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楽天ブラックカードの審査基準に関する考察

2024年7月に、インビテーション経由だけでなく申込での発行も可能になった楽天ブラックカード。その申込条件は、

  1.  楽天プレミアムカードを12ヶ月以上保有

  2.  そのカードの12ヶ月間の請求金額が500万円以上

この2つの申込基準をクリアすれば誰でもカードが発行されるのかと思ってました。が、ネット上では条件を満たして申込バナーから進んだにも関わらず、審査で否決される方が少なくないという、不思議な現象が発生している模様。そのため実際には非公表かつ厳しめの審査条件があると推測され、筆者自身もカードが発行されるまでドキドキしてました。

そこで自分の場合を例に、楽天ブラックカードの非公表審査基準について考察したいと思います。


楽天ブラックカード発行時の筆者の状態

前回の記事『楽天ブラックカードが届いた』で述べたように、自分はヘビーな楽天ファンですw

楽天会員としての状態

  • 楽天会員歴: 16年

  • ダイヤモンド会員: 12年連続キープ中

  • 通算獲得ポイント: 300万以上

利用中の楽天サービスと利用期間

利用歴の長い順に、

  • 楽天市場(16年。日用雑貨から趣味のものまで)

  • 楽天トラベル(16年。年3〜4回利用)

  • 楽天カード(16年)

  • 楽天銀行(15年)

  • 楽天証券(8年)

  • 楽天ひかり(7年)

  • 楽天でんき(2年)

  • 楽天モバイル(半年)

  • 楽天ペイ

  • 楽天Edy

  • ポイント運用

  • 楽天マガジン

  • お買いものパンダ(グッズいろいろw)

書き出してみると、自分でもびっくりするくらい利用してる、、。SPU倍率は毎月10倍からスタートし、楽天証券、楽天トラベル、楽天ブックスなどを利用した月は12〜13倍になります。

SPUのおかげで楽天市場は最低でもポイント10倍

一部のサービスで、使い方に個人差が出そうなものについてもう少し書くと、

楽天カード(16年利用)
・無料カード: 8年
・楽天プレミアムカード: 8年

最初は年会費無料の楽天カードからスタート。あぁもう16年も前のこと、、w 前回の記事で少し書きましたが、海外旅行にいくタイミングでPriority Passを目的に、楽天プレミアムカードに切り替えました。限度額は150万円くらいから始まり、数ヶ月おきに自動的に増額されて上限300万円の状態が7年くらい継続。年間決済額は400〜700万円で、年に数回会社の経費を立て替えたり、自動車税などの税金もカードで支払いましたが、決済額の95%は筆者個人の生活雑貨や趣味の支払い。他社のサブカードは保険で1枚だけ持ってますが使用頻度は年1回くらいで、カード決済は基本楽天カードに集約してます。支払いが遅れたことは一度もありません。

楽天銀行
楽天銀行がまだ「イーバンク銀行」という名前だった頃から利用。余談ですがキャッシュカードはいまだにその時代のものを使ってます。預金だけでなく会社員としての給与の受け取りもここで。会員ステージはスーパーVIP

楽天証券
数ヶ月に一度くらいのペースで、お財布に余裕のあるときや、楽天市場でたくさん買い物をした月にSPUの倍率を上げるためスポットで投資信託や米国株式を購入します。しかし国内株式はSBI証券を利用中、、。

楽天モバイル
楽天ファンを公言しながら、実は半年前までSoftbankでしたw

キャリア乗り換えが面倒で放置してたところ、従姉妹の楽天社員から社員紹介キャンペーンで通常より1,000ポイント多くもらえることを知り、今年とうとう契約!圧倒的にスマホの維持費が下がり、SPUの倍率底上げができ、電波が普通につながるのでもっと早く契約すればよかった。ちなみにそのキャンペーンは継続中で、誰でも(親戚以外も)このリンクにログインしてから契約すると対象になるので貼っておきます。

筆者自身の属性

最後に自分の属性のようなものも。
・40代
・賃貸マンション(居住年数:10年ちょっと)
・上場企業勤務。技術職。
・年収: 生々しいので伏せておきます
・ローンや借入: なし

審査方法(スコア評価)

