公園って楽しい
久々に訪れた公園で、私はぼーっとするという時間を過ごした。公園っていいよね。隔たるものはないのに各々が好きなように過ごせるし、それなのに人と自然、人と人、人と動物のコミュニケーションが自然と生まれる場所でもあるから、楽しい。何が起こるか分からないから楽しいんだよなぁ。木のそよめきに耳を傾けたり、親子が交わす愛の会話にほっこりしたり、子どもたちのはしゃぐ声になんだか元気をもらったり。散歩中の犬と犬が見つめ合ってる姿を眺めるのもいい。何話してるんだろ、なんて考えたりして。公園は楽しい場所だけど、でもそれだけじゃない。それ以上に、そこに行く、ただそれだけのことで自分の知らないうちにたくさんのなにかとコミュニケーションをしている。その瞬間瞬間に意味もなく没頭する時間が本当に好き。
その日。あいにくの曇り空だったけど、冷たさと微かな風が妙に心地よく感じられる日だった。人気のない木に囲まれるような場所で私は静かに池を見つめた。ただ意味もなくゆらゆらと揺れる池の水面をじいっと見つめた。この心地はなんだろう。久々に味わう感覚がなんだか懐かしくて、離れたくなかった。瑞々しい、でも少しそっけないような何かが私の心を優しく包んだ。不機嫌な空と可もなく不可もないような、何者でもない私。ただ時と空間に身を委ねて、ここにいることの尊さを噛み締めていた。決して天気が良いわけじゃないのに、私の心は純粋に澄んでゆくこの矛盾に少しだけ感動した。曇り空が、不機嫌な空が、人に力を与えることもあるんだと。快晴だけが心を動かすわけじゃないんだと。素直じゃない曇り空のおかげで私は少しだけ素直な自分がかえってきた気がした。
ある日の夕方、公園とわたしの出来事。