考えようとしない人達
これまで大企業から中小企業のいろいろな人達と仕事してきました。
経験の中で生産現場管理者の中には考えることを嫌がる一部管理者の人達がいます。これが、困ったものなんです。改善が進まない。
製造を主とする中小企業では、組立て作業の経験者からリーダーとしての頭角を現しはじめ、次第に昇進していき係長、課長と出世していくことになります。
当然の様に、役職が上がるにつれて役割と業務内容が変わってきますが、中小企業の場合には教育体制とか仕組みが無いことが多い。あくまで経験値に依存することになり、また、職場の組織能力と環境に見合ったレベルに育つことになる。
本来、役職が上がるほどサイエンスに基づいた論理思考とした業務になるものですが、中小企業の管理者では一番苦手な部分かもしれません。
製造業では現場叩き上げの役職者は、その日の生産数をいかに達成するかが思考の中心になる。これが、また忙しくなるほどその方向が更に強くなる。
本来、製造現場の管理者はQCDに取組み日々改善活動に努めなければならない。しかし、忙しくなるほど、完成品確保に思考がいってしまい生産性改善が二の次になっている。確かに、生産現場は、日々色々な問題が刻々と発生する。そうして、1日、1週間、1ヶ月と時間が過ぎていくことになる。日々忙しいことで充実感とか満足感を得ているのかと思う。
そこで、日々の忙しさを改善することを管理者に聞いてみると、考えがない(考えていない)ことに出くわす。
これは、考えることを嫌がる傾向があること。これまで、現場叩き上げできたので「気合と根性」の価値観であり、身体が忙しければやった感に満足してしまうことにある。その背景には、忙し過ぎるから自分には改善を考える時間がないと自分に言い訳してしまう。しかし、どうにかしたいとは思っている。
幾度か会話をすることで業務改善が上手く図れない管理者を読み解くと、改善策を見いだせない。いわゆる補助線を引いて解決することが出来ないから考えたくないと思っている。
補助線が見えない
補助線とは幾何学で、与えられた図形にはないが証明のために便宜的に描き加える線であり、業務改善能力には必要なものと思います。
・同じ現象を見て :見える、見えない
・問題の本質が :捉える、捉えられない
・抽象化が :できる、できない
日々起きている中で、なぜ督促電話がくるのか、なぜ遅延するのか、なぜ品質問題が発生するのか、なぜ部品が遅れるのか、、、色々な問題起きているがそれらが何処でなぜ起きているのか理解する能力を上げる必要があります。
質問をする
補助線が見えない管理者には、誘導していく質問をしていくことをお勧めします。
例えば、生産遅れならば
・なぜ遅延するのか?
・部品問題?欠勤?作業遅れ?
・欠勤でなぜ遅れるのか?
・要員計算は出勤率は何%で設定しているのか?
・現状の出勤率は何%なのか?
・差分があるなら、対策が必要
・対策は、要員補充、残業、休日出勤 となる
まとめ
忙しさにかまけて、考えようとしない管理者(一部には考えることを嫌がる者もいるが)の対策方法の一つとして、質問をして現状を変える手助けをしていく必要がある。そうして無理やり管理者を動かしていくことで職場の活性化を図りQCD活動を進める。社内の中で、こうした改善事例の発表会などを開催出来ると尚良いと思います。