パッシブプレイヤーをぶち壊す
久しぶりにnote記事を更新します。今回は、パッシブプレイヤーへの対処法について詳しく解説したいと思います。最近の国内では、コインリングなどの普及によってリングゲームが活況を呈しています。そんな中で、皆さんも「リバーレイズにはバリューしかない」と感じることが多いのではないでしょうか?
このようなバリューのみでレイズをする相手に対して、私たちはどのように対応すれば良いのでしょうか。以下で、その効果的な対策方法をご紹介します。
プレイヤーのミスの多くは…
多くのプレイヤーは、リバーで致命的なミスやリークを抱えやすい傾向にあります。そのため、相手のミスがターンで発生していたとしても、私たちがそのミスを最も効果的に活用できるのはリバーになることが多いのです。つまり、最も利益を得られるシーンは、通常リバーに集中しているということです。
そのため、今回の内容は、「リバーレイズがバリューしかない」プレイヤーまたはプールにおける対処法です。
設定:Cash Game / NL500,EF=200bb
#1 SRP:Aハイボード
リバーレイズにブラフが少ない場合を考えるにあたり、以下のシチュエーションを想定します。
ブリックリバー
CO vs BB SRP、Flop25%CB、Turn xx、River x
この場合のCO戦略は以下の通りです。
全てのAペアはバリューベットを選択し、そのサイズはポット比67%です。このCOのベットに対するBB戦略を見てみましょう。
BB戦略 vs CO-bet67%
BBのレンジは、セットとTop2ペアでバリューレイズし、ブラフとしてはセットブロッカーを中心にポラーなサイズでレイズしています。
詳細タブで見ると、BBは3rdペア、ローペア、ノーペアハンドでブラフを行っていることがわかります。
ここで、相手がブラフレイズを極めて低頻度でしか行わないと仮定してみましょう。つまり、COの67%ベットに対するBBのレイズ頻度を半分に減らすということです。
BB vs COベット67%(レイズ頻度50%減)
この結果、CO戦略は大きく変化し、ポット比200%のベットが有効となりました。
CO リバー戦略
なお、COの77はターンでもベットしているため、この時点でほとんどのコンボ数が残っていないことに注意が必要です。
この結果から、AQやAJなどの強いバリューハンドの戦略が見えてきます。相手のレイズが少ないため、これらのハンドはマキシマムバリューを狙ってポット比200%のベットを選択しているのです。
ナッツが変化するリバー
リバーでナッツが変化するカードが出た場合の戦略を考察してみましょう。
CO戦略
COの完成したドローは、ポットの200%というベットサイズが許容されています。ここで、COが67%のベットを選択した際のBBのリアクションを分析します。
BBレンジ vs CO ベット67%
COの67%ベットに対して、BBレンジは12.6%の頻度でレイズを選択しています。この分析では、このレイズ頻度を12%から9%まで減少させてみます。
CO戦略 (BBレイズ頻度の低下-25%)
この結果、COのポット200%ベットの使用頻度が増加することが判明しました。
以上の分析から、「リバーでのレイズがほぼバリューに限定される場合、つまり相手のレイズ頻度が低い状況では、より大きなベットサイズが有効となる」という結論が導き出せます。
#2 3bp:Aハイボード
次に、3bet-potでも検証をしてみましょう。シナリオとしては、BB vs BTN 3bpについて考察します。
BB Flop20%CB、TURN 2d
BBはターン2dが落ちた時のBBオプションは、大きく分けて3パターンあります。ターンバレル(小サイズ・大サイズ)とチェックです。
この3パターンが主な選択肢となります。
ターンでの33%程度のバレル頻度は、フロップでの25%CBに起因しています。フロップでの小さいベットサイズにより、相手のターン到達レンジには、エクイティ25-50%のハンドが多く残ることになります。
エクイティバケツを確認してみましょう。
この結果、レンジの一部はポーラライズに、また別の一部はOOPのためブロッキングする必要があります。
BBレンジの戦略をBreakDownタブで分析すると、エクイティ60-80%のハンドが主にブロッキングに使用されています
「ターンでは複数のベットサイズを使う必要があるのか」と懸念される方もいるでしょうが、ご心配なく。
複数のターンサイズを使用することには確かにメリットがありますが、戦略をシンプルに保つことも同様に重要です。単一のバレルサイズを採用する場合は、バリューベット可能な最小ハンドを把握することが鍵となります。
そこで今回は、ターンで単一サイズのみを使用するケースについて検討します。
詳細記事
本題であるのは、「リバーバリューレイズ過多」の相手である場合のリバーを考えます。
ナッツが変化しないリバー
FLOP 25%CB、TURN2d x x 、RIVER 2c
この時のBB戦略はベット40%のブロッキング(またはインデュース)とポラーALL INになっています。
BB戦略 in RIVER
BBのベット40%を受けた時のBTNリアクションは以下のようになります。
BTN vs BB ベット40%
87s、65sなどのFDが滑ったハンドをブラフレイズしています。
しかし、テーマである「パッシブプレイヤー」はブラフレイズを選択することはほとんどないでしょう。
そこで、BTNのレイズ頻度を下げて検証してみます。
BTNリアクション 操作後
すると、BBの戦略は大きい影響を受けました。
ALL IN頻度は約1.5倍になったのです。
このように、パッシブプレイヤーに対しては、より大きなベットサイズを採用することで、バリューハンドからの期待値を最大化できることが分かりました。相手のレイズ頻度が低いことを利用して、より積極的なサイジングを選択することが効果的な戦略となるのです。
補足:今回の検証では相手のレイズ頻度をわかりやすく1/3にしましたが、やや低下させる程度〜1/3程度までレイズ頻度を変えながら観測するのが良いでしょう。
ナッツが変わるリバーのケースについては、ぜひ読者の皆様も検証してみてください。以上で本記事を終わりとさせていただきます。ご清読ありがとうございました。
#3 まとめ
パッシブプレイヤーへの対策として、以下の2点が重要です:
リバーでレイズ頻度が低い相手に対しては、より大きなベットサイズを選択する
バリューハンドでは、マキシマムバリューを追求する戦略が効果的
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