発達性トラウマ障害って?
こんにちは!
N/S医療ヘルスケア同好会です。同好会12回目の記事は『発達性トラウマ障害』についてになります!
ぜひ最後までご覧くださいね〜!
(本記事は病気の治癒や、自己診断を目的としたものではありません)
今回の記事は同好会運営・ニートの塩辛がお送りします!
記事は私含め4人のメンバーで順に投稿しています。よかったら他の記事もご覧くださいね!
さて皆様、『発達性トラウマ障害』という名称はご存知でしょうか?
実はこの『発達性トラウマ障害』、第四の発達障害とも呼ばれるほど、発達障害と似た症状を引き起こすんです。
『小さいころはそうでもなかったけど、ある時期から発達障害の症状っぽいものが出てるんだよな…』
『なぜかよくわからないけど生きづらい』
というかた、もしかしたらトラウマによる苦しみをおもちかもしれません。
それでは、発達性トラウマ障害についての情報と、改善方法について見ていきましょう!
発達性トラウマ障害って何?
複雑性PTSDの一種と言われることもありますが、診断基準は『反応性アタッチメント障害(愛着障害)』や『逆境的小児時体験の有無』が大きなポイントになっているようです。
ここでは一旦、逆境的小児時体験のみご紹介します。
愛着障害については長くなりますので、下記のサイトをご参考ください。
愛着障害(大阪メンタルクリニック梅田院)
逆境的小児時体験とは、小児時・もしくは思春期早期に1年以上継続して行われる、
・深刻な暴力を目撃する、受ける
・養育者の再三の変更や、再三の分離、情緒的虐待などを受ける
このような、小児時のひどい体験のことを指します。
そのストレスによって発達が阻害・ダメージを受けた結果、発達障害のような症状が出ると言われています。
その逆境的小児時体験や愛着障害に加え、以下のPTSDの症状のうちふたつを満たすと、発達性トラウマ障害と言えるそうです。
・再体験症状・悪夢・解離性フラッシュバック
・回避 / 麻痺
(トラウマに関する記憶を思い出せない、または思い出させるものを避ける、他人事のように感じる)
・覚醒度と反応性の著しい変化
(睡眠障害や集中困難、攻撃性(いらいらしすぎるなど)・警戒心・ささいなことに驚く)
発達性トラウマ障害の苦しさについて触れたところで、具体的な症状を見てみましょう。
発達性トラウマ障害の症状って、どんなの?
先に脳の発達が阻害された・ダメージを受けた結果、発達障害のような症状を引き起こすことがあると紹介しましたが、それ以外にもいくつかの症状があります。
今回はその中から代表的なものを取り上げてみました。
・過緊張
(緊張するような場面でないときも緊張してしまう)
・過剰適応
(他人に気を遣いすぎてしまう、合わせすぎてしまう)
・人や社会が怖い
・フラッシュバック
(急に過去の出来事を思い出して、恥や罪悪感、惨めさ、不安などを感じる。あのときこう言っていればよかったとシミュレーションをするケースも)
・自分の感情や考えがよくわからない
・他者の感情や役割まで、自分の責任だと思う/他者の言葉に振り回される
・自分の価値観で判断できない
(辛いことがあっても、『自分にも悪いところがあった』『もっとしんどい人がいる』と思うなど)
・感覚過敏/感覚鈍麻
これは一部分でしかないので、詳しくは参考図書やサイトをご覧ください。
さて、こうして色々並べると多種多様な症状があることがわかりますが、根底に共通しているものがあります。
それは『自己の喪失』です。
自分が自分のものである、という感覚を失ってしまったばかりに、過剰に他者に気を遣ったり、怖がったり、自分の感情さえわからなくなる、ということが起きるのです。
もし心当たりがあるかたは、専門家へ相談してみてくださいね。
トラウマからの回復
この発達性トラウマ障害は、ケアによって改善することも多いです。
この章では、そのケアについて見ていきましょう。
トラウマ克服のモデルは、おおむね以下のようになります。
(もちろん実際は一進一退で、順番が交互することもままあります)
1:環境を調節する
2:身体や自律神経を回復する
3:自己の主体を再建する
4:記憶・経験を処理する
5:他者・社会とのつながりを回復する
ここから、ひとつずつ解説していきます。
(克服方法を書いてはいますが、精神科に通院しているかたは特に自己判断で行わないようにお願いします)
1:環境を調節する
トラウマを回復するにあたって、まず現在の環境を見直します。
「自分を大切にするには、どうすればいいか」を考えて、現状に問題があれば変えていきます。
場合によっては転居・転職をします。
2:身体や自律神経を回復する
第一に、栄養と睡眠をしっかり取り、有酸素運動などで身体を動かします。
回復には、土台となる身体の健康が不可欠だそうです。
場合により、漢方やエビリファイなどの薬も用います。
3:自己の主体を再建する
トラウマの中核である『自己の喪失』を克服するため、セルフイメージを正しくするなど、自分自身の軸を獲得していきます。
自分の感情を否定する人(怒りを感じてはいけないと思うなど)も多いため、感情をそのまま表現する、などがセラピーとして行われています。
内面から湧き出る自分を否定する声は、他者の考えであると知ることも重要だそうです。
また、刷り込まれた偽ルール
(例:『あなたのためを思って言っている』『お前が悪い(から傷つけられても仕方ない)』など)
は実際正しくないと知ることも、回復の助けになります。
4:記憶・経験を処理する
トラウマを負うと、常に『誰かから怒られるのではないか』などと焦燥感や不安に駆られ、自分の時間を自分のものにできない、ということが多くあります。
そのため、マインドフルネスなどを活用し、『今ここ』に目を向けることが回復の助けになるとされています。
また、ルーティーン(本を数ページ読むなど、簡単なもの)を作ることも効果的です。
(簡単な活動を落ち着いて行うことで、一日が循環してゆく感覚を取り戻すことができます)
自分史を作り、『自分は本当にダメだったのか?』と、改めて他者のものではない、自分の心で問いかけてみるのもいいそうです。
5:他者・社会とのつながりを回復する
こう聞くと、交流会などで友人をたくさん作る、などということが思い浮かぶかもしれませんが、必ずしもそうする必要はありません。
コンビニの店員と「袋ください」などと会話するだけでもいいです。
信頼できる友人がいる場合は、愚痴を言ってみるのもよいそうです。
(「愚痴を言うことは悪いことだ」と思う人も多いですが、悩みを共有することで得られることもあり、関係が深くなることも多いです。気軽に言ってみてください)
回復したら、仕事や学校などで自分の役割を得てみましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
もしここまで読んで『自分もこれなのかな』と感じたかたは、自分だけで抱え込まず、専門家の助けを借りてくださいね。
また当てはまらなかったかたも、自分が誰かにトラウマを与えてしまわないよう、心がけていきましょう。
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ここまで読んでいただき、ありがとうございました。次回の記事も楽しみにしていてくださいね!
参考文献・サイト(紹介のみ含む)
発達性トラウマ「生きづらさ」の正体 / 三木一太郎 / ディスカヴァー携書
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