トヨタ自動車の水素狂騒曲が姦しい
2014年12月15日に満を持して発売された燃料電池車(ミライ)は販売台数は初代、2代を合わせても8000台余りで国の計画40000台に遠く及ばない。その頃、水素ステーションの保安監督者(所長)であった私は水素ステーション運営に乗り出そうとするガソリンスタンドの経営者に「あと5年は待った方が良いよ」と助言していた。水素事業に積極的であったENEOSは水素ステーションについて基礎的な知識が不足していたので、現場の不安に答えてくれなかった。水素貯蔵タンク(200ℓ/基)を全数(11基)を入れ替え、充填する時間について予測すらできなかった。私は水素ガスの製造、充填する作業と共にデータを採取して充填所要時間を調査した。それをグラフ化したら、ENEOSの社員から「そのデータをどうして採取したの? そのデータが欲しい」と言われたので提供しました。
ステーションの安定運転が出来ず、お客さんから「満充填せよ、いつもいつも休業している理由はなんだ? 本気にやる気があるのか?」と苦情の嵐でした。ステーション勤務者は65歳を過ぎており、高圧ガスの免状をもっているだけで、高圧水素についての知識も不十分でしたが、ENEOS社員も似たり寄ったりでした。監督官庁である愛知県産業保安室の職員も経済産業省の言うことを右から左でしたね。
オーナーが「ミライのタンクが満タンからガス欠寸前までの航続距離が実現出来ない理由が充填終了圧の低さにある」とディーラーに言うのでトヨタからENEOS に苦情が殺到した。その結果が蓄圧タンクの充填終了圧を高める愚に出てしまった。
そうこうするうちに水素エンジンだったら高価な白金を使うFCスタックが不要だし、LPG車はガスで走るよねと豊田章男会長に迫られて水素エンジンに挑戦を始めた。燃料は液体水素だと聞いて驚き桃の木山椒の木です。液体水素は―253℃で取り扱いが難しいことが分かっているのかな?
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