「今夜、世界からこの恋が消えても」 読了
「日野のことが、好きだから」
朝を迎えると寝る前までの、どんなに辛い記憶も楽しくて嬉しい記憶も全て白紙に戻ってしまう日野真織。そんな彼女の消えてしまう毎日を、たったこのひとつの気持ちで色付かせようとする神谷透の純愛に心打たれます。
一日経てば記憶がリセットされてしまうヒロインと彼女に恋する主人公の恋愛小説というのは珍しくないコンセプトです。が、「忘れても何度でも好きにさせてやる!」、というようなものではなく、只只ひたむきに彼女の毎日を幸せなものにしたいんだ、という真っ直ぐな恋心が美しく描かれていて、「これこそが純愛小説だ!」と感じました。
とにかく真っ直ぐで美しい恋愛小説でした。恋愛小説が好きな方は必読です。