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PLAYING CARDS
大阪梅田に位置するグラングリーン大阪内の舞台装置「VS.」に再び足を運んだ。当施設のオープニングエキシビジョンである真鍋大度の個展に引き続き、今回は吉田ユニの個展「PLAYING CARDS」について体験レポートを書いた。
公開期間は2024年11月1日〜12月5日。本来は12月1日までの展示予定であったが、好評により期間が延長されたらしい。実際に私が訪問したのは11月24日だ。
先述した真鍋大度の個展については下記の記事にて。ぜひこちらもご覧いただきたい。
ユニの世界観
吉田ユニと言えば、全く別物の小物等を用いて一つのビジュアルを作る独特の世界観が特徴である。
例として、個人的に好きな作品を2点紹介する。
こちらは目で花びらを表現したものだ。目を閉じた時はアイシャドウでピンクの花びらを表現し、目を開いている時は白の花びらを表現している。このようなあるもので本来の形とは違ったビジュアルを表現することをユニは得意としている。
こちらは一見赤い服を脱いでいる人の後ろ姿を撮らえたように見えるが、遠目で見ると齧られたリンゴに見える。この作品もユニの作品であることはつい最近知ったばかりである。(高校生の頃ぼくりりいっぱい聴いてたから驚き)
当個展ではトランプの絵柄をテーマに、様々な衣装や食べ物等でそれらを表現した作品をまとめて鑑賞できるものであった。また、過去に関東で先行して同展示会が開催されており、今回は少し遅れて関西に上陸したそうな。
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(そういえば最近出したアルバムのアートワーク、ユニ担当らしいね)
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こういうのはね、読んどかないと
トランプタワーと宙に舞うカード
受付の部分から床に作品が配置されており、徐々に現実からユニの世界にシフトチェンジしていく工夫が施されているように感じた。
早速入場。入ってすぐの部屋の中央には巨大なトランプタワーが。
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いやでかすぎんか??
メインオブジェであるトランプタワーや宙に吊るされているカードは実際に壁側に展示されているビジュアルと同じものである。凝ってんなあ。
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吊るされているカードは一枚一枚角度や歪みが異なり、実際は固定されているが、ひらひらと舞う様子が表現されているように感じた。こういう工夫一つで動きを表現できるから奥深い。
ぞれぞれのカードを紐解く
壁側には54枚のカードがそれぞれスーツと番号の順に展示されていた。ここでは個人的に印象に残った作品について取り上げていきたい。
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ハートのA。当展示の作品で最も人気が高いものはこれだろう。
スカートが靡く様子をハートで表現したものであり、綺麗なハートではないのが人工感あってさらに味が出ている。
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ハートの2。赤い髪で上側のハートを、薔薇の花束で下側のハートを表現。同じ絵柄でも違う物で表現しており、それも物のみでなく人物を用いて表現しているからポイント高い。
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ハートのJ。本やバナナ、ナイフ等で人物を描いており、中央にはケーキが等分されていたりトランプカードで遊んでいたりする様子も描かれている。一つのビジュアルで二つの場面を同時に表現するのは斬新で面白い。
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クラブのA。個人的には一番ユニらしさ出てて好きな作品だった。目元とアイメイクでクローバーを表現しており、目を用いることで完全な黒色にはならない。これにより、別のもので表現しているという意図を全面に押し出しているように感じた。
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クラブの2。おい何食ったらこんなん思いつくねん。
上側のクローバーはバルーンで表現し、下側は影で表現するというハートとは違ったまた新たな視点で攻めてきた。いい意味で期待を裏切られた。アーティストってすごいね。
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クラブの8。木にネジを打ち込んで表現されている。穴を開けた跡やバリでもビジュアルを表現しているから一つの作品の中でも飽きがない。また、クラブスーツであることを明確にわかるラインでそれをしているのだから絶妙なデザイン設計であることがひしひしと伝わってくる。
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スペードのA。紫の爪とリップで表現している。黒じゃなくバイオレット寄りの紫を選定したのも人工的設計を伝えたいからなのだろうか?
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スペードの4。白の正装を身に纏う男性のネクタイ、インナー、髭でスペードを表現しており、ハットや本を添えている。本の男性はそれぞれポーズが異なることから多様さを表現していると感じた。
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ダイヤの10。串焼きバーベキューの肉や野菜で絵柄を表現している。肉もネギも生の状態だからこそできる自然な色だ。(僕は肉大好きなので両端だけ貰いたいです。もちろん焼いて持ってきて。)
(余談ではあるが、個人的にはバーベキューは網焼きより串焼き派、らしさがあるから。)
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JOKER。左側は様々な野菜や果物でピエロを表現、右側はりんごとレモンの皮でピエロのお面を表現している。
異なる絵柄で着目するモデルを変えているからより面白い。
カードの制作背景
順路に沿って進んでいくと、壁にカードの絵柄が壁に投影されていた。特にこれといった特別感はなく、noteの仕様上動画は添付できないので割愛する。
さらに次の部屋に進むと、本展示の制作背景として、作品の配置・キャラクターの構想や実際に撮影で使われた小物等が展示されていた。作品だけじゃなくてこういう裏側も知れるのも個展の良さの一つだと思う。
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配置だけの下書きだったり、配色構想であったり、同じ作品でも制作過程によって美しさのベクトルが違うなと感じた。物販で作品をトランプ化したものが販売されていたが、こういう途中過程のものも別バージョンとしてブックレット化とか商品化してくれると個人的にはだいぶ嬉しい。
総評
前回の真鍋大度の個展に引き続き、今回も世界観が全面に押し出されている展示会であった。
ある物を組み合わせて他のものに「見せる」ユニの作品には強いインスピレーションを受ける。今回はそのような体験が凝縮されたものであった。
そうそう、事前に他の人の体験記をいくつか拝見してみた(事前に計画練りたい派だから下調べも兼ねて)。明確なドレスコードはないものの、暗黙の了解として多くの人がトランプというコンセプトに沿って赤や黒の服を着ていたと書かれているものがあった。実際に展示会に足を運ぶと、黒や赤、白を基調とした服を装っている人が多く見られた。先駆者ありがとう。
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今後も様々な展示やイベントがVS.で開かれるだろう。近場なことから気軽に足を運べるため、施設の情報を定期的にチェックしたいところだ。
最後に、インスタの投稿も併せてご覧いただきたい。