船が宙に浮く島?高知西南の柏島
異次元空間は、世界のヘンテコを追う同人誌「異次元空間」のオンライン版で、風変わりな場所と構造物の紹介がメインです。
四国の南半分を占める高知県、その西端には透明度の高い海として近年知られるようになった小さな島があるという。なんでも、船が宙に浮いて見えるほどの透明度だとか。
今回の異次元空間では、高知の西南地域・幡多(はた)にある柏島を紹介する。
東京から最も遠い地域と言われる四国西南地域の中でも、さらに西南端に位置する大月町の大堂・柏島エリア。周囲約4キロの柏島には400名ほどの住民が暮らしています。豊後水道と黒潮の流れがぶつかる海域に面しているため、日本の海の1/3の魚種が生息しているとも言われており、世界でも有数のダイビングスポットとして知られています。
近年では「船が宙に浮いて見える」ほど透明度の高い海としてSNS上で紹介され、この海を見るためにわざわざ関東や東北地方からも多くの観光客が訪れる、注目の観光スポットとなっています。
柏島・大月町観光サイトより
この写真は付近の大堂山展望台から柏島を望んだものだ。海上にはいけすがいくつも浮かんでいるが、中でも円形のものはクロマグロの養殖用だという。
高知県大月町で養殖される本マグロ(クロマグロ)の生産量は全国3位の生産量を誇り、全国屈指の養殖技術によって、良質な脂ののったおいしいマグロに成長します。大月町の海は、抜群の透明度を誇り、クロマグロの養殖に最適な環境の海域です。大月町沿岸はクロマグロの幼魚の回遊場所に近く種苗の確保が容易である上、海水交換の良さから水質が悪化しにくく、また近くに大きな河川もないため、淡水に弱いとされるクロマグロの養殖には絶好の条件が揃っています。
さらに、大月町の海域は海水温が適度に高いため、マグロの生育速度が早く、かつ身の締まりの良い上質な肉質に育つ事が大きな特長です。大月町は昭和50年代に、漁業としては全国で初めて柏島でクロマグロ養殖に挑戦しました。その後、さまざまな試行錯誤を繰り返し、現在は国内の養殖マグロの中で高い評価を受けています。
PR TIMESウェブサイトより
夢といわれていたマグロの養殖も昭和50年代から数えれば半世紀近い歴史を持つことになる。高知といえばカツオのイメージだが、現地に行くとマグロを推した店をよく見かける。
柏島は離島ではあるが、本州側から二本の橋が繋がっている。右の新しい橋が「新柏島大橋」、左の古い橋が「柏島大橋」である。
新柏島大橋から柏島大橋の方を見ると、よくガイドブックやSNSで見かける構図になる。写真は漁船が通過するのを待っての撮影である。漁船は不定期に通過するため、ときに辛抱が必要だ。
柏島大橋周辺の海岸は石がごろごろしていた。Google Mapによると柏島ビーチの文字がある。ブイまでの範囲内については遊泳可能なようだ。
柏島大橋のたもとには危険の文字があった。これは乗り出そうとする写真撮影者への注意喚起だろうか。それとも橋から海へと飛び込むことに対する注意喚起だろうか。
柏島大橋から港内を見ると船が浮いて見える……ほどでもなかった。晴れていても、風や波の高さによってはそう見えないときもあるのだろう。なお、本気で船が宙に浮いているような写真が撮りたい場合はPL(偏光)フィルタを持参する必要がある。備えよう。
港の防波堤から入港する漁船が見れる。奥に見える山は柏島のもの。国土地理院地図を参照したものの名前は記入されていなかった。標高は約145m。
エメラルドグリーンと形容される海の色が美しい。
ここ柏島は「釣りバカ日誌14 お遍路大パニック!!」のロケ地にもなったそうだ。ハマちゃんがイシダイを狙ったのだとか。柏島大橋から飛び込んでいるシーンも確認できる。
防波堤の先は行き止まりだった。壁の向こうには石だらけの海岸である。
港に沿った狭い道路と集落に漁港の雰囲気が出ている。
避難場所 田中さんの畑
豪快な案内だ。わざわざ看板に書いてあるあたり、このあたりの方にはこれで通じるということなのだろう。付近の航空写真を見てみると、たしかに集落の裏に畑が確認できた。
橋を渡った側にも漁師町が広がる。スキューバダイビングや渡船などの施設もこちらに多くあるようだ。
本州側に駐車場は無いため、観光客は柏島にある駐車場に車を停めてからの散策となるだろう。近年には旧柏島中学校(黒潮実感センター)の敷地を使用して広い臨時駐車場が整備されている。
四国の西南にある柏島。車でも行くのに時間のかかる場所にあるものの、この碧い海を見るためならそれだけの価値があるのかもしれない。
日本にはまだ見ぬ不思議な光景があるものだ。
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