HHKB+トラックボールマウス15年目が語る結局これだった話
序章
こんにちは、HHKBを使い続けてはや15年めに突入しているプログラマです。そんな私がHHKBを使い始めたきっかけからなぜ未だに使い続けているのか?長く使い続けているなりのデメリットはあるのか?などポエムって行きたいと思います。この記事はタイトル画像の通り人のネット記事やYoutubeを観た感想で述べているものは1つもございません。
第一章 「肩幅」
序章で少し書いた通り、私はプログラマ。システムエンジニアとかとも呼ばれたりします。日本のサラリーマンは、多忙な毎日を過ごしている方が多いと思いますが、システム開発に携わっている人間の多くは他の業界に負けじと劣らず残業と長時間労働の日々を送りがちだと思います。
そんな世界に若い頃から身を投じていた私はあぶれることなく残業と長時間労働の日々を過ごしておりました。
いわゆるデスマーチというやつです。
そんな環境では労働力としてエンジニアが湯水のようにプロジェクトに投入されビルのトイレは大きいのから小さいのまで漏らしそうな人の阿鼻叫喚であふれかえるほどになったりします。
デスク環境といえば、劣悪極まりなく隣の人と方が当たるのではないか?とも思える、いや当たるようなことも日に1度や2度じゃないくらいの環境でした。しかし支給されるPCはしょぼく、最初から同梱されているフルサイズのキーボードとマウスのみ。人の肩が当たるのではないかという環境において、どうやったらフルサイズのキーボードが置けるのでしょうか?マウスの可動域はどう確保すればよいのでしょうか?
こんな「肩幅のプライベートゾーン」しか許されない現場で私が目をつけたのは小型キーボード。当時見つけたのは、FILCOのMINILAでした。軸なんてどうでもいい。兎にも角にも小さいキーボードで限られたスペースを極力効率的に使うのだ!と思い購入したのを覚えています。
第二章 「黒き豆腐」
FILCOのMINILAを黒軸を使い始め約2ヶ月ほど経過したころ、仲の良い後輩の一見変わったキーボードが目に入りました。遠くからみたら、なんというか薄黒いごま豆腐?的な見た目のキーボード。サイズ感は私のMINILAと良い勝負。ただマットな雰囲気をかもし出すなんとも言えないキーボードでした。
近くで見ると、キーボードに印字がなく本当にどれがどのキーかもわからない状態でした。このとき見たのはJIS配列だったのですがとてもきれいな黒い豆腐に見えました。私は1日使わせてくれとお願いし、自身のMINILAを人質に差し出すと黒き豆腐を借りたのでした。
黒き豆腐は今までに経験したことのない、「コト」だったり「トコ」だったりと、なんとも言えない打鍵感でした。1回1回の打鍵でストレスが吸収されるような不思議な感覚、もはやエンジニアにとっての「宝貝(パオペエ)」としか思えなくなってきました。
1日使い倒して返却したときの後輩のニヤケ顔を忙しさが相重なり、帰りの電車でヤフオクを漁りまくる私がいました。
第三章 「使徒のコア」
ともかく「黒き豆腐」「エンジニアの宝貝」をいち早く手に入れたかった私はヤフオクで好戦的とも思える価格設定の中古HHKBを購入し、「初陣」を果たすのでした。これにより私の「肩幅のプライベート」ゾーンはより充実した物になりました。しかし問題が1つ残ります。それはマウスです。
マウスはPCに最初から付いてくる安物を利用していましたが、それでも使い勝手は別に悪くもなく、マウスに金をかけるなんて嫌だなとも思ってました。しかし、一般的なマウスを狭き範囲で使おうとすると左右に動かせる範囲は少なく大きくカーソルを移動させるには一度空中に浮かせて移動してからまたマウスを机の上で動かすという行為を繰り返さなければなりません。
このときに発生する音はかなりの不快感で、「カッッカッ」みたいな音がそこらじゅうで鳴り響くわけです。
そんなとき懇意にしていた先輩が新たなガジェットを手に入れたとご満悦な雰囲気で私に声をかけてきました。
そのガジェットとは、親指トラックボールマウスでした。私には赤くそして鈍く光り輝く「使徒のコア」にしか見えませんでした。
もう廃盤なので売ってはいませんが、これです。
この時代、私もトラックボールマウスの存在はうっすら知ってましたが周囲で使っている人は皆無でした。なので自然と購入対象として見えてませんでした。どうやら普通のマウスは手が疲れるのに対してあまり疲れないとか腱鞘炎になりにくいなどが理由だったのですが、購入した先輩は全く馴染めず3日程度で私に無料で譲渡してくれました(涙)
