NHKスペシャル「サイパン玉砕から80年 米軍の録音肉声」

昨晩は日本軍が国土防衛ライン上にあったサイパン島に米軍が上陸して、同島を完全制圧する迄の一般兵士の肉声が放送された。
最初の方は兵士も日本人の行動(無防備な突撃)に戸惑っていたし、一般人に発砲しないと言う軍の規律を守っていた。然し、一般人に混じっていた日本軍の兵士の襲撃・狙撃にその軍律も守ることが出来なくなって行った。自分自身や家族のことを考えると、一般人に発砲する事に抵抗感が失われていったようです。と言ってもそのような野蛮な行為に心を痛め、同島から帰国する直前に自死した兵士もいたと録音証言があった。
また一方で佐官・尉官級の軍人が日本人捕虜を軽機関銃で無残にも殺したと録音証言もあった。最前線で自らの命をかけて戦う一般兵士には「人の命は大切だ」と言う気持ちがあったが、安全な場所にいた佐官・尉官級の軍人の方が冷酷であったようです。
投降した一般人に優しく接し、特に子供達にキャンディーを配った兵士は子供達の奇妙な行動に戸惑った。米国人には子供達が喜ぶキャンディーを渡すも喜ばれるどころか迷惑な表情を浮かべる子供に戸惑った。有り余るキャンディーは米国人には普通の量でも、日本人には量が多すぎたようです。
サイパン島を国土防衛線と日本軍が定めたのは、地図上の防衛ラインでしかなかった。一方、米軍はサイパン島から長距離爆撃機(B 29)で日本国土に打撃を与えることができると考えていた。さらに言えば、広島・長崎に原爆を投下してサイパン島に帰還できる作戦があった。
日本からのサイパン島慰霊団の中に沖縄出身者がいた。沖縄本島の悲劇の前にサイパン島でも沖縄の人達の悲劇があった。上皇・上皇妃が南方の戦跡を慰霊することに拘った背景ではなかったか??


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