い要素をかけ算したら、バカおもしろい脚本作れるんじゃね?…と思ったわけなんです。
バカ飯は旨い理論です。バカです。はい。
そこで、まず脚本を3つの要素に分けてみました
①シチュエーション
基礎設定を決めるところ。時代や主人公の能力、家族設定など重要な部分。
例えば
「クリスマス旅行に置いていかれて家に一人(ホームアローン)」
「殺し屋との奇妙な生活(レオン)」
②ヒロイン
主人公の守りたいものです。彼女とか家族だけとは限らないで抽象的なものでも可で、自分自身もオッケー(自分が傷つきたくないとか)。
例えば
「まだ見ぬ息子(ターミネーター)」
「生きる希望(ショーシャンクの空に)」
③エネミー
敵です。こいつはヒロインを狙ってたりして、最終的に主人公がストーリー上倒さなければならないやつです。
例えば
「親友の父(スパイダーマン)」
「誰も救えない未来(バタフライエフェクト)」
はい。こんな感じでジャンル分けをしたところで、これらをカードにしてみました。
急にカードゲーム感が出てきました。
例えば「バック・トゥ・ザ・フューチャー」は
主人公が「過去にタイムスリップして帰れなくなって」、「自分が生まれる正しい未来」を守るために「なよなよした性格」を倒さ(克服し)なければならない話になるというわけです。なよなよした性格を直さなきゃいけないのは自分なのか第三者なのか?というところは、
・過去に行っている
・自分が生まれる未来を守る必要がある
という要素から、直すべきは自分でなく自分の両親(BTTFだと父親)を直さなきゃならない!という風に考えていくとあのストーリーになるのをイメージしています。
あとはラピュタだとこんな感じです。
「逃げ出してきた少女と出会った」主人公が、「王族の末裔の少女」を、「強大な力を持って世界を支配したい軍人」から守る話、となります。
…さぁ、準備は整いました。
これをぐちゃぐちゃにして混ぜて
ここに置く。
ここから出てきたものでバカ飯的最強の脚本を考える…
理論上は面白いものがかけ合わさって最強に面白いものになる。そして組み合わせはカードの数=すなわち無限大。無限に面白い脚本を書けるということは最強最高最善の脚本家になれて、バカ売れ作家になることができるということ。つまりこのカードの組み合わせによって最高に金持ちになる運命を掴むことができる!!!
このドローにオレの運命が懸かっている…(BGM:熱き決闘者たち)
行くぞ!!!!!!ドロー!!!!!!!
(モンスターカード!!!)ドロー!!!!!!!
(モンスターカード!!!)ドロー!!!!!
僕の運命を変えるのはこの3枚です。
主人公のもとに「未来からロボットがやってきて」、「幼馴染のクラスのマドンナ」を守るために「なよなよした性格」を倒す(克服する)話。
…なるほど。未来からロボットが来たということは、未来を変えるためにきたはず。つまり未来のロボットはなよなよした性格を変えたい。性格が変わらないと未来がどうなるか。
…マドンナと付き合えない。そう!マドンナと結婚する未来にするために未来からロボットがやってきて、主人公のなよなよした性格を直しにきた!
…あれ、これって
世の中そう上手くはいきませんね。缶ビール飲んで寝ます。おやすみなさい。