簡単なCBの作り方#1
はじめに
この記事は、「最近ポーカーを始めたよ」という方対象の記事です。初心者から脱却したい!を目標に設定しています。
初心者の方がまず、学ぶことはとにかくプリフロップレンジです。
しかし、愚直にプリフロップの学習をしていると「プリフロップレンジの勉強だけでは物足りないし、モチベーションが維持できない」となる人もいるでしょう。
そんな方に向けてのおつまみ要素として、本記事を読んでください。
CBとは?
CBとはContinuation Betの略で、プリフロップで最後にベットしたプレイヤーがフロップ後も継続してベットすることです。
この時大切なのは、適切にCBとチェックを使い分けることです。
では、どのような判断軸でCBとチェックを選択すればよいのでしょうか。
今回の記事を読めば、その答えが見えてきます。
Step1:CBサイズを考える
Step1はCBのサイズについてです。
まず、皆さんにはEQバケツという概念を知っていただきます。
下図のようなBTNがレイズ、BBがコールしフロップを迎えたBTN vs BB、というSRPのBTNに座っているシチュエーションでK54rのボードが出現した例で説明します。
このようなシチュエーションにおいて、BTNのあなたがおそらく最初に考えることはこのボードが有利であるかどうかではないでしょうか。
「そんなのは簡単だよ。KハイはBTNに有利でしょ。」
すでに学習をなんとなくしたことがある方であれば、このように考えることができているでしょう。
では、なぜ有利と言えるのか?
それを言語化できる人はどれくらいいるでしょうか。
「ちょっと自信ない・・・」と思った方は安心してください。
今日は、この解像度をさらに上げて言語化できるようになりましょう。
どちらが有利かを考える上で、まずは具体的には、BBとBTNのハンド構成を考えます。
ハンド構成は次のように4つに分類して考えます。
ベストハンド:めっちゃ強いハンド
強いハンド:まあまあ良いけど、心許ないハンド
弱いハンド:役なしだけど、期待できるハンド
ゴミハンド:役なしで、もう無理なハンド
次に、EQバケツという互いのレンジを上のように分類できる機能を使って見てみましょう。
EQバケツ(左:BB、右:BTN)
EQバケツ図を見ると、右側のBTNはK54rにおいて、ベストハンドとグッドハンドの多くを相対的に持っていておりゴミハンドも多く持っていることが確認できます。
つまりベストハンドと強いハンドが圧倒的にBTNの方が多くなっているということがわかるので、確かにBTNに有利であると言えそうですね。
EQバケツという概念を理解することで、どちらに有利なボードなのかを理解することができます。
今回は、ここからさらに踏み込みましょう。
それは、この4分類によるレンジ構成によってどのようなことがわかるのか?ということです。
実は、この4部類によるレンジ構成が、ベストハンドとゴミハンドのような両極端なレンジで構成されている場合、大きなサイズのベットを使用することが多くなります。
一方、ベストハンドから順番にグッドハンド、弱いハンド、ゴミハンドのようなレンジ構成になっている場合、比較的小さなサイズのベットを行います。(この部分に関しては次項で説明します。)
では、なぜそう言えるのでしょうか?
これが理解できると、単純なボードの有利不利をさらに一枚上に行った概念でポーカーをプレイすることができます。
これを体感的に理解するために、シンプルな概念をもとに説明していきます。
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ボードウェットネスで考える
それでは、先ほど説明したEQバケツの4分類によるベットサイズの理由を理解していきましょう。
まず初めに、ボードウェットネスを考えます。
ボードウェットネスとは、ボードの濃い具合を表した概念です。しかし、濃い薄いとはどういう意味かわかりませんよね。
下記の例を用いてイメージを膨らませましょう。
濃い具合の例
薄いボード(ドライボード)
濃いボード(ウェットボード)
めっちゃ濃いボード(スーパーウェット)
上記のように、薄いボードはターン以降で役の逆転が起きにくいドライボードである特徴があります。
逆に濃いボードとは、ターン以降に役の逆転があり得るようなウェットなボードのことを指します。
一番下の987のモノトーンボードはストレートになる可能性もあればフラッシュになる可能性もありますし、既にどちらかの役が完成している可能性もありますよね。
これがボードウェットネスという概念です。
ドライボード(A63r)
A63rは、ターン以降に役の逆転が起きにくいドライなボードです。
では、BTN vs BB、SRP戦略を見てみましょう。
いかがでしょうか。
BTNは、大部分でチェック or BET33%を行っています。
ではなぜ比較的小さなサイズでCBをするのが良いのでしょうか?
