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役割の明確化

これまで大企業から中小企業のいろいろな人達と仕事をしてきました。
主に製造業を中心に業務をしてきました。
これまでの経験で特に中小企業で気が付いたところを記します。

中小企業は規模に応じたそれなりの組織があり業務を行っている。
通常業務なら当然問題がなく各組織間の連携で進めることが出来ている。
社内業務であれば
・生産計画会議
・要員計画会議
・設計変更会議
・棚卸

顧客先との業務であれば
・品質定例会
・各種テーマ監査

こういった定例的な業務はそれなりの対応で業務が進んで行くところであるが、普段のルーチン業務と違いプロジェクト的な業務が入ると途端に、誰が、何を、何時までに、など決められない。決める習慣がないとも言うが。
中小企業では、トップが一言、言っただけで組織が機能するような組織には残念ながら出来ていない。
例えば、組織図を作れば組織が機能すると思っている社長が存在する。
組織と役割、業務内容、担当要員数、などが把握されていない。そもそも、文書化されたものが無く暗黙知の世界で業務している。退職者が発生すると引き継ぎなどされないまま後日問題が発生することがある。

また、中小企業にはプロジェクトを推進するような組織機能も仕組みも出来ていない。そのことをトップが分かっていないことがある。

例えば過去に行った業務であっても
・社内負荷オーバー対策で協力会社に業務委託
協力会社に仕事を委託するのも、過去に幾度も経験し実施しているはずが、何も資料が無い。
委託することだけが決まって、極限られた関係者に周知しただけで、その後誰が何を、何時まで、にするわけでもなく、、、ただ何となく。
したがって、各部門、各担当者、それぞれがバラバラな対応となる。
業務委託など手順が決まっているはずなんですがね。

文書化された手順も無く、どの組織が、何を、どのように、誰が推進責任者なのか?スケジュール、何も決めないで実行していき、結果的に品質問題が発生してしまう。

同じ問題を繰り返し再発してしまう。
中小企業なら、社長がリーダーシップを取って推進しなければならない。

・新規取引先受託立上げ
 営業活動の結果、やっと取引が出来るように取引先が決まっても、推進責任者、組織図、役割、担当、準備項目、監査対応、等何も決めないと一向に進まないことになる。
最終的に会社の姿勢が問われることになる。

通常、新規取引先となるまでには
場所(所在地)、生産能力、財務状況、工場視察などの事前調査を行う。
そこで希望に沿った会社であれば口座開設となり各種監査を行うことになるが、ここまで来るのに最短で6ヶ月程度で普通の手順で行くと1年位の日程が必要となる。
新規取引先と業務が決まると各種提出資料並びに監査が行われるのが一般的な手順となる。
法務的な契約書を締結していくことになる。
取引基本契約書、NDA守秘保持契約書、品質保証協定書、、、、。

中小企業ではこのようなチーム活動となるようなプロジェクト活動が不得意なのかもしれませんが、事例を出します。

新規取引先立上げ事例
組織図と役割を設定する
・推進責任者
・組織体制
・責任者、担当者

品質協定書の要求項目の担当課割付事例
要求事項の各部門の担当者決める

これらにスケジュール管理表を作成して定期的に進捗を管理していくことでプロジェクトが推進できるようになります。

まとめ
『人は、役割を明確にすることで能動的に動き始めることができる。』
業務を行うには、目的と手段がセットになりますが、目的を周知共有することで手段が決まってきます。それを担当者と摺合せをすることで自主性を持たせることと、モチベーションも持たせることが出来るようになります。

組織を動かすには、プロジェクト推進責任者、目的、スケジュール、組織体制、役割の明確化などを見えるようにすることで初めて自主的に機能する組織を作ることが出来ます。
こういうことが中小企業では不足していると思います。

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