見出し画像

建設業経理士1級の論述対策とアヒルちゃん

建設業経理士1級の試験で必ず第1問に出題される論述問題

その対策に苦戦する方が多いため、論述問題の対策に関していくつかこちらの記事で紹介してきました。

この記事ではもう1つ、私が担当するネットスクールの建設業経理士WEB講座内でも紹介している『ラバーダック・デバッグ』を応用した論述問題対策の勉強法をご紹介したいと思います。

ラバーダック・デバッグとは

Wikipediaでは、ラバーダック・デバッグを次のように説明しています。

ソフトウエア工学におけるコードのデバッグ手法である。ラバーダック・デバッグは、アンドリュー・ハントとデビッド・トーマスの共著によるThe Pragmatic Programmerという本で紹介された、プログラマーがラバー・ダック(アヒルちゃん)を持ち歩きアヒルちゃんに向かってコードを1行ずつ説明することによりデバッグを行うという話が由来である。

Wikipedia「ラバーダック・デバッグ」より

ラバーダック(rubber duck)とは、ゴム製のアヒルの人形のことであり、お風呂場に浮かべたりするおもちゃとして、どこかで一度はご覧になったという方も多いのではないかと思います。

私のSNSアカウントにも使っているラバーダック

そして、デバッグ(debug)とは主にソフトウェア内のバグや欠陥などを見つけて取り除く作業のことを言います。

この2つの言葉を組み合わせて「ラバーダック・デバッグ」という訳です。

ラバーダック・デバッグの効果と特徴

何も知らない人がこの様子を見るとビックリするかもしれませんが、ラバーダック・デバッグには、以下のような効果があるとされています。

  • 言語化を通じて、自分自身が把握している状況や知識が整理される

  • 説明という工程を通じて、誤りや矛盾に気付ける可能性がある

アヒルちゃん人形(ラバーダック)ではなく、別の人形やぬいぐるみでも良いですし、聞いてくれる相手がいれば生身の人間でも良いのですが、こちらの都合でいつでも話を聞いてくれる人を確保するのは難しいですから、相手の都合を気にしなくてよいという点も、ラバーダック・デバッグの特徴と言えます。

論述問題対策とラバーダック・デバッグ

さて、こうして紹介してきたラバーダック・デバッグは、あくまでもソフトウェア開発の際のバグの発見や解消のための手法として語ってきましたが、こうして「誰かに説明する」という過程は論述問題が出題される建設業経理士1級の対策としても非常に有用なのです。

建設業経理士1級の論述問題で大切なこと

第1問の論述問題は、必ずしも模範解答通り答える必要はありません。

第1問の論述問題では、物事をたくさん知っているという知識や、きちんとした文章を書けるという文章力も確かに試されていますが、最も重視されているのは「聞かれたことに対して的確な回答ができるコミュニケーション能力」、つまり「説明能力」です(あくまでも私見ですが)。

ですから、説明能力を伸ばすことが第1問の攻略に最も重要であり、そのためには「説明する経験」をたくさん積むことが大切です。

アヒルちゃんに説明しよう

とはいえ、誰かに説明する機会なんてそうそうありません。
会社の同僚や家族に延々と「減価償却の定額法と定率法の違い」や「工事間接費を予定配賦する利点」を説明しようとしても、煙たがれるだけでしょう。

ですが、アヒルちゃん人形相手であれば、受験生の皆さんの都合に合わせて、いつでも聞いてくれるはずです。
反応はないかもしれませんが、「誰かに説明する」というつもりで話しかけること自体が、とてつもなく密度が濃く、効果の高い勉強になる訳ですから、説明相手として24時間いつでも待機してくれるパートナーを持っておくことが有用なのです。

上手く説明できなくてもOK

ただ、いきなりすべてを完璧に説明できるという人は少ないでしょう。
それでも全然問題ありません。

最初はテキストであったり、講義内の先生の説明の受け売りのような形でも構いません。「昨日のテレビの内容を偉そうに話している人」になったつもりで話す感じで大丈夫です。

もし、説明しようとする過程で詰まってしまったり、上手く単語が出てこなかったりした部分があれば、そこは「分かっているようで分かっていないところ」です。
それは言い換えれば「復習すべき場所」であり、それが明確になったということ自体が大切なことなのです。

また、説明の間違いや矛盾に気付いたという部分も、「試験前に気付いてよかった」と思って修正すればいい話です。

いきなり書き言葉にしないのもポイント

また、最終的に試験では手書きの文字で答える必要がある論述問題ですが、なにもいきなり書き言葉で説明する力を伸ばす必要はありません。

仮に自分の頭の中に正しい知識が入っていたとしても、それを説明するのは意外と難しいものです。
そして、案外難しい説明の中でも、実は口頭での説明(話し言葉の説明)の方がまだ易しく、文章での説明(書き言葉の説明)の方が圧倒的に難しいものです。
にも関わらず、多くの方はいきなり書き言葉での説明に挑戦しようとするために挫折してしまいます。

それよりも、「アヒルちゃんに話し言葉で説明できるようになる」というステップを間に挟む方が、段階を踏めるので無理なく実力アップが狙えます。

しかも、文章にするよりも頭の中で考える方が試行錯誤しやすく、ハードルも低いので、限られた時間の中でたくさん練習することが可能です。


こうした点から、ラバーダック・デバッグの手法を建設業経理士1級の論述問題の対策に活かすことができると考えているのです。

いつも建設業経理士1級のホームルームで紹介しているのですが、限られた時間の中で駆け足の説明になりがちなので、noteの記事にしてみました。

その他の記事と合わせて、建設業経理士1級の勉強の参考になれば幸いです。


★お知らせ
私が担当するネットスクールの建設業経理士WEB講座に興味を持った方は、こちらのページから詳細をご確認頂けると嬉しいです。
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