NCT DREAM - THE DREAM SHOW ()SCAPE
先日、NCT DREAMの東京ドーム公演に行きました。去年一昨年あたりはよくコンサートに行っていた気がしたのですが、今年はこれが1回目でした。オンライン配信でコンサートを見たりはしていましたが、会場に足を運んで実際に肌で感じるコンサートは格別の良さがありますよね。私がNCT DREAMの単独コンサートに行ったのは、2022年11月に行われた"THE DREAM SHOW2 : In A Dream"以来、2回目です。今回は体調不良で休養中のロンジュンを除いた6人でのコンサート。残念でしたが、それでも満足度の高いコンサートでした。楽しかった思い出として残しておきたく、今回noteに書こうと思ったので、ぜひ最後までお付き合いいただけると嬉しいです。
理想空間への旅に導くオープニング
本コンサート"THE DREAM SHOW ()SCAPE"のコンセプトは、苦しい環境に慣れ無感覚になっていく現実から、理想的な夢の空間への逃避行とも言えるでしょうか。(Kstyle参照)K-POPアイドルの作品のコンセプトって何だか難解なものが多く、でもそれを曲そのものだけでなく、ティザーからMV、コンサートとすべてを通して視覚化していく作業がすごいなと思います。体現しているアイドル本人はもちろんですが、制作者側がまさにアーティストなんですよね。
と、前置きが少し長くなってしまいましたが、オープニングの1曲目に使われたのは最新アルバムより"icantfeelanything"。ミステリアスで無重力感漂うメロディと心臓に響くビートが、まさに現実からユートピアへ誘われているかのようでした。
その後は"BOX"、"119"、"SOS"、"GO"と新旧ともに、閉塞感から解放されたい、固い意志を持って飛び出す準備はできているようなことを歌っている曲が続きました。これから、コンサートが始まるのに打ってつけのラインナップでした。
様々な表情で魅せる成長の証
彼らの挨拶が終わった次は、ひとつのセクションでNCT DREAMの色々な顔を見れるような構成でした。色っぽさを感じさせる1、2曲目の"Poisn"と"Drippin'"に続き、ダンスミュージックでありながらも全体的にハーモニーが美しく個人的に好きな曲"Arcade"。そして、NCT DREAMと言えばこれは外せない!と言える、"We Go Up"から盛り上がること間違いなしの"Bungee"と目まぐるしいほどのセットリストを熟せるのは、未だに若いながらも7周年を迎えるベテランとも言える、彼らだから出来ることだと思いました。
(03:33~"Arcade"歌唱)
ハイレベルな歌唱で涙を誘うバラード
"Bungee"で熱くなった会場全体をクールダウンさせるかのように始まったバラード曲からは、歌唱力が高いことで評判のあるSMエンターテイメント所属アーティストであることを証明するかのように、彼らも聴かせてくれました。"Walk With You"、"Never Goodbye"、"Breathing"、"UNKNOWN"と4曲歌い、どれも見事なハーモニーですっかり聴き入ってしまいました。その美しくさ、儚さから、会場には涙を見せるファンもチラホラ。最新アルバムを聴いて、実際に聴きたいと思っていた"UNKNOWN"のジャンルはバラードというより、ミディアムテンポのR&Bなので振り付けもあり、とてもスタイリッシュな仕上がりになっていました。MVはないですが、音楽番組でのパフォーマンスがあるので載せておきます。
初期のNCT DREAMも顔負けなポップでキュートな演出
しっとりとしたバラード集の後は、トロッコに乗って登場。初期の彼らを想わせる、ポップで可愛らしさも垣間見えるパフォーマンスのラインナップでした。"Tangerine Love(Favorite)"、"Yogurt Shake"、"Pretzel(♡)"、"Candy"と続きましたが、なかでも"Candy"の歌唱時は会場が揺れるのがわかるほど一体感がすごかったです。この曲は1996年に韓国で一大ブームを起こしたH.O.T.の"Candy"を2022年に彼らがカバーしたもので、当時を知らない若者の間で再ヒットを起こし話題になった曲でもあります。
疾走感溢れ、まるで会場がダンスフロア
後半戦に差し掛かり、ライブ感満載な曲が増えてきた頃。メインステージから花道まで幅広く使い披露されたのは、会場にいる誰もが自然とリズムに身を任せられるようなハッピーな曲たち。"Dream Run"で走って、"Better Than Gold"で踊って、"Fireflies"で飛び跳ねてとでも言うように、1曲1曲歌われるごとに会場が幸せで染まっていくように感じました。そして、"Hello Future"のイントロを耳にしたとき、私自身、嬉しさでいっぱいになったのを覚えています。続く"Broken Melodies"を聴いた時は、コンサートの残り時間がもうそう長くないとわかっていたことも手伝ったのか、曲の儚さで少し寂しくなりました。
