初インド② デリー市内
耳栓でなんとか眠れ、朝からアグラ行きの鉄道チケットを買いにニューデリー駅へ向かう。外国人用のチケット売り場への行き方や、あちこちから声をかけられ、ぼったくりに遭うということを知っていたにも関わらず、やられましたよ見事に。ええ。
「ネパールの方?」と声をかけてきた男性(私は海外であまり日本人だと思われない傾向があるのでなんとも感じなかった)。穏やかでヨガ講師で日本にも教えに行ったことがあるなど、歩きながら自分の話をしていたので適当に相槌を打っていたら、チケット売り場の入り口で「長時間並んでも明後日のチケットは買えない。日本語が話せる知り合いがいるから、その人に頼むといい。」と言われた。入口の周りには見るからに怪しい男性が複数立っていて、このあともいろいろと絡まれるだろうと思ったこと、直前のアグラまでは予定通り移動したかったこと、などから自称ヨガ講師の誘導に従ってしまったのである。政府の認定を受けていると看板に書いてある旅行会社の前で自称ヨガ講師とはサヨナラ。「お礼はいりません。」と終始穏やかだった。
旅行会社には日本語が話せる男性がいた。たくさんの日本人観光客に信頼されていることをLINEの画面等を見せてアピールしつつ、今回の旅の予定を聞かれた。アグラ行きの鉄道は満席で予約困難だが他の鉄道チケットは確保できことを伝えられたあと、デリーの滞在期間が長いからジャイプールに行かないか、ドライバー付きでデリー市内の観光、ジャイプールとアグラ観光をしてバラナシへ鉄道で移動し、バラナシ市内もドライバー付きで観光するプランを提案された。自分たちの足で旅をしたい気持ちは強かったが、アグラまで鉄道以外の移動手段を選択しなくてはならないこと(バスや飛行機もあるのだけど、なにしろ初めてのインドで急遽バスを手配するほどの余裕がなかった)、ちょっと遠いからあきらめていた観光スポットにも行けること、インドに不慣れであちこちで声をかけられたり危険な思いをするよりも高額ではあるけどドライバーがいると安全に移動ができること、などなどふたりで考えた末、上記の提案に受け入れることにした。
後から思えば、もっと良い選択があった。しかし、これも経験したから言えることでもある。まったく問題がない内容ではなかったが、次はこうならないようなプランを立てたらいい。
ここからドライバー(R氏)の運転で市内観光。月曜日はRed Fort が定休日だったのと、夕方にニハリを食べに行きたいと計画していたので中心部から比較的近いところを観光。Ugrasen ki Baoli →Karim's Hotel →Jama Masjid →Rajghat →India Gate →Humayun’s Tomb →Kallu Nihari 。
Karim's Hotel は1913年開業の老舗。すべてハーフサイズで注文したが、量は多かった。まだ我々はどこで食べても基本的に量が多いということに気付いていない。すぐ隣のAl Jawahar Restaurant も事前にチェックしていて、旅行会社の人も美味しいと言っていたので明日行くことにした。
R氏の英語は聞き取りにくく、こちらの拙い英語も聞き取られにくいので、敢えてカタコト英語にして地図を見せながら行きたい場所や思ったことを伝えるようにした。R氏は渋滞がひどいところも、小さなニハリの店にも安全に案内してくれた。初めてのインドで、あれだけの人混みを、トラブルに巻き込まれずに自分たちだけで行動するのは難しかったと思う。観光も地下鉄で行けない場所や目的の飲食店がないようなエリアは行かないつもりだったので、出費は大きかったが効率良く動けたのは良かった。次があるなら観光はほぼ不要なので、自分たちのペースでデリーを歩きたいと思う。
ニハリは朝食として食べるのが定番らしいが、Kallu Nihari は17時開店で、1時間くらいで完売してしまうとのこと。早めに到着したので、R氏が飲食スペース(2軒くらい隣)を確認してくれて、そこで待たせてもらう。15分前くらいにオットとR氏が店頭へ向かい、ニハリを買いに行った。私は飲食スペースで待つように言われたのでおとなしく待っていたが、開店と同時に後ろからも前からも、ものすごい勢いで買い求める人たちが押し寄せ、R氏の助けで買うことができたようで、わりと危険だったと思われる。ふたりが戻ってくる前にニハリを手にした男たちが勢い良く入ってきて居場所がなくなりそうになったところで私も店頭の激しさを察していたが、それ以上であった。ニハリは今回こちらでしか食べる機会がなかったが、油がかなり多いにも関わらず、青唐辛子やショウガのおかげもあってか美味しかった。
旅行会社へ戻って鉄道のチケットを受け取り、オットのビールを買い、ジャイプールに行くまで洗濯ができないことになったためユニクロで1日分の下着を買いホテルへ戻った。フロントで予定が変わって明日チェックアウトすることを伝えたが、どうでも良さそうだった。部屋はやはりズンズンと音楽が響いていた。