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「言葉を削り出す」を染み込ませる一年にしたい

「Webライターラボ」のコラム企画に今月も参加します!
1月のテーマは「今年達成したいこと」です。

私が今年達成したいのは、「豊かに言葉を削る」ことです。
単に文字数を減らすのではなく、取材に応えてくださった方の思いが輝くように、言葉を削り出したい。

相手のどこを見つめるのか、何を削り出すのか、その行為そのものがライターの「創作」だ。

佐藤友美「書くはデザイン。 de+sign。」『まだ、全然間に合う』CORECOLOR、2024年、p.188

これは、ライターの佐藤友美さん(さとゆみさん)のコラムから引用した一文です。
取材を通じて、核となる思想を削り出すことがライターの本領だと感じました。

このコラムは、「今日もコレカラ」という、毎朝7時に更新され24時間で消えるショートコラムから、さとゆみさんが私におすすめしてくださったものです。

これまで、「文章を減らすのはもったいない!」と、いかに削らずに表現するかを考えていた私にとって、かけがえのないアドバイスでした。

言葉を削ることに意識が向いたのは、取材記事の執筆を始めてしばらく経った頃です。
「できるだけ多くを伝えよう」と考えて記事を作っていましたが、言葉を足すほど、お話してくださった方の思いから離れていくような感覚がありました。

私にとって、記事の作成は作品の制作に近く、全体のバランスを見ながら必要な要素を足していく意識で書いていました。
たとえるなら、粘土で造形するイメージです。

リサーチをもとに執筆する記事は、粘土で作るイメージで進められたのですが、取材記事を書こうとしたら違和感を覚えました。

そんな時、さとゆみさんが編集長を務めるWebメディア「CORECOLOR」のクラウドファンディングのお知らせが目に留まりました。
リターンのひとつ、「今日もコレカラ」366日分を1冊に収録したZINEは、さとゆみさんが申込者のお悩みに沿ったコラムをおすすめしてくださる特典付き。
しかも、直筆でメッセージが綴られたしおりまで添えていただけるなんて豪華すぎる……!
文章を減らすことへの悩みにアドバイスいただきたく、すぐに申し込みました。

「CORECOLOR」のクラウドファンディングのリターンで届いたZINE『まだ、全然間に合う』

届いたZINEをワクワクしながら開くと、私へのおすすめは「書くはデザイン。 de+sign。」(2024年2月28日掲載)でした。
コラムの冒頭には、こんな一文があります。

デザインの起源は、de(削る)+sign(新たな形を与える)だと聞いたことがある。

佐藤友美「書くはデザイン。 de+sign。」『まだ、全然間に合う』CORECOLOR、2024年、p.187

「削るのはもったいない」と思っていた私に、衝撃が走りました。
削ることで創造できるという考え方は、自分の価値観とは正反対だったからです。

そして、さとゆみさん直筆のしおりには、こう綴られていました。
「私達の言葉が豊かに削り、減らせますように」

コラムとメッセージを拝読して、「自分の言葉を足す必要はないんだ」と大きな気づきを得ました。

そういえば、大学1年生の頃、木彫の授業で、唐辛子をモチーフに彫刻を制作したなと思い出しました。
モチーフを色々な角度から観察すると、思いもよらない形や凹凸が見えてきます。
それを削り出そうと、夢中で輪郭を追いかけました。
できあがったのは確かに唐辛子でしたが、紛れもなく私の視点が入りこんでいると感じました。

「豊かに削る」とは、あの時の唐辛子に近いものかもしれないと、糸口をつかめた気がします。

多くの文字数を書くのは大変ですが、時間をかければできてしまいます。
実際、私は、文字数が足りなくて困った経験がほとんどありません。
むしろ、伝えたいことがありすぎて、削るほうが大変です。

でも、意識を「足す」から「削る」に変えて、お話してくださった方の思想に少しずつでも迫っていきたい。
丁寧に削り出すという考え方を、自分に染み込ませる一年にしたいです。

Discord名:浜田夏実
#Webライターラボ2501コラム企画

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