これを理解するために、先ほどのEQバケツによる4分類を見ていきます。
ここで、上の図の相手のグッドハンドからゴミハンドまでの比率に注目してみましょう。
A63ボードでは、ゴミハンドの比率が相手のほうが高く、相手の弱いハンドが相対的に多くなっていることがわかります。
これは、フォールド・エクイティの価値が低いと言い変えることができます。
フォールド・エクイティとは、相手がフォールドすることによって得られる期待値のことです。
相手が低いエクイティのハンドレンジをフォールドする場合、フォールドエクイティの価値は低いと言います。
ポーカーの本質はエクイティの奪い合いということを聞いたことがある方も多いと思いますが、エクイティが低いハンドをフォールドされているのであまりエクイティを奪えていないからですね。
したがって逆に、相手が高いエクイティのハンドレンジをフォールドする場合、フォールドエクイティの価値は高いと言います。
今回のA63rボードの場合、相手のフォールドエクイティの価値は低いため、Trashなハンドは小さいサイズのCBでも十分にフォールドします。
そこに、わざわざ大きなベットサイズを打ってしまうと、わずかに残ったコールやレイズを返せるハンドに逆にやられてしまうリスクがあります。
奪える価値が低いのだから、リスクも最小限に抑えるべきと言えます。したがって、ベットサイズは比較的小さくなります。
ウェットボード
次に、983ttのウェットボードを確認します。
BTN戦略は、チェック or BET50%以上となっています。
サイズの中で一番大きいのは、BET75%ですね。
では、なぜこのようなボードは比較的大きなサイズのベットが好まれるのでしょうか?
ここでもEQバケツを見ていきましょう。
EQバケツを見ると、BTNはベストハンド〜弱いハンドまでを有しているレンジとなっていることがわかります。
ここで考えるべきなのが、BTNがベストハンドを持っている相対的な量(ナッツ・アドバンテージ)と相手レンジ内におけるグッドハンド量です。
ベストハンドはBTN側に圧倒的に多いため、ナッツアドバンテージは BTNが有していると言えます。
ナッツアドバンテージを持っている場合、バリューの最大化やバランスを取るといった理由から比較的大きなサイズを使用します。
ナッツを持っているならポットを膨らませたいですし、相手からコールをもらいたいからですね。
一方、ナッツの時だけにしか大きなベットをしないと相手に読まれてしまいます。
そこで、ナッツをもっていないとき、特にブラフをする時にも同様に大きなベットをすることで自分がナッツを持っているときのバリューを最大化を狙うというのも理由の1つです。
次に、相手の持っているグッドハンドの量を見ます。
よくみると、BBのグッドハンドの量は、36.7%と比較的多いため、これはフォールド・エクイティの価値が高いと言えます。
フォールド・エクイティの価値が高いということは、比較的大きなサイズが好まれるんでしたね。
この2つの要素、つまりBTNのナッツ・アドバンテージとBBのフォールド・エクイティの価値により、ベットサイズは大きくなるのです。
このように、ベットサイズを決めるには、ナッツアドバンテージとフォールドエクイティの価値に大きく関係しているということを覚えておきましょう。
スーパーウェット
次に987mのスーパーウェットを見ます。
全体的な戦略は、チェック or BET33%になっています。
これは比較的小さなサイズが好まれていますね。
なぜでしょうか?
ここでもEQバケツを見てみましょう。
スーパーウェットなボードでは、BTNとBBのベストハンドの量はほとんど変わりません。また、BBのグッドハンド量もそれなりに多くフォールド・エクイティの価値は高いように思えます。
しかし、BTN側には、ベストハンドを多く持っていない=ナッツ・アドバンテージがないという先ほどとは真逆の状態にあります。
ナッツアドバンテージがないため、大きなベットをするには少しリスクがありますが、かといってフォールド・エクイティの価値を捨てるももったいないですよね。
だから、小さいベットで最小限のリスクに抑えながら価値を生み出していくことを狙うのです。
このように、本来CBのサイズは、フォールド・エクイティの価値とナッツ・アドバンテージにより決定されます。
しかし、このように瞬時に考えるのは難しいですよね。
そこで活用できるのが、ウェットネスパラボラという概念です。(出典・引用:GTO Wizard Blog)
ウェットネスパラボラとは、上図のように縦軸をベットサイズ、横軸をボードウェットネスとした時に、CBサイズが放物線のように描かれることを表した図になります。
ボードウェットネスが薄いドライボードでは比較的小さいサイズを使い、ボードウェットネスが濃くなるにつれてベットサイズが大きくなっていきます。
しかし、ボードウェットネスが濃くなりすぎると、逆にCBのサイズは小さくなっていきます。
どうですか?
先ほど学んだ3つのボードの変化を体感的にとらえることができませんか?
したがって、このウェットネスパラボラという概念を頭の引き出しに入れておくことで、CBサイズを決定する手助けになるのです。
SRPにおけるCBに関してはこの概念を利用すると、細かく考えなくてもミスが少なくできます。
ここまでがCBのサイズ決定に関するstepです。
実践問題
では、実践問題を解いてみましょう。
問題1
このようなボードでUTG vs BB SRPの場合のUTG全体戦略はどのようになりますか?
問題2
このようなボードでUTG vs BB SRPの場合のUTG全体戦略はどのようになりますか?
実戦ドリル-GTO wizard-
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