【データで振り返る】東京ヤクルトスワローズ・長岡秀樹の打撃開眼の要因(2024年)

2024年は打率.288を記録し、最多安打を獲得するなど、打撃面で大きな飛躍を遂げた長岡秀樹。しかし、前年は打率.227と打撃面で課題を抱えていた。打撃成績が向上した要因は何なのか、振り返ってみたい。

打撃成績の向上について、さまざまな媒体で語られている。

2つの動画を要約すると、
・広角への意識
・レベルスイングへの修正(前年までは上から叩く意識)
・コンタクトしやすいように短いバットへの変更
の3つを打撃成績向上の要因に挙げている。

そこで、それぞれの取り組みがどのように数字に現れているかを見ていきたい。

レフト方向への安打が増加


前年までは引っ張り傾向が強く、打球の半分以上(50.8%)がライト方向となっていた。2024年はレフト方向への打球が25.4%から34.8%に増加。それに伴い、レフト方向への安打数も17本から50本と激増している。


コンタクト率の改善


コンタクト率とは、打者がスイングした際、打球(ファウル含む)が発生した割合。つまり、空振りが多いか少ないかを示している。

長岡のコンタクト率は前年の84.2%から87.8%に良化。コンタクト率87.8%は、両リーグ規定到達者の中では、宮崎、松本剛、野間、佐野に次いで、全体5番目の数字となっている。

ボールゾーン(73.2%→80.5%)、ストライクゾーン(90.7%→92%)とゾーンごとに分けても改善傾向が見られる。

ハードコンタクトの増加

次にコンタクトした際の打球の強さを見ていく。
ハード(28.2%→33.9%)と強い打球が増加し、
ソフト(23.5%→18.3%)と打ち損じが減っている。

打ち損じの減少が物語るように、全フライに占める内野フライの割合も15.8%から8.4%に減少している。

反対方向の意識を持ったことで、空振り率が減り、ハード%が増えたのか、因果関係は不明。

たが、打撃成績の改善は、反対方向へのヒットが増えたこと、レベルスイングに修正したことで空振り率が減り、強い打球が増えたことが要因と言えるだろう。

おまけ

コンタクト率が改善した割に、三振率は11.7%→11.5%と大きな変化は見られなかった。

ただ、この三振率は両リーグでも優秀な部類で、2023年は規定到達49人中8位、2024年も規定到達47人中9位と元々上位に位置していた。

参考文献


・プロ野球ヌルデータ置き場 

・1.02 Essence of Baseball


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