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原状回復トラブル 不動産屋の役割とは
賃貸借契約での3大トラブルといえば、
・騒音問題
・家賃滞納問題
・退去時の原状回復費用問題
このうち「家賃滞納問題」は、
家賃保証会社の出現で解決しつつあります。
「騒音問題」については、なかなか難しいところで、
問題が発生してしまうと、
どちらかが退去するまで終わらないことが多い。
本日は、「原状回復費問題」について書きたいと思います。
![](https://assets.st-note.com/img/1710466006598-tSgMAb5VdU.jpg?width=1200)
賃貸借契約書って、
細かく書かれているようで、大事なところが抽象的だと思う。
文章が難しくてわかりにくいし。
そんなことを、弁護士さんに言ったことがあります。
「解釈のしかたに誤解を生まないような文体になっている」
「貸主と借主で内容を決めるオーダーメイド契約が理想だが、
現状はなかなか難しい」
そんな回答を頂きました。
確かに、両者で決めたことを正確に文章にするのは難しい。
どんなにしっかり書面を取り交わしても、
言った言わないで揉める話は無くならない。
令和2年に民法が改正されてから、
契約書に「退去時の借主負担の項目と金額」が記載されている
契約書が多くなりました。
おかげで「借主の署名捺印された契約書」をもとに、
スムーズに退去清算が出来るようになって
かなりトラブルが軽減されたと思う。
だけど、どちらが負担するか分からない【グレーな部分】の
トラブル要因は残されたままになっています。
わたしの「キレイさ」の感覚と
あなたの「キレイさ」の感覚は違う。
この「認識の違い」がトラブルに繋がっていくのだと思います。
![](https://assets.st-note.com/img/1710466156376-WU50AVk23i.jpg?width=1200)
退去時のトラブルは防ぐことができるのか?
私が不動産会社で働き始めたばかりの頃、
退去立会のお部屋の中で、
「認識の違い」を痛感した出来事がありました。
室内はタバコのにおいが充満して壁紙は黄ばんでいました。
キッチンやバルコニーに吸い殻の入った灰皿が転がっている。
キッチンシンクにはずっとモノを置いていたようで、
ところどころサビがありました。
汚れがひどく、使い方に問題があったことは明白でした。
入居者は大学生さん。
立会には本人とそのご両親も来ていました。
「クリーニングで落ちなければ、壁紙の張替えは借主負担になる」
と伝えたところ
「なんで?普通に使っていただけだけど??」
お子さんだけでなくご両親も首をかしげ、納得できない様子。
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えええ~?
どうしよう!!クロスの張替えを納得してもらえない??
私は焦りました。
後日この部屋の状態を大家さんが見たら・・・
経年劣化分を考慮しても全額負担は納得しないだろう。
私がとった行動は・・・
【同じ建物で退去したばかりの部屋と見て比べてもらう】ことでした。
「この部屋の状態なら、クリーニングで落とせます。
あなたの使っていたお部屋の壁紙は、ここと比べてどうですか?」
現地で確認してもらいました。
目で見て比較できたら、きっとわかってもらえるはず。
ところが借主さんの言葉は
「契約の時にそんな話は聞いていなかった」でした。
その後、話し合いの決着はつかず
最後は、借主さんが消費者センターに訴え、
大家さんに連絡が行く事態へ・・・。
大家さんから
「敷金返して、次の募集に向かいましょう」
という連絡をもらいました。
自分のふがいなさ。
なんのために契約書を取り交わすのか。
ごねたもん勝ちではないか。
ぐるぐるもやもや。
落ち込んで、考えました。
今思い返せば、
私が大家さんの肩を持ちすぎていたのかな。
【悪徳不動産屋】だと借主さんに思われていたのかも知れませんね。
仲介する立場であるのに、大家さん寄りの対応をしていた結果が
このような事態を招いてしまったのかも・・・。
![](https://assets.st-note.com/img/1710543982491-T0pOmNk1Sz.jpg?width=1200)
この経験から、たくさんのことを学びました。
・借主がどんな使い方をするのかは
退去したお部屋を見るまで分からない。
(貸す時にどんなにがんばっても、分からないんです)
・大家が望む通りのお部屋の修復を
借主が納得するとは限らない。
・どうしようもならなくなった場合の折り合いの付け方を
契約する前にちゃんと決めておく。
これからは、大家さんとも、借主さんとも、
そういう話をきちんとしていこう。
お部屋をご案内のときに、
重要事項説明のとき。
借主さんとコミュニケーションを取れる時間は限られていますが
なるべく理解してもらえるように具体的な話をする。
大家さんとは、入居募集のお話を頂いたとき。
ご案内して入居が決まった時にもう一度。
トラブルの事例を踏まえながら話をする。
不動産屋の役割とは、
貸主・借主両方との「信頼関係」を作ること。
そう心掛けていたいものです。
長文なうえに、まとまらない文章になってしまいました。
最後まで読んで頂きありがとうございました!