令和6年度 細井平洲・童門冬二記念 嚶鳴講座の感想
東海市の偉人 細井平洲を分かりやすく書物にしたのが童門冬二で平洲記念館の名誉館長でもあり、東海市に講演で
度々訪れています。童門冬二氏は数多の歴史上の人物を書物に表しており、氏の講演で聞いた『恕の精神』が忘れられません。
さて、今日の講演は宮崎県高鍋町からお越しになった黒川町長の講演で①上杉鷹山公の兄秋月種茂が問いかけるもの、②日本社会は明治以降、何を失って来たのか?に集約されます。
1.秋月種茂が問いかけるものは?
上杉鷹山公の出身は高鍋藩(小藩)で、その兄が秋月種茂公でこちらは知
名度が低い。町長が童門氏にあった時に「何故、秋月種茂の書物を著し
てくれないのですか?」と談判したら、PHP社から刊行されたらしい。
鷹山公の素晴らしい業績は種茂公の教えの賜物(?)と町長は我田引水。
2.日本社会は明治以降、何を失て来たのか?について
江戸後期から明治の初めに日本を訪れた外国人が驚いたことは概ね、に
こにこし、平和そうな日本人の姿だった。世界の国々の幸福度調査結果
では北欧の小国が上位で、日本は51位と低い結果になっている。町長
は物質面で豊かなのに、幸福度が低くなる理由が理解できないとボヤい
ていた。首長さんらしい疑問ですね。私は『足るを知る』と言う気持ち
を失ったからと考えます。明治維新後、日本人は欧米に追いつけ追い越
せと尻を叩かれ通しだったので、現状に満足できない精神構造になって
しまったのでしょう。私がエネルギー問題で一喜一憂しないためには江
戸後期から明治初期の戻すのが良いと言うと、あんな時代遅れの生活は
みじめで嫌だと反論します。すでに手にした便利な道具の破棄、インフ
ラの破棄を強制はしていないのだが。政治家や大企業の経営者が経済成
長至上主義なのが大問題ですが。
3.今日の講演で気になったのは
高鍋町の面積と東海市の面積はほぼ一緒であるが財政規模は東海市が
圧倒的に大きい。だから箱物政治の成果物が立派(?)だと卑屈な発言を
連発するが、高鍋町には立派な業績を残した先人が数多いることを忘れ
ては町民が嘆き悲しむ。東海市の偉人と言えば細井平洲翁ですが、市民
の認知度は低すぎますね。
4.私は町長への質問で
「大きいことはいいことだ」は誤りがある。東海市の財政規模が大きい
のは日本製鉄㈱名古屋製鉄所と愛知製鋼㈱知多と大同製鋼㈱知多が立地
していることに起因する。三事業所、とりわけ名古屋製鉄所に起因する
公害で市民の中には「東海市から出て行ってくれ」と思っている人もい
る。元日鉄マンの人が「何であんな発言をするのか?」と詰問して来た
が無視しました。