(タイトル画像はhttps://forum.sakh.com/1898838/best/の引用)
前々回から鬱展開で続く「サハリン出身の兵士の戦死者を淡々と挙げて行く」シリーズの続きです。
改めて、この記事を投稿する狙いを説明します。
小さな鍵穴から部屋の中を覗いている、あるいは昔の映画よろしく、向かいのアパートを望遠鏡で覗いている様子を思い描いて下さい。
一定の固定された方向からの死角だらけの視界です。しかし、そこで起きているシーンは、観察者を意識しているものではなく当事者間のホンネの動向です。
時間をかけて細かく見て行けば、想像力で死角を埋めることが出来るかもしれません。間違えることの方が多いようですが。
まあ、ロシアの端のサハリン島の個人的なSNSの書き込みから、モスクワ中枢の政界の風向きやロシア全土の世論の潮流を推し測れるとは思っていません。
ロシア革命の時の「血の日曜日事件」前に地方の村で起きた一つの小さなエピソード、みたいなものが見つけられれば面白いなと思っています。
ウクライナや西側諸国のマスコミのロシア世論のニュースは、読者や視聴者のニーズを元に、ロシアの反政府勢力や非公開の情報源から得る「恣意性のある伝聞」が多くなってしまう傾向は否めないと思います。
この覗き見シリーズ記事の一番の強味は、「恣意性のある伝聞」ではないことです。さっきの例で言えば、鍵穴の向こう側の風景には、観察者の関与がない事実です。(だからこそ、観察者側に間違いが有りうるのですが)
また、前回も紹介しましたが、戦死報道の特性上、「フォーラム」には「御悔やみ」が多いのですが、そうではなく、ウクライナ侵攻についての個人の意見が述べられたものの内、noteで言う「スキ」が多いコメントを選びました。
6月17日現在で、ウクライナ侵攻後のサハリン住民戦死者は25人に達しました。
①サハリン所在部隊所属の14~21人目の戦死者に関する報道とコメント
前回の記事でウクライナ東部2州での戦闘に加わっていることが窺えるサハリン所在第39旅団は、11人(その後12人)の戦死者を出したようです。
戦死者の中に小隊長相当の中尉が確認されること、部隊編制で最も多いはずの兵士より下士官が多く戦死していること、負傷者は戦死者の3倍程度出るとの軍隊の経験則から、少なくとも1個小隊が事実上全滅していると考えられます。これも軍隊の経験則ですが、兵員の1/3が消失すると、その部隊は戦闘不能状態になることが多いので、ざっくりと計算すると1個中隊が動けなくなっている可能性は否定出来ません。
コメントの内容は、短く凄みのあるもので、まるでクーデターの呼掛けのように過激なものですが、意外にも支持を集めました。
②21~25人目の戦死者に関する報道とコメント
これ以降、総犠牲者数の報道が失くなりました。また、空挺部隊第45独立親衛特殊任務連隊が参戦していることが窺えました。
コメントは、匿名の女性のもので、敵味方関係なく将来のある若者が国家に騙されて殺し合っていると書いています。また世論は、戦死者に対して疑似愛国的な態度を取る傍観者になっていると糾弾しています。そしてその態度を続けることが犠牲者数の増加を招いていると怖れています。
①サハリン所在部隊所属の14~21人目の戦死者に関する報道とコメント(5月23~6月6日の「サハリンインフォ」の報道とそれに対するコメント)
◯ 5月23日
◯ 5月26日
◯5月29日
◯5月30日
◯6月1日
◯6月6日
◯ 6日の報道に対する市民Sashok65(サハリン州在住、男性)のコメント。(6月18日現在、ニュース閲覧数54800の内134のスキ)
②22~25人目の戦死者に関する報道とコメント(6月10~16日の「サハリンインフォ」の報道とそれに対するコメント)
◯6月10日
◯6月14日
◯6月16日
◯ 16日の報道に対する市民匿名33827(女性)のコメント。(6月18日現在、ニュース閲覧数32000の内72人のスキ)