増えない特定看護師、どうする?
先日、ふと朝のNHKニュースを見ていたら特定看護師の話題が。
しかも、タイトルは「増えない特定看護師」だと??
元々在宅医療の拡充を主な目的としていた特定看護師は、最近ではもっぱら医師のタスクシフトへの活用に期待されている。
しかし、現実はタスクシフト云々以前に数が足りていないらしい。
厚生労働省は10万人が目標といっていたが、まだ1万人もいない。
なぜなんだろうか。
看護師‘も‘タスクシフトの必要性がある
すでに様々な多重業務を抱える看護師は、今の働き方で手一杯。
これ以上の仕事は抱えたくないと思うのが普通である。
医師の働き方改革のためには、看護師も働き方を改革してその余裕を生み出さなければ、新たな役割を生み出すことは難しい。
ニュース内で紹介された病院では、なんと106人もの特定看護師が働いているというが、そこまで増やせた理由としては看護師のタスクシフトが進んだことがあげられていた。
薬剤師が調剤を行い、看護助手を増員して介護業務を担当させるなど、いくつかの業務を多職種に分散させていた。
こうした取り組みで負担を軽減しつつ、自身のキャリアアップのために特定看護師のような研修を受けやすい環境づくりが進んでいるものと思われる。
特定看護師の働き方にも魅力を
自分の働く病院でも特定看護師は徐々に増えつつあるが、活躍の場が広がっていないのが現状である。
いくつが理由があるが、まずは大学病院故に研修医に医行為の機会が優先されること。教育機関であるため致し方ないが、特定看護師の活動の場を取り合う存在となることは否めない。
また、特定看護師といえど病棟勤務する看護師と特に雇用形態は変わらないことが多く、通常業務との両立のために十分時間をさけないといった問題もある。
医師や多職種、そして国民への周知が十分でないことも要因の一つだ。なんだかわからないなら、今まで通り医師に全部やってもらったほうがいい、と考えてしまう。
待遇も重要だ。日本看護協会は専門看護師など特別な技能を持つ看護師の待遇をよりよくするよう、具体的な給与体系の変更を強く求めている。
しかしながら、病院経営はどこも不景気で、あきらかな経済的メリットがなければ待遇の良さは実感できないだろう。
こうした様々な要因が絡み合い、なかなか普及がすすまないのが特定看護師だ。
今後の希望は?
政治家や看護協会があれこれ考えてくれているとは思うが、自分が思うのはシンプルに給与アップだ。わかりやすくモチベーションにつながるし、責任感をともなう仕事になりうる。
また、各病院での取り組み方には限界があるし、極論を言えば診療報酬に加算できる仕組みになれば、経営的にも取り入れやすいだろう。
なにより、医療は安全が第一。無理な増員で医療事故が頻出しては意味がないので、特定看護師となった看護師に対しても継続的なフォローシップや質保障のための施策が必要だとおもう。
これは、今自分自身が感じていることで、PANと比べて麻酔に関して体系的な学びを得られていない特定看護師は、活動の場に加えて勉強会や学会などでの継続的な学習の場が必要だと考えている。PAN学会とかに混ぜてもらうべきか?
ともかく、各方面から改善を考えて取り組んでいくことが大事だと思う。
そのためには、今活動をしている僕自身が皆に必要とされる人材になれるよう、励まなければならないと感じた。