それ以降私は13年ほど親指トラックボールマウスを自宅と業務で愛用してきています。最近大玉トラックボールに以降しているのですが興味本位で買ってみて使っているというだけで親指トラックボールマウスが至高だなという意見は変わってません。どんな業務・作業にも対応ができるのは親指だけだと思いますので。たぶんAppleのマジックパッドがType-Cに対応したらおそらく試します。(Excelとかソースコードをシャーっと移動したい今日このごろ)
第四章 「遠隔と静音までのお布施」
ここまで読み進めていただけているような稀有な読者様であれば、おそらく「HHKB Hybrid Type-S」を所有の方が多い気がしています。
私は、最初にヤフオクでHHKBを購入したのは「HHKB Professional2 」のJIS配列(白)でした。数カ月は全く気にならなかったのですが、やっぱり「墨」が良かったなと思い「HHKB Professional2」のJIS配列配列(墨)を購入しました。こちらの2つはもうすでに中古で売り出して残念ながら手元にはありません。
また1年ほど経過し、果たして私が求めるキーボード配列はJIS配列なのか?と疑問を抱くようになりました。これはMacBookProを購入した際にUS配列にしたことが大きな分岐点となった気がします。
US配列って記号とか打ちやすいなぁと思い出したら止まらず、「HHKB Professional2」のUS配列(墨)を購入しました。
最初は配列に対する戸惑いとFnを押しながらのカーソル操作になれることができず大変なストレスを感じてましたが、2週間もすると完全に持ち直してこれ以外のキーボードが余計にダサく見えてきました。(厨二病)
それから1年くらいでしょうか・・・やはり私も静音モデル「Type-S」が異様に欲しくなりまして結局「HHKB Professional2 Type-S」のUS配列(白)を2台購入しました。このときには無刻印にもチャレンジしました。既にHHKBに慣れきっている体には無刻印は全くの無害でした。
私は、このType-Sを利用していた年代が最も長く、自宅と業務(会社)で全く同じ構成のガジェットを2組用意していたので持ち運びは不要ですしトラックボールも有線を使っていたこともあり「HHKB Professional2」のUSBボートがとても助かっていたというのも理由としてあります。
近年は持ち運ばないと行けない状況が生まれたことにより、「HHKB Hybrid Type-S」を購入したことと、新しく出た「HHKB Studio」は完全に趣味の世界のやらかしとして購入した経緯になります。
結果的にHHKBの購入について簡単に言いますと、「無線で使いたいのだ」という気持ちと「できるだけ音は小さくコトコト感味わいたいんだよねぇ」という気持ちが少しでもあるのであれば潤沢な予算を持つことが重要になります。またカラーについては経年劣化が楽しめるんだ。という方は白でも良いのですが、
します。(画像参照)
HHKBはスタイルや時代の変化に合わせてそれなりの製品レパートリーが存在します。今変えそうなものだけ紹介します。
HHKB Professional Classic
旧では、 ProfessionalもしくはProfessional2 であったものです。
特徴としては有線接続であり、こちらはType-Cに切り替わったようです。
こちらは手元にないので不明なのですが、静音モデルを示す「Type-S」という表記がありません。おそらく「Type-S」ではないのでしょう。
静音モデルとそうでないモデルでは割と大きな違いが体感(耳)であります。正直後で気に入らなくなってもなかなか取り返すことのできない機能です(実はなんとかなるんですが、自己責任レベルです)
無線接続が普通の世の中では珍しい気もしますが、こちらを買う人は気をつけたほうが良いでしょう。
HHKB Professional HYBRID
こちらは無線と有線のどちらでも使えるようにしたモデルです。
先に記載している通り静音モデル「Type-S」ではありません。こちらがエントリー的な位置づけであるのでしょうが、定価として約5000円の差があるものの「Type-S」の購入を個人的に強くお薦めします。
なぜかといいますと、私自身が過去モデルにて静音モデル「Type-S」を購入せず結局「Type-S」を購入している経緯からです。
