2021年6月の北方領土での軍事演習のまとめ(3.8)
タイトル画像は(https://sp.seiga.nicovideo.jp/seiga/#!/im3006816)の引用です。
そうです❗️今回は、ロシア軍北方領土駐留部隊の18師団の戦車部隊の編制と装備です。
では、景気づけに一曲
(引用:https://youtu.be/8oLDY_sgXjU)
戦車のことを調べているうちに大混乱したので九州の従妹に泣き言言ったり、買ったばかりのトイドローンを室内で飛ばして遊んでいたら、なぜかキッチンに飛んでいって、揚げ物中の鍋に危うく身投げしそうになったり(正にDJI FLY)、ほとんどのNFLのポストシーズンゲームが残り時間数秒まで分からない接戦で面白過ぎだったのでアップするのが遅くなりました。
(引用:https://note.com/hiromishibayama/n/n986cfc104202)
それでは本題、今回の内容は
①師団隷下各連隊の戦車部隊の編制と装備
② ところで戦車部隊の装備戦車は何?
おまけ
になります。
①師団隷下各連隊の戦車部隊の編制と装備
ここでは、択捉島と国後島の各連隊(それぞれ49連隊と46連隊)の所属部隊である
機関銃・砲兵大隊×2
機動自動車化狙撃大隊(MT-LB装備)×1
戦車中隊×1
が、それぞれ何両の戦車を持っているのか考察します。
先ず、前回と同じように戦車部隊の一般的な編制を考えます。戦車中隊から調べてみます。
ロシア軍の徴集予定者(ロシアには兵役があります)向けガイダンスにまとめてありました。ウソ書いたら「行ってみたら、全く違うじゃん!」と炎上するので、ほぼ正確な内容だと思います。
なぜ3×3=10になったのか解りませんが、戦車中隊=9~10両が基準のようです。気まぐれで時々、中隊長が乗り回したくなるんでしょうね。
で、以下↓は、前回掲載した18師団の戦車装備です。同じ引用先から、少し細かいスペックを加えました。
T-80BV戦車×94
125mm砲、射程3.7~4km、最高速度70km/h、航続距離500km、ガスタービンエンジン登載1,100馬力、接地圧0,84kg/平方㎝、最低地上高450mm
先ず驚くのは、その量です。師団に94両あるそうです。結構多くない?
では、連隊の装備数を調べます。
例によって2コ連隊に「半分コ」して、47両。
戦車中隊が10両装備しているので、機関銃・砲兵大隊×2と機動自動車化狙撃大隊が残りの38両を装備していることになります。
で、機動自動車化狙撃大隊と言うのは、軍の正式の部隊編制にはありません。恐らく、ラスボス感を出したいがため、「どえりゃー動き回るんだわ!そりゃえらいこったわ!」のビビらせと少しの車両を追加しただけの自動車化狙撃大隊だと思います。
そこで、wikipediaロシア語版の「自動車化狙撃部隊」(https://ru.m.wikipedia.org/wiki/%D0%91%D0%B0%D1%82%D0%B0%D0%BB%D1%8C%D0%BE%D0%BD#:~:text=%D0%9C%D0%BE%D1%82%D0%BE%D1%81%D1%82%D1%80%D0%B5%D0%BB%D0%BA%D0%BE%D0%B2%D1%8B%D0%B9%20%D0%B1%D0%B0%D1%82%D0%B0%D0%BB%D1%8C%D0%BE%D0%BD%20%D1%81%D0%BE%D1%81%D1%82%D0%BE%D0%B8%D1%82%20%D0%B8%D0%B7%20%D1%83%D0%BF%D1%80%D0%B0%D0%B2%D0%BB%D0%B5%D0%BD%D0%B8%D1%8F,%2C%20%D0%BC%D0%B8%D0%BD%D0%BE%D0%BC%D1%91%D1%82%D1%8B%2C%20%D0%9F%D0%A2%D0%A0%D0%9A%20%D0%B8%20%D0%9F%D0%97%D0%A0%D0%9A.)を見たのですが、何と!自動車化狙撃大隊は戦車を装備してません。
従って、残りの38両は、機関銃・砲兵大隊×2、つまり各機関銃・砲兵大隊が19両(戦車中隊×2)づつを装備している事になります。
フフッ…、ところ狭しとフラグ立ち放題の機関銃・砲兵大隊にとうとう光が射したようです。
ボロボロ・サビサビ大隊とは仮の姿、しかしてその実態は2コ戦車中隊を有する…ちょっと落ち着け❗️
以前、記事にした本来の機関銃・砲兵大隊の装備と編制を振り返りましょう。
大隊の編制には、元々、エンジンなしとは言え戦車火点中隊(10両)×2が有ったので、この戦車火点中隊(現在もそういう名称かどうか解りませんが)の装備が、エンジンありのT-80BVに更新されたとも考えられますね。
少々ムリ目ヒイキ目の解釈ですが、取り敢えず19両は戦車火点中隊×2の装備と仮置きできそうです。
②ところで戦車部隊の装備戦車は何?