The NCTサウンド全開の怒涛のエンディング
遂にコンサート終盤となり彼らが見せたのは、NCTのアイデンティティと言っても過言ではない、不規則なリズム・転調の連続といった難解な曲(ひとつの芸術作品のようです)。1曲目の"Skateboard"はK-POPにしては少し珍しい?王道ストリートスタイルの曲でした。途中でダンスブレイクも挟み、メンバー1人1人の見せ場を作っていたのが面白かったです。続く2曲は2023、2024年のアルバムのタイトル曲として発表した"ISTJ"と"Smoothie"。華やかで難しく、まさにNCTと言えるこの2曲は最後を飾るのにぴったりでした。NCTの中でもNCT DREAMのこういった曲は、転調部分が本当におしゃれなんですよね。上手く表現できないんですが、ちょっとジャズっぽいというかグルーヴィーな感じというか、何というか…。
最後は楽しさと感動のアンコール
華々しくステージを去ったエンディングから一転、アンコールステージはトロッコに乗って再登場。"Blue Wave"を歌って出てきた彼らは、アンコールとうこともあってカジュアルで遊び心のある衣装を纏い、さっきまでとはまったく違う雰囲気でした。"Dive Into You"と"ANL"を歌い、1人ずつエンディングのコメントをした後は、今年5月にリリースし最も新しい曲の日本語曲"Moonlight"を披露してくれました。韓国語曲ももちろん好きですが、自分の母国語で歌ってくれる曲を聴くと、いつも以上にダイレクトに曲に込められた想いが伝わってくるのでいいですよね。そして、最後に"Like We Just Met"。コンサートの本当の最後の最後にこの曲を歌ってくれる意味。いつまでも初めて会った時のように想い合いたい、永遠に変わらない。という美しく純粋な気持ちが、優しい歌声にのって届きました。
今回の"THE DREAM SHOW ()SCAPE"、本当に大満足なコンサートでした。本来だったら、ロンジュンもいたと考えると惜しいのですが…。彼がいたらもっともっと素敵なものになっていたのだと思います。それと同時にロンジュン不在のなか、彼のパートをカバーすることもあったのですが、それを感じさせないくらいのメンバーの力にも驚きました。ボーカルラインで言うと、NCT 127の活動でもヘチャンの活躍はよく見ているので言うまでもないのですが、チョンロの歌の上手さには脱帽でした。コンサートなのでやり直しの利かない環境のなか、歌いながら踊るというのは本当に至難の業かと思いますが、彼は声量があるだけでなく、圧倒的な安定感もありました。今回のコンサートでどうしても誰かにMVPを贈らなければならないとなると、私個人としてはチョンロを選ぶと思います。それくらいすごかったです。
そして、先ほども名前を挙げたヘチャンは相変わらずアイドルでした。彼はただ軽くアイドルと言えるのではなく、本当にアイドルです。何を言っているのかよくわからないかもしれませんが、ヘチャンにとってアイドルは天職と言えばいいでしょうか?もちろんメンバー全員が実力も人気も伴っているのですが、ヘチャンがステージ中央に来るだけで、空気が変わるんです。映画でいうと"主人公"という言葉がぴったりです。そこまでになるには、これまでとてつもない努力を重ねてきたのだろうなとも思いました。唯一無二の歌声にマイケル・ジャクソンを彷彿とさせるスマートで卓越したダンススキル。これからも楽しみです。
そして、私がK-POP界の宝と思っているマークのアーティスティックなパフォーマンスも健在でした。ヘチャンにアイドルという言葉が当てはまるならば、マークにはアーティストという表現がぴったりだと思います。NCT 127にいるとボーカル部分を担当することがあまりないのですが、NCT DREAMではラップやダンス以外にもボーカル部分をソロで歌うことも多々あります。そういったとき「歌も上手いんだよね。すごいな」といつも実感します。
他にも、素人目に見てもパフォーマンスの度に上達しているのがわかるジェノ、その美しいヴィジュアルに注目されがちですが、備わったダンステクニックとの相乗効果でゴージャスなパフォーマンスを魅せてくれるジェミン、最年少ながらオールラウンダーで大人な声が魅力的なチソンと、逸材の集まりなNCT DREAMでした。
そして、今回驚いたことに、NCT DREAMは国内外問わずかなりの人気があるにも関わらず、このコンサートが初の東京ドーム単独公演だったとのこと。次回は必ずロンジュンも。と全員が言っていたように、私もそう願っています。
※画像は公式Instagramよりお借りしました。
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