キーボード沼という言葉は本当で結局フラッグシップモデルが欲しくなるのが人の常なようですね。
HHKB Professional HYBRID Type-S
HHKBのサイトにはこうあります。
「望み得る機能をすべて備えたフラッグシップモデル」
まさにそうなのだろうなと私も思います。購入する場合はこちらをベースに予算を考えると良いと思います。ご家族の理解を得るのはとてもとても大変なことだと思いますが、結局最終的な出費は少なくなることを理解してもらって予算承認を得るべきです(涙)
HHKB Studio
ちょっと変わったHHKBであるStudioです。
私、こちら初回販売時に実は手に入れてます。こちらのモデルはいろいろ機能がありますが、トラックポイントに対応しているというのが一番大きいのだろうなと思います。昔から色んな人が望みながらも出ていなかった製品なのでかなりのHHKBフリークのみならず、キーボードフリークが歓喜したことだと思います。
ただし、結果としてこのトラックポイントやタッチセンサーの類を利活用していないのが私の現状です。しかもかなり重いので持ち運びは難しく据え置きして利用することを想定された製品だと思います。
唯一使っているのが右クリックキーでしょうか。いちいちマウスまで手を伸ばさなくて良くなって本当に助かっているのはこれだけかもしれません。
私個人的には、多くのユーザーには価格帯も含めて「HHKB Professional HYBRID Type-S」が最適解なのかもしれないなと思います。
余談1
昔「Yoda」と呼ばれるキーボードがあり、「HHKB Studio」 はその夢を現実化してくれたものだと思ってます。「Yoda」は古くはMassdropなどから購入できましたが製品自体の価格および関税といつ届くかわかったもんじゃない不安から見送らざるを得なかったです。
私としては「HHKB Studio」を利用してトラックポイントは自分には向いていないとはっきりと自覚することができたので満足です。
今では、「TEX」というサイトで「Yoda Ⅱ」が購入可能なようです。
他にも面白いキーボードはあったりしますので気になる方は是非。
余談2
「HHKB Professional2 Type-S」を2台購入した際に「HHKB Professional2」を静音化改造というのを試しました。はっきり言って本当に壊れるかもと思うくらい怖かったですが、効果が半端なく実は自宅にあるキーボードで一番の打鍵感が良いキーボードになってたりします・・・
改造方法は、ゴムシール?的なものをキースイッチに貼るだけなのですが、
貼るためには全てのキースイッチを取り出さないといけなく、HHKBで実施するには分解しかないです…かつキースイッチの爪みたいなプラスチックの部位が削れてしまいます。Oリングを使う例をよく見ますがこちらはめちゃくちゃ薄いので打鍵感が変わることが全くありません。
結果はかなりの満足感でしたが、壊れるリスクとか考えるとやめたほうが良いです。「Type-S」買ったほうが安全です。
手法は異なるのですがアプローチと解決したい部位が全く同じである凄く丁寧なNote記事があったのでリンク掲載しちゃいます。
最終章 「沼」
世の中、人の趣味嗜好により多様な「沼」があると思います。
知っているだけでも数が多すぎるため箇条書きにもしたくありません。
でも、これらの「沼」にハマることができるくらい日本は平和で豊かなんだなと感じたりもするのですが、これからはそうも言ってられない時代が来ようとしている予兆を勝手に感じ取って焦っています。
このポエム記事は、HHKBをこよなく愛する人にはニヤニヤしていただければよいだけのものです。
HHKBを保有していないにも関わらずここまで読み進めていただいた稀有な読者の方には1つだけお伝えしておきます。
結論、「HHKBは買ってまず損はない」です。気になって気になって安価(といっても1万〜2万とかします)なキーボードに手を出したりしてお金と時間を使いつつ頭の片隅に豆腐みたいなキーボードがあるくらいならば、最初から購入に踏み切ったほうが早く沼を抜けられますよというサジェスチョンであります。
私は今回記載した以外にも寄り道を経ていますが、それは別の機会にポエムさせていただくとして、今回はこのあたりで収めたいと思います。
長々とありがとうございました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?