大学院に進むべきか進まざるべきか...
歯学部の学生さん、研修医の先生方は一度は悩む問題かと。
僕は昔、高校教師に憧れたことがあり、伝える事が好きです。
学生時代も塾の講師や家庭教師をやっていました。
そのため、大学で教鞭を取る事も未来像として考えたので、迷わず大学院への進学を選びました。
するとある先生から
「卒後直ぐに開業医に就職して、少しできるようになって自身で開業したら、大学院に進学してから開業するのと比較すると、生涯年収が数千万から数億違ってくるよ。」
と言われました。
そのアドバイスに僕は、違和感を覚えました。
お金だけみるとそうかもしれないけれど、大学院に行かなきゃ出来ない事があると。良い実験結果が出るかどうか解らないのに何時間、下手すると何日も待つ経験なんて普通は出来ないじゃないですか。
また若いうちに英語文献に触れる機会が多かったり、学会発表でPCを用いたプレゼンを出来たのも財産です。また生涯年収も実は、そんなに変わらないのではと今は思います。
また大学院に行った事で、僕自身は大学の組織人には全く向いないと気付き、外に出る決意が出来ました。ただ大学院に行っていると手が動かないというレッテルを貼られるので、就職活動には苦労しました。
院修了時の2003年、結婚して長女もいたので、家族3人が生活できる給与を望んだのですが、なかなか見つかりませんでした。
そこで見つけたのは当時はまだ珍しかった医科との連携の歯科で、金属アレルギー改善のため、メタルフリーの診療を経験させて頂きました。
その時は周りの歯科医師からは何やっているの?という目で見られましたが、今はその経験がとても活きています。
話を戻すと、大学に残る道を考えたい、少しアカデミックな事に触れていたいと思うなら、若いうちに大学院に進学すると良いと僕は思います。
もちろん開業して落ち着いてから社会人大学院生として学ぶのも悪くないので、その時に良いと思う道を選ぶと良いと思います。
また、大学院を修了し、博士号を持っているため、海外でPh.D.を堂々と名乗れます。僕が2012年、東北大学の歯学部の非常勤講師に選ばれるかどうかの時に、博士号は必須だったので、大学の若い学生さん達の未来のために、将来関わりたいと思う先生にはお勧めです。
人間、いくつになっても勉強できるので、その時にやりたい事をやると人生は楽しめるのではないでしょうか。
写真:2001年 イタリア カプリ島 青の洞窟が見れなかった写真です。悪天候で船が出ませんでした(涙)。いつかリトライしたいです。