アメリカ気分な商店街?福生のベースサイドストリート
異次元空間は、世界のヘンテコを追う同人誌「異次元空間」のオンライン版で、風変わりな場所と構造物の紹介がメインです。
海外旅行に行って異国情緒を味わってみたい、けれども海外旅行は敷居が高いし気軽に行けない……そう感じる方も多いのではないだろうか。
今回の異次元空間では手軽にアメリカ気分を味わえそうな、西東京の福生周辺に広がるベースサイドストリートを紹介する。
FUSSA FRIENDSHIP PROMNADEと銘打たれた案内板には、ベースサイドストリートを構成する店舗案内が書かれている。
ベースサイドストリートの「ベース」は「基地」のことで、ベースサイドストリートとなる国道16号線の片側は在日米軍の横田基地である。よって、ベースサイドストリートの商店は基地と道路を挟んで片側に立ち並んでいる。
新宿から電車で50分ほどの場所に位置する福生。近くにある横田基地の脇を通る国道16号線沿いはベースサイドストリートと呼ばれ、アメリカンテイストのショップが立ち並び、まるでアメリカの街を歩いているような気分になる。なんとドルでの支払いに対応している店舗もあるのだとか!ちなみに横田基地で、年に一度行われる「友好祭」の日には、基地が一般開放される。かつては故・忌野清志郎や桑田佳祐などの大物ミュージシャンも住んでいたという福生を家族で堪能しよう!
JR東日本ウェブサイトより
英語の看板が並ぶさまはアメリカらしい……といえるのかもしれない。
窓ガラスに貼られたワッペンもベースサイドストリートっぽさが出ている。
トゥクトゥクが置かれているのはタイ料理店「カオマンガイ16号」。この写真にあるような平屋の住宅はいわゆる米軍ハウスで、元は基地周辺の一般地区に建てられたアメリカ人労働者向けの住宅である。
近年ではこういった米軍ハウスをリノベーションして住居や商店にするのが一部で流行しているとのこと。
「韮菜万頭」と大きく書かれた店は「韮菜万頭 福生店」。海外にある中華料理屋のような佇まいである。ここが日本におけるニラ饅頭発祥の地とのことだか、どうなのだろうか。
「STEAK GARDEN BBQ YABU椿」の看板が出ている店。大きく描かれた椿の花が目立つ。この店舗は現在は「CHACO'S 福生店」に変わっているようだ。
ピンク色の壁が目立つ「DEMODE KeyStation」は服を中心に揃えたセレクトショップのようだ。
掘り出し物がありそうな雑貨屋「April Flash」はごちゃごちゃ感がいい味を出している。
拝島駅から牛浜駅・福生駅(東福生駅)まで広がるベースサイドストリートはかなり広範囲の商店街である。こうしたベンチは休憩と街の雰囲気向上に活用されていそうだ。
他にもベースサイドストリートを歩いていると個性的な店構えが目立つ。こうした1店1店の集合体がベースサイドストリートの雰囲気を作っているといっていいだろう。
驚くのは、こうした異国情緒のある店のほとんどについて、紅虎餃子房や万豚記といった店舗を全国で展開する際コーポレーションがデザインや営業に関わっているところだ。
様々な業態を持つ企業が街に根付くことで街自体のブランドが確立されていく、そんなまちづくりの一例として見ても福生のベースサイドストリートは面白い場所といえる。
日本にはまだ見ぬ不思議な光景があるものだ。