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【サッカー考察論④】練習試合の多さから考える日本のサッカー環境。


皆さんこんにちは。西田です。
今回は練習試合についての記事になっているので、最後まで読んでいただけると幸いです。

前回はこのような内容の記事について書かせてもらいました。まだ読んでいない方は是非こちらの記事も読んでみてください!




【なぜ日本は練習試合が多いのか?】


選手として一度はサッカーを経験した人でしたら、今まで多くの練習試合を経験してきたのではないでしょうか?
練習試合とは、その名の通り練習の中での試合なので(日本の場合は)審判などもいない、非公式な試合です。

私はこのバルセロナへの留学で、日本サッカー(特にグラスルーツや、部活動)は、バルセロナに比べると圧倒的に練習試合が行われる回数が多いと感じました。
では、なぜ日本は1シーズンの中での練習試合の数が多いのでしょうか?

それは、日本サッカーの練習試合への捉え方や目的が関係しているのではないかと感じています。

私が思うに、練習試合を行う理由は様々あると思いますが、日本サッカーでは特に普段、リーグ戦などのような公式戦の経験が少ない選手たちの試合経験を補うという目的もあるのではないかと考えられます。

もちろん日本にもリーグ戦は存在しますが、チームによってはリーグ戦に出せるチーム数が少なかったり、抱えている選手の数が多いなどの理由で、シーズンが始まってもコンスタントにリーグ戦を経験できる選手が多くないのが現状です。私自身もサッカーがあまり上手くなかったために、選手時代はなかなかあのヒシヒシと緊張感のある公式戦やリーグ戦を経験できなかった思い出があります。

そして、これらのことから考えられることが一つあります。
練習試合が多いということは、つまりは日本のリーグ戦のカテゴリー数、参戦チーム数、各県でのリーグ戦の種類などの乏しさを表しているということになるのではないでしょうか?(あくまでもバルセロナのサッカー環境を見て感じている私個人の意見です。)
ですが、今日本でサッカーを指導をされているグラスルーツや高体連の指導者は、実際にこのような問題を感じているのではないでしょうか?



【「練習試合の多さ」がもたらすデメリット】


試合経験が少ない選手がそれを補うため、また監督へのアピールの場として捉えられているのではないか。そして、それはむしろ日本のリーグ戦の規模が小さいことを表しているのではないか。ということをここまでで書いてきました。
では、この練習試合の多さにはどのようなデメリットがあるでしょうか?
私は以下のようなことがデメリットとして挙げられると思います。

1、大抵、日本の練習試合は一日かけて何試合も何チームも行うため、休日がそれのみで終わると共に、選手の疲労が蓄積する。

2、試合経験といっても、勝ち負けが重要視されていない、また昇降格が関わっているような試合でもないため、どうしても緊張感が薄い試合になる。

3、監督も選手もマンネリ化により、何を目的にこの試合を行うのか、この試合で何を目標に試合をするのかなどがしっかり定まっていない。

4、こういう時の監督は、チーム内のコミュニケーションを高めるや、自主性をもたらすなどの建前で「自分たちで話し合え」や「ポジションは自分たちで決めろ」など投げやりになる。

だいぶ過激な考えだと思われるかもしれませんが、これは私の選手時代の実体験でもあります。

また、保護者たちも「今週は土日どっちも練習試合の週」「練習試合の日は必ずお弁当持ちで1日がかり」というのが当たり前などという感覚を持っているのではないでしょうか?



【バルセロナの練習試合の捉え方と目的】


では、私が留学していたバルセロナではどうでしょうか?

バルセロナでは主に、練習試合はシーズン前(pretemporada)の時のみでしかほとんど行われず、その目的も今シーズンでチームがやりたいサッカーや戦術、システムを試すため、また、新加入した選手をチームにフィットさせるなどの目的で行われていますし、練習試合とはそういうものだと捉えられています。
さらに1チームの選手数も20人前後(11人制サッカーにおいて)で構成されているため、練習試合も1日かけて何試合もやるなんてことはありません。

では、なぜ行われるのはほとんどがシーズン前なのでしょうか?

それは、シーズンが始まれば毎週当たり前のようにリーグ戦があるからです。なので、シーズン中にわざわざ練習試合をしなくても、毎試合選手が全員出られるような選手数でチームは構成されていますし、それを可能にするチーム数を各クラブが確保しているというような環境がバルセロナには備わっています。
さらに、もし練習試合や紅白戦をやることになっても、彼らは勝負に拘らなかったり、目的を持たないで試合をするなんてことは決してありません。
むしろ選手も監督も、まるで公式戦をやっているような雰囲気や熱量で試合に望んでいるため、身体的な部分、メンタル的な部分は、かなりリーグ戦や公式戦に似た状態で行うことができている印象を受けました。



【まとめ】

私は、バルセロナのこのような練習試合への目的や取り組む姿勢はかなり重要なことです。
練習試合や紅白戦をただの試合形式のトレーニングとしてやるのか、それとも様々な状況を想定しながら試合を行ったり(勝っている状況、負けている状況でプランや戦い方は変わるのがリーグ戦や公式戦)、目的や熱量を持って臨むのとでは、トレーニング効果にかなりの差が生まれます。
せっかく練習試合を行うのであれば、量ではなく一回の質を求めて行うべきだし、そのほうがよっぽど効率的です。

ですが、やはりバルセロナのようなものを追い求めていくにはまずはその問題を解決できるような環境に整えていくことが必要です。

ちなみに私の地元である茨城県には、まだまだサッカーグランドをいくつの建設できるくらいの土地が余っていますので、今後どんどんサッカークラブが増え、リーグ戦の規模も広がっていって欲しいと密かに思っています笑



最後まで読んで頂きありがとうございました!
次回は、今回の記事にも関連している「選手の疲労」ついて書く予定なので、まだ次回の記事もよろしくお願いいたします!

Hasta luego!


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