改めてですが、楽天ブラックカードの申込条件は、

https://www.rakuten-card.co.jp/card/black_card/
  1.  楽天プレミアムカードを12ヶ月以上保有

  2.  そのカードの12ヶ月間の請求金額が500万円以上

しかし単純にこの2つをクリアしていれば誰でもOK!ではないようなので、非公表の審査基準が複数存在し、申し込みされた方をスコア評価して合格点を超えた場合のみ可決している可能性が高いと考えます。実際はかなーり複雑なロジックでスコア化してるはずですが、ここではシンプルに「減点要素」と「加点要素」に分けてみました。

  • 減点要素

  • 加点要素・その1「カード会社の視点」

  • 加点要素・その2「楽天カードの視点」

おそらく上から順に重視しているかと。

減点要素

  1.  支払いの延滞履歴がある(楽天カード以外も含む)

  2.  大きめのローンあり(楽天カード以外も含む)

延滞履歴については、減点どころではなくアウトな気がします。詳しくないのですが延滞関連の信用情報は数年間程度で消えるそうなので、延滞履歴がある場合は記録が消えるのを待ってからの申し込みがよさそう、、。

ローンについては家やクルマ、スマホの分割払いなどいろいろありますが、中身が何であれ本来の支払い能力を削るものであることに違いはありません。莫大な年収の方なら問題ないかもしれませんが、収入に対して大きなローンを抱えているとそれなりに減点される可能性があるとみるのが自然でしょう。

加点要素・その1「カード会社の視点」

楽天カードに限らず、どのカード会社でも普通チェックしているであろう加点要素。以下4つに分けて考えることができます。

  • 決済金額

  • 決済頻度

  • 決済場所

  • 決済内容

決済金額: 当たり前ですが、カード会社としてはお金をたくさん使ってくれるユーザがありがたい。楽天ブラックカードは申込基準に500万円という敷居を設けているものの、もし年間5,000万円決済していれば当然何かしら加点があると思われます。つまり500万円を最低ラインに、あとは多ければ多いほどよいはず。そして、決済金額を支える年収と、収入の出処の勤務先もセットで審査対象でしょう。

決済頻度: では年に1回だけ500万円の買い物をすればいいかと言えば、そうではないはず。カード会社が上顧客に期待するのは頻度と持続性。年に1回しか利用しないのではロイヤルユーザ像から程遠い。では何回がいいかと聞かれても答えはないのですが、週に数回以上、、?少なくとも、決済が一度もない月はないようにしたいところ。筆者は楽天ペイを毎日1回以上は使い、引き落とし先に楽天カードを設定してるので決済回数は月間100件以上です。

決済場所: 日本で最も普及している楽天カード。日本中の決済端末で使われた実績があるはずで、膨大なデータを持っていると推測されます。決済後のトラブルが多いお店での利用については、どのカード会社も注意を払っており、できることなら利用自体を防ぎたいはず。自分の体験談ですが、数年前Vanmoofというオランダの自転車メーカーの店舗(@表参道)で決済しようとしたら、そのメーカーでの決済は店舗も通販サイトも楽天カードが止めていることが判明しました(最後問い合わせたので)。当時は理由が解せなかったのですが、その数ヶ月後になんとそのメーカーは破産。一般の消費者には見えない情報も楽天カード(やおそらく他のカード会社も)仕入れており、トラブルの多いお店での決済はたとえ決済できたとしても、多少スコアに影響するかもしれません。逆に、高級ホテルや有名ブランド店での決済記録は加点要素になるかも?(これは次の項でも触れます)。

決済内容: 楽天ブラックカードの申込条件のひとつ、「500万円」と実は結構関係が深いのではないかとみているのが決済内容です。一個人として生活や趣味に使う500万円と、事業経費として使う500万円では同じ額面でも性質が大きく異なります。後者は年収100万円の方が会社の経費を500万円分建て替えればクリアできてしまい、それって楽天ブラックカードの発行対象となるか疑問が。楽天ブラックカードの公式サイトの冒頭にある「人生をどこまでも楽しむ人の」がヒントになってる気がしてて、500万円のうち可処分所得でどれだけ決済しているかがポイントなのではないかと。さらにその決済が、高級ホテルや趣味性が強い商品であれば申し分ないかもしれません。逆に年間1億円を決済してもそれが全て経費であれば人生を楽しむために使ったお金とはならないので(←特殊な状況は置いておき)、内容的には申込条件をクリアしていないとみなされても不自然ではありません。事業経費などの決済額が大きい場合は、それを除いた個人所得からの決済額が500万円程度になっているかがポイントかもしれません。

