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人工知能プロジェクトマネージャー試験の難易度は?勉強法は?受験者の傾向は?

こんにちは。
一般社団法人 新技術応用推進基盤 公式note編集局です。
私たちのnoteでは、AI・DX活用や新規事業の創出をテーマとして、技術と市場の両面について情報発信しています。

今回は、当団体が運営しております「人工知能プロジェクトマネージャー試験」について、少しご紹介したいと思います。

人工知能プロジェクトマネージャー試験は2021年5月より開始し、本note執筆時点で約3年半がたちました。その間、本試験の趣旨にご賛同いただき、多くの方にご受験頂いております。
また、受験をご検討頂いております方々より、「難易度はどのくらいなのか?」「どうやって勉強したらいいのか?」「受験者(合格者)にはどんな傾向があるのか?」などのご質問を賜る場面も多くございます。

本試験は開催結果に関する定量データは公開しておりませんが、今後の受験者様のご参考となりますよう、本公式noteで(あくまで執筆時点のものですが)一般的な傾向についてお話しようと思います。


受験者(合格者)の傾向について

人工知能プロジェクトマネージャー試験は7つの分野(A~G)がありますが、これは技術分野(B,C,D,E)とマネジメント分野(A,F,G)に大きく分けることができます。
そして、試験の価値観として「マネージャー(現場のリーダー)は、技術・マネジメント両面の知見がないといけない」というものでありますので、両分野とも一定の水準をとらねば合格点に達しないよう配点を調整しています。

この試験の設計に対して、実際の過去の開催結果をみるといくつかの傾向が見て取れます。すなわち、「合格者は、試験の考え方通り、どの分野でも高い得点率を取得している」こと、「しかしながら不合格者の方でも、技術とマネジメント、どちらかの分野では合格水準の得点を取得している場合が多い」ことです。

まず、合格者の方はどの分野でも満遍なく80%程度~の得点率となっている傾向があるように思います。これは試験の合格者像にも沿ったものです。

しかし一方で、不合格者の方でも、「技術とマネジメント、どちらかの分野ならば高得点(合格水準に近い)」というケースは多く見受けられます。これは受験者様のバックグラウンドによって、やはり得意・不得意があるということではないかと思われ、また我が国のAIに関心や仕事を持つ方々の中でも、なかなか両分野に理解と経験を持つ方は少ないのではないかとの推察もできるのではないかと考えております。
なおこのようなケースの場合は、全体得点としては550点~700点程度(得点率60%前後の水準)に落ち着く場合が多いように思います。

ただし、「分野に得手不得手がみえにくく、全体的に得点率が低めで合格点に達しない」傾向値の方も、一定数見つけられることも事実です。ただこうした傾向を示すケースでは、合格に近い点数にせまるのではなく、400~500点台後半くらいになる傾向かと思います。


こうした傾向は、ある意味、試験としては狙い通りともいえます。
現時点の傾向をまとめると、下記のようなイメージとなるでしょうか。

  • (おそらく)業務経験があると思われる得意分野は、そのまま受験してもある程度得点できる

  • しかし得意分野にだけ特化しても、合格点にまでは達しない

  • そのため未経験分野については、ある程度勉強も必要になる

  • 未経験・勉強なしで偶然に合格することは、まず困難と思える


【ちなみにの話】
「技術分野が得意」のケースをさらに細かくみると、「分野E:システム構築能力は満点だが、分野B:統計的理解や分野D:モデルの評価/向上能力の点数は低め」という傾向も発見できます。
おそらく、「SEやプログラマとして経験はあれど、データサイエンスの経験はない」といったケースではないかと考えられます。
これらの仕事はオーバーラップする部分も多いですが、やはり同じ仕事というわけでもございません。オーバーラップがある分、改めて勉強するにも効率的に進むと思いますので、ぜひ違いに注目して勉強を進めてみてください。




つまり、本試験の難易度は?

上記のような傾向から考える人工知能プロジェクトマネージャー試験の難易度は、「業務経験がある分野であれば(そこまで勉強しなくとも)合格水準に近い点が取れるが、業務経験がない分野を対策なしに挑めば、その分野は0点もありうる」というレベル感にあると考えています。

これは、私たちの試験の趣旨に沿った難易度でもあります。また、あるべき水準感に調整できているとも考えます。

AI構築やデータサイエンスに関して、技術とマネジメント両面で十分な実務経験をお持ちの方であれば、合格はそこまで難しいものではないと思います。逆に言うと、業務経験がない分野や、実務としてあまり気にしてこなかった分野がある場合は、そこについては少し勉強(確認)が必要になると思います。

人工知能プロジェクトマネージャー試験の合格ボーダーのイメージ


受験者様の傾向をみると、やはり得手・不得手があるのが自然であるように思います。そのため、これから合格を目指す場合には、ご自身が不得手としている分野について理解を深めることが一番の近道であるように思います。




合格に向けたおススメの勉強方法


公式テキストを読み込む

合格に向けては、やはりまず公式テキストを熟読いただくことをおススメさせて頂きます。
読み方としては、データサイエンスやAIプロジェクトの全体の流れ・進め方、基本的な性質を把握してから、それぞれの分野について読み進めていくと良いと思います。分野別に章がわかれていますから、自身で得意・不得意分野がハッキリわかっている方は、苦手分野からピックして読んで頂いてもかまいません。公式noteでは章別の掲載もしておりますので、そちらもご活用ください。

公式テキストは読み物として理解をすすめられることはもちろん、試験対策として確認問題もついています。当日の設問形式や雰囲気を把握しておくこともメリットになると思います。


足りない情報を自分で調べてみる

場合によっては、公式テキストの内容だけでは読み足りない、もっと様々な角度で説明が欲しいといったこともあるかもしれません。
その場合は、各章末に記載している「本分野の能力を高めるには」も参考にして頂きながら、知らない単語や用語をWEBで調べ、ノートやメモにまとめておくことをすすめます。
より深い理解や整理に役立つだけでなく、後から見直すなどにも便利だと思います。


運営側の私たちも「せっかく受験をして頂くからには、ぜひ合格に向けた準備をして、合格を勝ち取って頂きたい」との想いを抱いています。
特に、全体の傾向でもみられたように、「技術(or マネジメント)分野だけ見ると合格なのに…」となると、どうしても勿体なく思ってしまいます。

ぜひ、十分な準備をもって、合格に進んで頂ければ、私たちも嬉しく思います。




ここまでお読みいただきありがとうございます。
本公式noteをきっかけに、人工知能プロジェクトマネージャー試験にご関心を持っていただけましたら、ぜひ公式テキスト「AIを活用する技術を学ぶ」から学習を始めていただけましたら幸いです。

またよろしければ、ぜひその後は資格試験にもチャレンジしてみてください。
人工知能プロジェクトマネージャー試験は、公式サイトからお申込みいただけます。ご自身のPCを使って、ご都合の良い日時・場所でご受験が可能です。

どうぞよろしくお願いいたします。