水素はカーボンニュートラルの救世主?

平成25年4月から神の倉水素ステーション(愛知県名古屋市緑区)で働き始め、同年7月からは所長(保安監督者)になって、4年間働きました。実はその時には保安監督者になれる要件を満たしていなかったが。退職後、営業開始が目前に迫っていたが保安監督者が未選任の恵那市の水素ステーションに助っ人で1年間働きました。東海市から恵那市までは約2時間半の時間がかかるので、月曜日の朝に東海市を出発し10時に出社、当日は恵那で一泊、翌日は17時まで勤務と言う条件で。
神の倉は水素の素人ばかりで見よう見真似で運転をし、FCVに水素ガスを充てんしましたが事故はゼロ件で済ませました。ミライが販売されると①トヨタから仕事を受けている会社、②市町、③新しいものに飛びつく人がステーションに来ては蘊蓄を語ったり、ステーションへの苦情を捲し立てる人への対応が増えて大変でした。また、物珍しさにENEOSを介して見学に来る人や団体への説明も引き受けました。
そもそも、名古屋製鉄所在職中から水素エネルギーについて若干の知識を持っていたが、FCVに充填することは想像できなかった。
最初の半年は商用ステーションの実証試験で、その後未完成品(?)のステーションで商用へ移行したので、POSの操作やお金の取り扱いも。
ENEOSの社員の一人だけが頼りで、その他の問題は門外漢の私がメーカーを指導して、何とか格好をつけました。水素は充填直前に‐35℃以下にする必要があり、冷凍機は不可欠の装置です。
監督官庁の愛知県産業労働部の産業保安室に相談を持ち掛けるもLPGの経験しか持っていない職員は役立たずでしたが、監督官庁面だけをしていた。
ある意味で我が国の水素事業をリードしていたトヨタもFCVと水素ステーションの関係が分からずに右往左往していた。県の水素研究会に参加して、現場の実態を話し、トヨタ流の現場立脚改善を促すも改悪の連続でした。既に4万台を超えるFCVが走っているはずが、1万台そこそこで、EV化の嵐が吹き荒れている。
神の倉にいた頃、水素水が健康に良いと言ってドラッグストアで販売し始めた会社があったが。神の倉では蓄圧器への蓄圧作業の間水素ガスを大気に放出していたので、友人に「ステーションへ遊びに来れば、嫌になる位あびることができるので健康になるよ」と教えて上げた。水素もあるし、超純水もあったが、食品衛生法をクリアする自信もなくギブアップした。

水素ガス事業の現状は

2013年から華々しく水素エネルギーがこれからのエネルギーの主役になるし、水素は地球に無尽蔵にあると経済産業省が大ぼらを吹いていた。
水素は単体では存在せず、化合物から分離精製しなくては使い物にならず、分離精製のプロセスでCO2を排出する欠点を経産省は隠していた。
次に太陽光パネルで発電した電気で弱アルカリ水を電気分解して水素を得るプラントを造る計画に変更したようです。鉄鋼業やエネルギー産業が水素利用に集中すると太陽光パネルだけでは間に合わないのでは??
水素はエネルギー密度が低いので貯蔵や輸送に難点があるのでアンモニア化にも食指を伸ばしている。アンモニアは劇毒物であり、取扱いに注意が必要です。
鉄鋼業(高炉系)はコークスの代わりに水素ガスを還元剤にする実験をしているが、水素還元法は吸熱反応であり、悪戦苦闘している。
最近は大気中からCO2を分離回収して、メタンガス等を合成することも研究し始めている。化学の知識があれば、CO2と水素からメタンガスを合成することは出来ることを理解しても経済的なプラントを建設し、運転することは困難であることに気付くでしょう。神の倉水素ステーションの運転実績から悟りました。
よくよく考えて見れば、原油は神(地球)が人間に与えてくれた宝物です

アンモニアガスにも注目が集まっているが?

アンモニアガスを燃料にするボイラーや燃焼炉を開発し、商品化する動き磨あるが劇毒物に指定されているアンモニアガスには要注意です。
大多数の家庭や公共施設のトイレは水洗化されているのでアンモニア臭を日常的に鼻にすることはない。汲み取り式のトイレで嗅ぐアンモニア臭は非常に微量ですがアンモニ自体の臭気は息も出来ないくらいに厳しいものです。今は厳重に管理されているが、町工場の燃焼炉迄拡大すると死傷者が出る事故になることが危惧されます。




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