このメッセージにヒントが隠されている予感

#ちなみに私と同じような考察をされている方を発見(!)したので、以下にリンクを貼っておきます。


加点要素・その2「楽天カードの視点」

最後に、もう一つの加点要素です。最上位カードを入手するには、その会社の上顧客であることが求められます。では、楽天にとっての上顧客とは?重みとしては先に挙げた「減点要素」と「加点要素・その1」よりは軽いような気がしますが、無視しても大丈夫とは思えないので、可決率を少しでも上げるための工夫として取り入れる価値はあるかと。クレジットカード会社もいろいろありますが、楽天のように多彩なサービスを展開する企業だとこういう部分を他社より重視しててもおかしくありません。

さて、ヒントは楽天市場のSPUに隠れているとみてます。

楽天市場のSPU(2024年10月時点)

実際に画面に並んでいる順に挙げると、

  • 楽天市場

  • 楽天モバイル[+4〜6倍]

  • 楽天ひかり[+2倍]

  • 楽天カード[+2倍]

  • 楽天銀行[+0.5倍]

  • 楽天証券[+1倍]

  • 楽天ウォレット[+0.5倍]

  • 楽天でんき[+0.5倍]

  • 楽天トラベル[+1倍]

  • 楽天ブックス[+0.5倍]

  • 楽天Kobo[+0.5倍]

  • Rakuten Pasha[+0.5倍]

  • Rakuten Fashion アプリ[+0.5倍]

  • 楽天ビューティ[+0.5倍]

長年、楽天市場でお買い物をしてきたヘビーユーザーとして気がつくのは、SPUに並んでいるサービスはその時点で楽天にとって戦略や売上面において、最も大事なものから並べられ、かつポイントの倍率が大きく設定されているようにみえます。

SPU対象サービスの中から倍率が1倍以上のものだけ並べると、

  • 楽天市場

  • 楽天モバイル[+4〜6倍]

  • 楽天ひかり[+2倍]

  • 楽天カード[+2倍]

  • 楽天証券[+1倍]

  • 楽天トラベル[+1倍]

ここで目を引くのは、楽天モバイルの圧倒的な倍率!契約するだけで+4倍、さらに条件を満たせば最大+6倍に。

SPU紹介ページ(https://network.mobile.rakuten.co.jp/campaign/spu/

そして同じ通信事業の楽天ひかり。知名度に対し2倍は正直異様、、ですよね。なんと楽天モバイルと楽天ひかりの2つを足すと、SPUの最大倍率の半分くらいを占めてしまう事実。そして楽天グループの屋台骨とも言える金融系サービスの楽天カード楽天証券。最後に、コロナショックを乗り越え業績がV字回復中の楽天トラベル

憶測の域はもちろん出ませんが、楽天の上顧客を定義するならこれらのサービスを利用し、戦略・売上の両面から楽天に貢献しているユーザーが歓迎されるのは自然なこと。自分の場合はこれら全てを利用してましたが、まぁ楽天ひかりのような家庭内インターネットサービスを切り替えるのはハードルが高いことは楽天も理解しているはず、、というリアルな妥協点を踏まえると、

  • ここに挙がった6つの重要サービスのうち、4〜5つくらいの利用実績があると、いい感じに加点されそう。

  • 中でも別格扱いの楽天モバイルは、効果的にスコアを稼ぐには是非とも抑えておきたい。→ 先ほどのキャンペーンリンクまた貼っておきます「楽天モバイル 従業員紹介キャンペーン」(筆者は楽天社員ではありませんがw)

SPU倍率が0.5倍の楽天銀行楽天ウォレット楽天でんきなども、もちろん無視できません。楽天モバイルほどでないにせよ、楽天が運営してる70以上のサービスの中から映えあるSPU入りしているからには、楽天にとって特別な意味があるってことですよね。


「数字で見る楽天カード」https://www.rakuten-card.co.jp/corporate/info/data/

とまぁいろいろ書きましたが、もちろん全て自分の想像ですw ただ、カード発行枚数、ショッピング取扱高シェアともに、とんでもない規模の楽天カード。この規模の会社だと、これくらいのスコア評価制度は取り入れていても不思議ではありません。どなたかの参考になれば幸いです。

次の投稿では、筆者が「楽天ブラックカードに求めたもの」を記しました。

「楽天ブラックカード」考察シリーズ(1)

「楽天ブラックカード」考察シリーズ(2)
#本記事

「楽天ブラックカード」考察シリーズ(3)

「楽天ブラックカード」考察シリーズ(4)


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