5bbオープンを試す-wizard-
はじめに
海外の低レートの場面では、4〜5bb程度のオープンレイズが一般的です。しかし、本来は2bb〜3bbでオープンするべきです。そのため、たくさんのプレイヤーが参加することもあります。ヘッズアップの対戦に慣れている方々は、これに戸惑うかもしれません。今回の記事では、低レートのプレイでも役立つ5bbオープンのプリフロップレンジをGTO wizardを使って解説します。
プリフロップレンジ-比較-
今回、プリフロップを4〜5bbオープンを使うとすると、前提として200bb以上のスタックであることが一般的でしょう。
それでは、2.5bbオープン、4bb、5bbこの3つを比較することで詳細を明らかにします。
UTGオープン
UTGオープンをレイズ額ごとにオープン頻度とEVを表にしました。
オープン額が大きくなるほど、レンジEVは低下し頻度も低下しています。EVのほとんどは、ナッツクラスのハンドから生まれるため、結果としてオープン額を大きくするほどAAs、KKsのEVが低下することが確認できます。
この理由は、AAs、KKsなどは3betされることを好むためです。
2.5bbオープン
4bbオープン
5bbオープン
5bbオープンレンジでは、QQs、JJsがRaiseとFOLDのIndifferentになっています。これは非常に驚きですね。
レーキありのゲームでアーリーポジションから少額でオープンする主な理由は、対戦相手がポットを争う場合、3ベットする意味があるからです。小さいレイズにより、弱いハンドレンジでのオープンで損失を最小限に抑えながら、強いハンドで大きなポットを獲得できます。ライブ低レートのプレイヤーが相手である場合、コールが一般的で、3ベットをされることは比較的に珍しいでしょう。
これにより、より強いレンジで、より大きなオープンレイズサイズを活用できるのです。これにはもちろん、ColdCALL(CC)されることを低くして、ヘッズアップに持ち込むということも目的の1つですね。
3betが返ってこないテーブル状況では大きいオープンを活用できる
LJオープン
LJはUTGよりも非常に広いレンジで参加します。特に先ほどと比較してQQs以上のハンドレンジは、5bbオープンでも+EVになっています。
下図を見てください。
この図は、右にいくにつれてオープン額が大きくなっています。2.5xでは、8MaxでA5oでカバレッジを取っていたものの、5xになると、A5s、65sと54sでカバレッジを補っています。
ここでEV表記にしてみましょう。
LJの2.5xオープンでは、JJsまでが白くなっておりEVが高い状況でしたが、5bbオープンになるとQQsとAKあたりまでしか白くなりません。
COオープン
全体像を見ると、頻度減少が11%ほど確認できます。
こちらはCOオープンの遷移です。
99s以下のポケットの多くはフォールドを選択しています。その代わりに、AXoののEVは低下が確認できるもののレイズ頻度は生きています。やはり、相手の3betレンジを抑えている要素は強いようです。
BTNオープン
vs オープンを観察する
BBとSBは常に相手からのオープンを受け続けるポジションです。
低レートでカジュアルな相手からの4bb〜5bbのオープンを受けた際にはどのようなアクションをするべきなのでしょうか。
今回、「BB/SB vs BTN」、「BB/SB vs CO」と「BB/SB vs UTG」の3つを解説します。
vs BTNオープン
BTNオープンを受けた時のBB、SBの反応を表にしました。
すると、SBの変化は非常に少ないことが確認できます。一方、BBの場合、コール頻度の減少によりVPIPが低下します。BBの3bet頻度の変化はわずかです。BBの変化は、コール頻度の減少のみと捉えても良いでしょう。
それでは、BB戦略 vs BTNオープンを確認しましょう。
BB戦略 vs BTNオープンの全体像
BTNオープン額が大きくなるにつれて、やや3bet頻度が低くなりますが、コール頻度の方が顕著に減少しています。
5bbオープンに対しては、コール1%となっており、BBは3bet or フォールドを選択しています。
ここで、BBのそれぞれのアクションに対するEV表記を見てみましょう。
コールレンジ(EV表記)
コールEVはBTNオープンサイズが大きくなるにつれて、減少しています。
3betレンジ(EV表記)
3betEVはBTNオープンサイズが大きくなるにつれて、増加しています。これは、フォールドEQとAAsなどの強烈なEVから来るものです。
ここからは、BTN 5bbオープンに対するBBディフェンスレンジに焦点を当て 具体的な戦略を見ます。
BB戦略 vs BTN 5bbオープン
まず、コールレンジがないことは明らかで、参加するハンドのほとんどは3betを実行しています。特に、2.5xのオープンに対してコールをしていきたいハンドレンジかつ、5xに対してフォールドするには惜しいハンドが3betをしています。
BB戦略 vs COオープン
全体像
全体像を見ると、vs BTNオープンに比べて、3bet頻度が4%ほど低下しています。これは、EPになるほどオープンレンジが強固であるためと考えられます。
BB戦略 vs CO 5bbオープン
TTs以上のポケットハンドをディフェンスレンジとしています。
BB戦略 vs UTGオープン
全体像
8maxのUTG 2.5xオープンに対しては、AKoやQQsまでも3bet/コールというアクションになります。これは、8maxのUTGレンジが非常にタイトであるためです。そのため、UTGの5bbオープンに対するBBディフェンスレンジはほとんどがプレミアムハンドであり、KTsやA5sなどをブラフレンジとしています。
BBの3betを含むディフェンスレンジが非常にタイトである理由は、レーキの影響が大きいでしょう。
試しにNo Rakeと10% 2bbcapを比較してみましょう。
NoRakeにしたとしても非常にタイトであることに変わりはありません。
しかし、「BBディフェンスレンジはこれを使えば良い!」とは言い難いものでしょう。なぜなら、UTGのオープナーがこのようにタイトであるかどうか疑わしいからです。
そのため、5bbオープンレンジは簡単に戦略に取り入れやすいですが、実戦では、vs 5bbオープンレンジは非常に考慮することが増え、やや3betレンジが広がるのではないか?または、vs 3bb,4bbオープンレンジを使用するかもしれないということが予測されます。
まとめ
5bbオープンは非常に興味深い内容でした。特に、オープンレイズサイズを大きくすることで、1 on 1の状況を作りやすくするメリットはあると思われます。5bbオープンを受けた時の、BBディフェンスレンジはレーキを考慮して3bet or フォールドとなるという事実は参考に値する情報でしょう。
ベーシックの理論を学ぶ意義は非常にあると感じさせてくれている内容でした。
ここまでは、5bbオープンにした時のプリフロップの解説をしました。この内容を参考にして、実際に5bbオープンを実践してみるのもいいかもしれません。本記事では、さらに5bbオープンに対する深掘りを行います。
それは、5bbオープン後のポストフロップ戦略はどのように変化するのか?ということです。
まさに、ここからが本題とでも言えますね
5xオープン後のポストフロップ戦略
今回の記事では、ポストフロップに対してどのような変化が起きるのかを確認するために、サブセットと呼ばれるフロップのセットリストを使用します。今回は25subsetを使用しています。
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