ここで18師団の装備戦車について、ちょっと確認しておきたいと思います。つまり、 T-80BVが装備戦車であるかどうかという前提に対する考察です。
なんで今さらと思うかもしれませんが、昔「情報を確認するときは、内容を何時、どこで、何が、なぜ、何を、どうしたかに分解しなさい。そして最後に『本当か?』を掛け算しなさい。(5W1H)×Hだよ」って教わったのを思い出したからです。
実際、北方領土の軍事演習記事、しかも国防省のHPで、まとめ(3.3)にもあるようにT-72Bが出てきたりします。
つまり、複数のタイプの戦車が装備されているのが現状のようです。どういう経緯になっているんでしょうか?
以下は、2021年4月21日のロシア軍機関紙「赤星」の一部抜粋と、2022年1月11日のロシア通信社「インタファクス」の記事です。
部品の補給やメンテナンス面を考えれば、装備戦車は一種類の方が合理的ですし、報道通り2021年の春頃から、18師団ではT-72BからT-80BVへの全面更新が進んでいるのは間違いなさそうです。
何両更新されているか、どういう方法で更新されているかは分かりませんが、部隊の編制や運用を考えると、以前の例で言えば、連隊としてのゴールキーパー、つまり防御する連隊の機動予備として運用され、まとまって整備等がやりやすい戦車中隊辺りから更新されていると思います。
もう皆さんも忘れているでしょうが、2022年6月の演習で、上陸後防御陣地を迂回した相手部隊を迎え撃った機動予備部隊の戦車の画像は、T-80BVでしたしね。
けど、いずれにしてもT-80BVというのは、古い❗️1980年製ですよ。日本人なら「ダイヤル回して手を止めた」世代ですよ。
なぜ、ロシアはわざわざT-80BVを北方領土に配置したのでしょうか?
もう少しT-80BVについて調べる必要があるようですね。
次回のその辺りのお話「空飛ぶチューネン戦車に青春を再び!について考える」は、明日の心だー。
おまけ~ 紙より薄いウクライナ情勢の考察
ヨーロッパ正面では ウクライナ🇺🇦で揉めているようですね。
色んな専門家の方が様々に解説されてます。
私は、20世紀初頭の日露戦争前の朝鮮半島情勢と似ているなあと思います。
共通しているのは、
緩衝国、つまりウクライナと大韓帝国の政権がひどく腐敗し、統治能力が低いため外国からの軍事・経済的支援(干渉とも言えます)が必要になっている事です。
緩衝国には事態収拾に際して何の決定権もありません。大国(100年前はロシア帝国と大日本帝国、現在はNATOとロシア)の合意に従うだけです。
今回、NATOとロシアは、いわゆるミンスク合意の順守を起点として、今後のウクライナへの影響力をお互いに少しだけ強めようと交渉しているようです。イズムィコさんの例えを借りれば、ゴールポストの引っ張り合いですね。
今にも大規模軍事衝突が起きるみたいな話をする方も居られますが、少なくともNATOには今大きな犠牲を払ってまで非加盟国ウクライナを防衛する義務はありませんし、ロシアも負けることが分かっている対NATO戦は望まないと思います。
けれども、双方とも、ここまでの時間と労力とコストに見合う成果は得たいと必死で交渉しているでしょうね。
これと言った根拠は無いのですが、 何となーく、見た目は穏便に終わってしまう気がします。別にゴールポストをもう一つ作っちゃう、つまり裏取引ですね。(ミンスク合意自体、ロシアに有利過ぎなんで、㊙️の付帯条項がある気がするんですよねー)
但し今後、地理的概念に過ぎない緩衝国(我ながら酷い表現!)つまりウクライナの内政的混乱や欧州NATO諸国と足並みが揃っているとは言いがたい米国の対ロシア強硬路線が相まって、ミンスク合意を反故にするような両国だけの急接近、つまり「露館播遷」みたいなことが起きれば事態はややこしくなるかもしれません。
その際、例のバイデンさんの息子さんのスキャンダルが事実ならば、ウクライナにとってなにがしかの対米カードになるでしょう。
また中長期的に考えれば、20世紀初頭にロシア方式の広軌鉄道と日本方式の標準軌鉄道の延伸競争が朝鮮半島や満洲での対立の火種になったように、近い将来に東欧のエネルギーの供給源がシベリア産か、欧米の企業が押さえる中東産、あるいは米国産シェールガスになるかの対立が前面に出て来て、おおごとになるかもしれません。
いずれにしても、ロシアが西を向いている間は、日本周辺は余り波風立たないと思います。平和の祭典オリンピックもこっち側ですしね。プーチンも習近平の顔を立てないと。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?