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「ぼくのなつやすみ2」の舞台をゆく:伊豆の富戸
「ぼくのなつやすみ」シリーズは、プレイヤーが主人公「ボクくん」となって舞台となる海や山を駆け巡り、昆虫採集をしたり、友達と虫同士を戦わせたり、海や川を泳いだりりと、今の大人が「小学生だったあの頃の夏休み」を追体験することができるゲームです。
2020年は「ぼくのなつやすみ」シリーズ20周年記念の年にあたります。
シリーズ最初となる「ぼくのなつやすみ」が発売されたのが2000年の6月、続いて「ぼくのなつやすみ2海の冒険編」が2002年に、「ぼくのなつやすみ3北国篇『小さなボクの大草原』」が2007年に、「ぼくのなつやすみ4 瀬戸内少年探偵団『ボクと秘密の地図』」が2009年に発売されましたたが、以降ぱったりと新作は出ていません。
しかしながら、発売から数年、数十年たった今でも同シリーズの人気は衰えず、毎年夏になればゲーム実況動画が盛んにアップロードされており、PS4に対応した続編への期待や、オンライン版、スマホアプリ版の登場がファンにより待たれています。
そんな「ぼくのなつやすみ」シリーズのうち、2作目となるぼくのなつやすみ2海の冒険編(ぼくなつ2)はシリーズで初めて海が出てきたゲームです。
田舎の大自然とたわむれ、日が暮れるまで遊びまわった「懐かしき夏休み」を体験できるアドベンチャーゲーム。
あたたかくも、どこかせつない雰囲気により話題となった前作の舞台を山とするならば、本作の舞台は海である。ときは昭和50年8月。潮の匂いが心地よく、夕日が美しい「富海(ふみ)」という小さな港町に、小学3年生の主人公「ボク」が都会からやってきたことで、物語がスタートする。この町でボク(プレイヤー)は、1か月の夏休みを自由に過ごしていく。昆虫採集や釣り、お手伝い、自転車で遠出など、自然を舞台にした遊びが満載で、何をするかはすべてプレイヤーの自由。前作にはなかった海で泳ぐという遊びも追加され、広大な海を探検したり、海のそこに落ちているサイダーの王冠を集めたりすることができる。
ほかにも、アイスやガムといった駄菓子をお金で買えるなど、大人にとっては懐かしい楽しみも用意され、前作より遊びの幅が大きく広がった。とにもかくにも、懐かしい雰囲気が満載であり、大人なら自分の思い出とシンクロさせて、古きよき時代のよさを満喫できる作品となっている。(野村一真)
Amazonゲーム販売ページより
この、ぼくのなつやすみ2海の冒険編のゲーム中のオープニングムービーでは、名曲「少年時代」をバックにして、舞台のモデル・富海(ふみ)となったであろう漁港とその周辺の写真が表示されています。
ぼくなつ2のwikiで、「舞台モデルは静岡県賀茂郡松崎町の雲見」と書かれちゃってますがちがいます(苦笑) 東伊豆にあって、ゲームに出てくる富海に名前が近い富◯がモデルです。防波堤やオープニングに出てくる風景なんかは実物そのまんまだし、釣れたり、海中にいる魚まで現地と同じです。
— 綾部和@ミレニアムキッチン (@ayabekaz) March 28, 2010
東伊豆の富○とは、観光地で有名な城ヶ崎海岸に近い、伊豆急行線に駅もある富戸(ふと)のことだろうと推測できます。
いつかは舞台のモデルとなった富戸に行ってみたい、そう思いながら数年間が過ぎ、ようやく足を運んだときのことを紹介してみます。
こちらが伊豆急行線の富戸駅。ここから富戸港までは海への坂を下って徒歩20分ほど。熱海からだと伊東線の伊豆急行線直通電車で一本です。
Google Mapを信じて海沿いを歩き続けると、ゲームで見たあの防波堤が。登場人物のサイモンや靖子お姉ちゃんがひょっこり出てきそうな雰囲気です。釣りをしている方も見掛けました。
防波堤を横から。ここはオープニングムービーに出ていましたね。今にも海の向こうから定期船がやってきそうです。
防波堤に守られた漁港も、ゲームの雰囲気が出ていますね。
先程の防波堤を海側の防波堤から見たところ。ボクくんの寝泊まりする民宿・茜屋がありそうでありません。右の建物はいとう漁協富戸支所です。
漁港内にはオープニングムービーに登場する切り通しがありました。漁港はこの切り通しを境に2つに別れています。道路を挟んで陸側すぐは急な崖になっていました。
奥の防波堤付近の景色。
どこにもありそうで、どこにもない。そんな風景。
ぐるりと半円形の漁港。富戸港は地形を利用して造られた小さな漁港を2つ合わせたような港です。写真左端あたりに切り通しがあります。
付近には洞窟のような場所も。ゲームでは防波堤の隣にあるヒミツの砂浜にこんな場所がありましたね。あちらは鉄格子で塞がれていましたが……。
海沿いの道はこんな感じ。右側に光ちゃんが占いをしてくれる公園がありそうな道です。ゲームでは家が数軒あるのみですが、モデルとなった富戸港の周りには家が立ち並んでいます。
富戸港から少し離れた場所にある魚見小屋。海に向かって突き出した構造が民宿・茜屋っぽいかもしれません。
※公式には茜屋にモデルは無いことになっています。
どうやらボラ漁のときに上から漁船に合図をするための小屋だったようですね。県内で唯一現存する魚見小屋だそう。
城ヶ崎海岸の吊り橋。この吊り橋は付近にある灯台と併せて城ヶ崎海岸のシンボルになっています。似た場所はゲームでも出ていましたね。ボクくんはこういった高いところにある橋の上からも難なく海へとダイブしていたような気がしますが……。
ゲーム内では他にもわさび田や診療所、水車小屋などが登場していましたが、これらの聖地は不明です。完全にオリジナルなんでしょうか、それとも富戸のようにモデルがあるんでしょうかね……?
延々に続く暑い毎日、ラジオ体操したり、家族で旅行にでかけたり、花火をやったり、山のような宿題と格闘したり、読書感想文が書けなくて悩んだり……そんな夏休みのありがたさが分かるのは大人になってからのことでした。
いままた長い夏休みがあったなら、一体何をするんだろう?そんなことを考えながら富戸を歩くのもいいかもしれませんね。