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天空の隠れ里?南信州・下栗の里
異次元空間は、世界のヘンテコを追う同人誌「異次元空間」のオンライン版で、風変わりな場所と構造物の紹介がメインです。
複数のプレート同士が交わる場所にある日本列島。中央部にはフォッサマグナと呼ばれる溝のような地形があり、その東西には日本アルプスと称されるほどの標高の高い山々が連なっている。
今回の異次元空間で紹介するのは、そんな標高の高い山の斜面にある集落、下栗の里だ。
観光駐車場にある案内図がこちら。駐車場自体の広さには余裕があるが、ここまでたどり着くためには麓からひたすら細い道を登らなければならない。
里へと至るためにはこのスノーシェッドを通って登っていくのだが、ここでつい車を止めて地図を確認してしまった。こんな光景を見てしまっては、たちまち不安になるのも仕方ないというもの。
先程の観光駐車場から集落を望む。深い谷に向かい合うように、細い道に沿って集落があることが見て取れる。しかしながら、ここからでは集落の特異性は分かりにくい。
観光駐車場から少し歩いた場所に、下栗の里の展望台がある。観光用の林道は歩きやすく整備されていた。
展望台から見た景色がこちら。周りから隔絶された場所に、ひっそりと佇む家々。まるで天空にある隠れ里のようだ。
南アルプスから伸びる尾根に拓かれた高原の地。下栗の里は標高800~1100m、「日本のチロル」と表現されるほどの絶景地です。2009年に「にほんの里100選」に選ばれました。伝統野菜や伝統文化の宝庫でもあります。
信州遠山郷ウェブサイトより
余談ながら、チロルはチロルチョコの由来にもなったオーストリア・アルプスの山々がある州の名前である。
上の写真を撮影した展望台自体を入れて撮ったものがこの写真。展望台は撮影がしやすいように斜面から張り出している。
下栗の里を撮影できる場所はこの展望台以外にもいくつか存在するというが筆者は未訪問である。このとき、これ以上細い道を運転する気にはなれなかった。
斜面を這うようにうねる小道を、ちょうど軽トラが登っていっているのが分かるだろうか。
写真でも分かる通り、かなりの急斜面である。ここで耕作をして暮らしていくのは大変そうだ。
何枚か写真を紹介したが、実のところ、展望台からはこの方向しか撮影できなかったりする。ストリートビューの全天球画像だと、周りに木々が生い茂っている様子が分かりやすい。
なぜこのような人里離れた高山に集落があるのか気になるところだが、縄文時代からこのあたりでは人が暮らしていたという説もあるという。
日本にはまだ見ぬ不思議な光景があるものだ。