紅麹を含む健康食品について(カネミ油症事件と関連して)
1 はじめに
数日前から大問題になっている紅麹を含む健康食品による健康被害。因果関係はまだ不明ですが利用された方が死亡に至った事案もあるそうで、原因究明が待たれます。
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2 紅麹とは
紅麹菌とは、蒸した米に紅麹菌(ベニコウジカビ/Monascus属カビ)を混ぜ入れ、発酵させた米麹のことを言うそうです。発酵させることで、体に良い効果をもたらすGABAやモナコリンK等が産まれるそうで、健康食品として認知されていました。
今回は、想定していなかった、プベルル酸というものが発見されたそうです。毒性は強いそうで、身体に悪影響を与えかねない物質とのこと。
https://note.com/ooya113/n/n9be8beb63619
そのような物質が混入した理由は未だ不明確ですが、昨年9月以降の工場での製造工程で何らかの異変が生じたという記事も見られます。
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3 過去の食品被害
法的には、補償の問題を考えなければなりません。
過去に、カネミ油症事件というものがありました。
カネミ倉庫株式会社が製造販売する食用米ぬか油(カネミライスオイル)を接触した方が、有機塩素中毒による皮膚、内臓、神経の疾患等を罹患しました。
原因は、米ぬかの臭いを除去する間接加熱式脱臭工程において、加熱用熱媒体として使用されたPCB(カネクロール)が所定のパイプから漏出して米ぬか油に混入してしまったことにあります。
さらなる混入経路は、PCBから発生した塩化水素が水分と反応して塩酸となってパイプを腐食したのか、あるいは、カネミ倉庫社側のミスでパイプを破損してしまったのか、いずれかは特定されていないようですが、裁判所は、食品の安全性を重視して、食品製造業者に対して高度な注意義務を負わせた上で、カネミ倉庫社の賠償責任を認めました。また、複数の裁判例がある中では、一部が、PCBの製造販売業者についての賠償責任を認めました。
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なお、PCBは、現在利用、製造が禁止されています。
https://www.meti.go.jp/policy/energy_environment/kankyokeiei/pcb/index2_2.html
4 今回はどうなるか
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