【バルセロナ指導者留学経験談③】11人制サッカー/Juvenil編
皆さんこんにちは、西田です。
今回はバルセロナ留学中に1シーズン関わらせてもらったもう一つのチームであるF.F BadalonaのJuvenilBについて書いてみたいと思います。
AlevínEについてはこちらの記事で詳しく書かせてもらっているので、興味がある方は是非こちらも読みに行ってください!
【バルセロナのJuvenil年代の11人制サッカー】
サッカー本来11人対11人で得点を競い合うスポーツです。
バルセロナでは、7人制サッカーと 11人制サッカーがありますが、7人制サッカーはAlevín(10~11歳)までで、その次のInfantil(12~13歳)の年代から、11人制サッカーに切り替わります。その後、Cadete(14~15歳)の年代があり、その次にJuvenil(16歳~18,19歳:この辺りはチームによって少し異なる)というカテゴリーが存在します。
【7人制】
Prebenjamin
Benjamin
Alevín
------------------
【11人制】
Infantil
Cadete
Juvenil
------------------
【11人制】
アマチュア・プロ
そして、Juvenilには5つのDivisiónが存在します。
BadalonaはJuvenilに3つのチームを持っており、JuvenilAがNational、JuvenilBがPreferente、JuvenilCがSegundaに所属していました。
【Divisiones】
DIVISIÓ HONOR JUVENIL
LLIGA NACIONAL JUVENIL(JuvenilA)
PREFERENTE JUVENILS(JuvenilB←ここ)
JUVENIL PRIMERA DIVISIÓN
JUVENIL SEGUNDA DIVISIÓN(JuvenilC)
【F.F BadalonaのJuvenilB】
1年間の留学でしたが、バルセロナの7人制と11人制どちらのシーズンにも関わることができたことは非常に幸せなことでした。リーグ戦自体はAlevín同様後期のみの15試合となってしまいましたが、このバルセロナで11人制サッカーの普段の練習やリーグ戦を選手ではない立場から経験したことが、将来11人制サッカーの監督を目指すうえで、かなり貴重な経験になりました。
JuvenilBもAlevínEと同じように夏休暇が明けのプレシーズンから参加することが出来ました。
F.F.BadalonaのJuvenilBは、Juvenilの1年目(16歳)と数人の2年目(17歳)の選手たちで構成されたチームでした。
ですが、私は彼らに初めて会った時、歳の割には随分大人びて見えた印象がありました。それは顔つきや背丈などもそうですが、ほとんどの選手が何かしらの装飾品をつけてグランドに来ていたことが、そう見える理由にもなってました。ですがそれは、バルセロナの16歳、17歳にとっては装飾品、髪染め、タトゥーなんてものは当たり前のことで、それに対してとやかく言うような指導者もいないので、彼らは好きなように好きなものを見に纏いグランドへ来ていただけなのです。
しかし、このようなことはおそらくほとんどの日本の「部活動」では許されていないとことだと思います。
これは、日本の学校教育とサッカーを強く結びつける「部活動」と、
バルセロナのように「学校とは学ぶ場所、そしてクラブはサッカーをする場所」として捉えてる文化的な違いであって、一度グランドの中に入れば学生ではなく、指導者と選手という関係で接することがバルセロナで当たり前なのです。
【JuvenilBのリーグ戦】
さて、ここからはJuvenilBのリーグ戦について書いていきたいと思います。結果から書きますと、リーグ戦は15戦中6勝6敗3引き分けで8位という結果で終了しました。
JuvenilBが、FUNDACIÓ FÚTBOL BADALONA Aになっているのは、BadalonaではJuvenilAがトップチームと同じC.F Badalonaというプロサッカーチームとして活動しているため、Juvenilの上から2番目にあたるJuvenilBが、その下部組織のF.F.BadalonaではJuvenilAになります。
私は主に試合ではビデオを撮る仕事だったり、練習でも指導の手伝いや、用具管理などと、Alevínに比べたら大した貢献はできませんでしたが、スペイン人の監督の練習メニューや考えていること、指導方法などを間近で見ることができたので、そのような経験や知識の少なかった私にとってメリットしかありませんでした。
最終順位こそ8位だったものの、このグループ4は、ほとんどのチームが2年目(17歳)や3年目(18歳)などで構成されているチームで、私たちのようなチームが少ないグループでした。そのなかで降格することもなく、毎試合、緊張感と白熱する試合ができていたのは、選手同士の仲の良さはもちろんのこと、サッカーというスポーツをよく理解したプレー、戦術を理解し実行するインテリジェンスさを存分に発揮できるチームだったからだと思います。
たったの15試合だと思われるかもしれませんが、週3〜4回ほどあった練習を含めると、毎週何度も彼らとは会っていましたし、スタッフ間でもほぼ毎日のようにwhatsapp等で連絡を取り合っていたので、個人的には選手、コーチととても良い関係を築くことができました。そして、この1シーズン JuvenilBというチームで、選手、監督、スタッフ陣らとPreferenteリーグを戦えたことは貴重な経験ですし、彼らと知り合えて良かったと思っています。
【JuvenilBの練習環境】
ここからはJuvenilBが普段どのように練習や試合をしていたのかを簡潔に写真付きで説明していきます。普段の練習は以下の通りで行っていました。
月・・・21時〜22時30分(ピッチ半面)
水・・・21時〜22時30分(ピッチ半面)
金・・・16時〜18時(ピッチ半面)
※グランドが空いているときは火・木のどちらかで練習
火・木・・・16時〜18時(ピッチ全面)
練習はC.F Badalonaのホームスタジアムでもあるグランドで行われていました。大体の場合は半面での練習ですが、Badalonaのグランドは幅・長さどちらもバルセロナの中では大きい方に入るグランドで、かつ人工芝でもあったので環境としてはとても良い環境であると言えます。また、日によっては全面使用できる時もありました。
※練習風景
ホームでのリーグ戦もこのグランドを使用していますが、ちょうど◯で囲ったあたりにはBarが併設されており、試合の時は保護者や地元の人がよくこのBarから試合を観戦していました。
※リーグ戦の風景
【まとめ】
今回はJuvenil編として、バルセロナの11人制サッカー環境と、JuvenilBのチームの特徴やリーグ戦の様子について書かせてもらいました。
このチームに1シーズン関わらせてもらったことで、練習メニュー、フィジカルメニュー、選手の疲労度や負荷の把握、マネジメント方法、試合や対戦相手の分析、そして年齢が上になってくることでより専門化していくサッカーで考慮すべきことなど、またAlevínとは違った難しさや細かさをこのシーズンから学ぶことができました。
やはり、突き詰めても突き詰めてもサッカーにはきりがありません。日々新たな戦術や考え方などが生まれ、変化していきます。だからこそサッカーは面白いスポーツなのですが、その度に私たちはアップデートして、自分のチームに落とし込み指導していくという作業が必要になっていきます。より良い指導、選手の育成をするには指導者が常に成長していかなければならないのです。
そのような大切なことをこのシーズンで再確認することができました。
この経験を活かすためにも、もう一度気を引き締め、日々成長していけるようにしていきたいと思います!
そして、私を受け入れてくれた選手とコーチたちには本当に感謝しかありません。またいつか彼らに会える日を楽しみにしていますし、これからも良い関係を築いていけたら良いなと思っています。
今後、また別の記事になりますが、このJuvenilBに関わったことで気づいた同世代の日本人選手との違いなどについて書いてみるつもりなので、また読みに来て頂けると嬉しいです!
それでは今回はこの辺りで!また次回の記事でお会いしましょう!
Hasta luego!