(タイトル画像引用元はhttps://sakhalin.info/news/221307)
お久しぶりです。
前回から、「サハリン出身の兵士の戦死者を淡々と挙げて行く」内容になりつつあります。
この侵攻に対するサハリン州内の世論がどう変わって行くのか、「サハリンインフォ」と言う現地のニュースメディアに注目してフォローしてみたいと思っていますので、今少し我慢を願います。
改めてこのメディアについて説明しますと、「サハリンインフォ」は、先ず、サハリン州内の通信社みたいな位置付けになっており、テレビ局や新聞社へのニュース供給源の一つになっているようです。州政府の公式発表等の際の広報も担っているようです。また、「フォーラム」と言う各ニュースに対する意見を匿名で最小限の制約で書き込めるコーナーを持っており、それら意見を公開しています(少なくとも、そういう様に見えます)。
また、前回も紹介しましたが、戦死報道の特性上、「フォーラム」には「御悔やみ」が多いのですが、そうではなく、ウクライナ侵攻についての個人の意見が述べられたものの内、noteで言う「スキ」が多いコメントを選びました。
5月20日現在で、ウクライナ侵攻後の戦死者は12人に達しました。
確認しようがない情報なので訳出ししませんでしたが、この戦死者数が、サハリン州でのアフガニスタン戦争時の戦死者数を超えたと書き込んだ人も居ました。
①サハリン所在部隊所属の5~8人目の戦死者に関する報道とコメント
2日間、それも大祖国戦勝記念日直前の7・8日に4人の戦死が明らかになりました。
4人の内、サハリン所在の第39旅団所属であることが明らかな3人は、ロシアが占領中のウクライナ東部2州(ロシアではドネツク及びルガンスク人民共和国と呼ばれている)領内で戦死した模様です。また、これ迄の戦死者4人も同じ部隊と報じられていることから、同旅団は東部2州での戦闘に加わっており、7人の戦死者を出したようです。
コメントの内容は、作戦の目的が不明確である以上停戦すべきで、戦闘を継続するのならば、ロシア政府の高官が自分たちでやれ、と言うもので、最も多いスキを得ていました。
②9~12人目の戦死者に関する報道とコメント
13日と18日に州政府が発表した3人の戦死者の所属部隊は明らかになっていません。
興味深いのは、初めて戦死の時期について発表されたことですが、5日の戦死者が13日に発表されていました。戦死から発表迄、1週間程度のタイムラグがあるようです。
また、州政府の発表が定型化、「◯◯出身の◯◯が犠牲になったという事実、州政府による遺族支援の表明、戦死者総数」という定型文になりつつあるのが、じわじわした恐怖感を感じさせます。
コメントは、やはりこの戦争の目的や意義が希薄化しているのか、かなり冷笑的で厭戦的です。マリウポリでかなり抵抗したはずのウクライナ兵の捕虜が、不自然に無気力化している映像すらフェイクではないかと違和感を感じている(我々は、ウクライナ政府もマリウポリ陥落を認めているのを知っていますが)人が多いようです。
①サハリン所在部隊所属の5~8人目の戦死者に関する報道とコメント(5月7・8日の「サハリンインフォ」の報道とそれに対するコメント)
◯ 5月7日の報道
◯ 5月8日の報道
◯ 報道に対する市民S_K(サハリン州在住、男性)のコメント。(5月20日現在、ニュース閲覧数57000の内126のスキ)
②9~12人目の戦死者に関する報道とコメント(5月13・18日の「サハリンインフォ」の報道とそれに対するコメント)
◯5月13日
◯5月18日
◯ 報道に対する市民「解釈者」(1974年生まれ、ユジノサハリンスク市在住、男性)と、匿名65191(サハリン州在住)のコメント。(それぞれ、5月20日現在、ニュース閲覧数48900の内100と93のスキ)