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製造業に於ける派遣要員の問題

これまで大企業から中小企業のいろいろな人達と仕事をしてきました。
永らく製造業に携わってきましたが、中小企業の製造業は大企業からの受注業務になることからコスト競争が厳しい環境でどの様に利益を確保するかが難しい。受注量から生産変動も大きく要員をどの様に扱うかが又、難しい。労務費をいかに安く低くするかを追求することになるが、一般的に派遣を雇うことになる。社員で雇用調整できないので製造業では生産変動に合わせ派遣を雇用して要員変動を吸収することになる。
なるべく社員の製造要員を受注生産量最低ラインに合わせた要員構成としているのが一般的ではないかと思う。

派遣の補充する労働力は本当に効率的なのか?
労働力確保として派遣を雇い入れるが、総合的に一度考えて見る必要があるのではないか?

なぜなら、どんな単純作業でも仕事を習熟するまでの時間は必ず発生する。
また、社員並みのレベル(習熟度)を期待するのも無理がある。
なんせ、一定期間しか在籍しないからである。

実際に製造現場に投入するには幾つか行うことがある

教育
仕事には形式知と暗黙知が存在し教育するにはそれぞれ時間が必要となる
マニュアル化された形式知で作業できる職場ならあまり問題にならないが
暗黙知ばかりの職場となると覚えるまでの教育時間が長くなる

派遣人材の問題
必要な時に採用できるとは限らない
真面目な人や通常作業が問題なく出来る人もいるが、なかには当然の様に外れもいます
一度採用すると契約期間の問題で一定期間雇用することになる

教育時間
単純作業とは言っても一定の手順や機種(種類)を覚えてもらう必要がある
国内製造品は小ロット多品種生産が中心で最低でも一巡するまで、教育が必要となる
都度教える時間が発生  管理者?リーダー?一般職?

品質問題
不慣れ、ポカミス、教育不足、、、品質問題が発生し品質が安定しない
誤造品の発生もある
現場管理者が不良対策と品質保証部門の業務が増えることになる

作業遅れ
習熟度が上がるまで期間必要
場合によっては習熟度が上がらないこともある

勤務
勤務時間が時短の場合もある 
昨今、夜勤者は集まりにくい(この辺は賃金の問題もあるかもしれません)

時給
派遣会社により単価が違う
総支払費用は社員より高い場合もある

勤怠
これはかなりの確立で当たり外れがある

辞める(続かない)
流石に最近は初日の午後からいなくなる人は無くなったが、翌日から来ないのはありますね
 突然辞める(もちろん、事前申告のルールはあるが、、)
そもそも目的が人により違うので契約期間がバラバラ

上記のようなことが発生することになり、常に派遣が入れ替わる職場は、これらに振り回され職場は疲弊することになる。
教えて一人前になったら辞めていくことの繰り返しで、社員は虚しさを覚えることになる。

経営的にどうなのか?
直接、間接部門メンバーに、入社する度に社員が派遣メンバーの教育に従事していることになる。
具体的に、総務部門から始まり、製造部門、品質部門と関連部門の負担が発生することになっている。トータルコストでみていった場合、本当にコストが安いのか疑問が残るところである。
関連する部門の発生した時間を集計しコスト計算するなど、きちんとコスト計算するべきである。

まとめ
これまで述べてきたことが実際の派遣雇用に関する問題だと思います。もちろん上記以外のコストが発生していることもあるかと思います。
中小企業だと、目に見えるコストに関心が行くことになり間接費用としてのコスト計算がおざなりになっている。一度トータルコストを計算して、最適な派遣要員は何人レベルにするべきなのか見直ししてはどうかと思います。

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