記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
見出し画像

ヨルシカ 月と猫のダンス 感想(ネタバレ含)

【重要】ライブ内容のネタバレを含みます。
これからライブに行く方は必ず読まずにすぐ閉じてください。


月と猫のダンス 2023.5.31wed 札幌DAY1

ヨルシカを好きになって3年。
初めてライブに行った。
前世やその前の作品と絡めた考察ができればもっと奥まで理解できるんだと思うけれど、これまでちゃんとした考察をしてこなかったのでこれはただ今回の月猫を観た感想です。
私が感じたことを、個人の感想として書いています。
公式からのネタバレ禁止の通知はないのでネタバレを含めて書きます。
まだライブを見ていない人は読まないようにお願いします。

凄い、しか言葉が出なかった。
本当に最高に素晴らしかった。
音楽ライブともコンサートとも違う、自分の中でこれを無理やり分類するなら強いていえば演劇だろうか。
あくまでも主体はストーリー。
ある画家が自分の壁(過去)を越えるお話。
このライブはあくまでも、彼の個展にまつわる逸話。だからsuisさんまでもがまるで黒子のようで、彼が紡ぐストーリーの中で奏でられる音楽の一部なのだ。

幻燈。
彼の元を訪れた動物は彼自身が自分に見せた幻なのかな。
自分の中に灯る燈(あかり)によって浮かび上がった動物たちが、自分自身の中に眠っていた「おもしろみ」を引き出す。その燈はきっと、おもしろみが無い、と言われてからずっとたくさん考えて思考が臨界点に達したところでついに灯ったのだろう。燈は芸術に対する彼の情熱の炎なのか。
ひとり苦しみ果てた末に生まれる芸術。
創作とは得てしてそんな事がある。

終演後、入口で配布されたカードを改めて見て気づいた。
これは、個展だったのだと。
私たちは、彼の個展に招待されたのだ。
そこで彼の創作と、彼の産みの苦しみを見ることになる。

最初はただ、動物が現れる物語なんだと思った。
カナリアが出てきて、カエルが出てきて、カメレオンの頃にようやくこれはセロ弾きのゴーシュだと気がついた。
ゴーシュは、動物との遭遇を重ねることでいつの間にか素晴らしい演奏を習得する。
画家の彼はこの動物たちとの遭遇を経て、いったい何を得るのだろう?と思いながら見ていた。
それは彼の中で、おもしろみを表現する事へと繋がり、そうして描き上げた絵こそが幻燈画集第二章。

画集第一章に収録されているのは、アルバム「幻燈」にさらに数曲が加わったもの。
画集第二章は第一夜〜第十夜までの10曲で構成される。その中の第二夜〜第十夜は動物の名をもつインスト作品で画集のみに収録されている。
そしてそれはもちろん、絵である。

舞台の上で画集の第一章と第二章が交錯して進行する感じがまるで、夢と現実を行き来しているような、昼と夜を繰り返しているような、そんなあやふやな感覚になる。
それがとても心地よかった。

結局、おもしろみ、というのは彼女の"評価"ではなかった。絵で生計を立てていくなら、という事に対する"助言"だった。
けどその取り違えから彼のこの作品が生まれたように、彼が見た彼女もまた本来の姿ではなかったのかもしれない。
左手の薬指の指輪は、本当に左手だったのだろうか、などと思ったり。
左右盲。
本当はどっちだったのかはきっと重要ではない。どちらでもいいのだ。
それが彼には左手に思えたから、彼はひとりで歩み出せるのだ。

ライブが終わって会場を出て、真っ先に絵の展示スペースへ行った。
彼の絵を改めて見なければと思ったから。
そして、早く家に帰って画集を広げたい、と思った。
あの画集こそが、このライブの出発点であり最終地点なのだ。
ヨルシカとしては、画集が出てから全国ツアーが始まったことをいえば、この画集は出発点。
一方物語としては、舞台の上で自分の壁を超えて新しい絵を描き上げ個展を開いた彼のその集大成がこの画集であり、これはこの物語の最終地点。

なんて完璧なんだ。
ヨルシカ凄い。
ナブナさん凄い。
ただただ、その完成された世界に圧倒された。
こんな体験ができるのはヨルシカだけなんじゃないだろうか。
本当に素晴らしかった。

あと。
靴の花火で、僕の食べたもの、のところで映像がカニとかラーメンだったのは北海道仕様なのかな。他の地域の公演見てないからわからないけど。なんとなくヨルシカがそういう地方サービスしてくれるイメージが無かったから、もしそうなら嬉しい。
実際本当はどうなんだろう。たまたまかな?

曲に関しては、もう、良かったとしか言えない。本当に良かった。最高だった。
suisさんは表現力の塊だし、ナブナさんが想定外にめちゃくちゃ可愛いし、映像の歌詞の見せ方も凄くかっこいいし、何もかも本当に最っっっ高でした!!!
ありがとうございました!!!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?