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建設業経理士1級試験の論述問題で気を付けたい「聞かれたことに答えているか?」ということ

建設業経理士1級試験対策講座の講師として、多くの受講生の方の論述問題(第1問の答案)を添削していると、「ちょっと気を付けるだけで、追加点が狙えるのになぁ…」と思ってしまうようなポイントがあります。

以前の記事でも、論述問題は丸暗記するものではなく、「コミュニケーションのテスト」であるということを書きましたが、この観点で、最後にちょっと気を付けておきたい「聞かれたことに答えているか?」ということについて、記事にしておきたいと思います。

簡単にまとめたものなので、これが全てという訳ではありませんが、論述問題で悩んでいる方、できれば追加点を1点でも多く稼ぎたい方は、参考にしてみて下さい。


よくある問いかけのパターンと注意点

違いを問う問題

「○○と××の違いを説明しなさい」といった問題が問われている場合、問題のメインテーマは"違い"です。したがって、何がどう違うのかをどこかで説明しなければ、問いかけに対する答えとしては不十分です。
ですが、○○と××の定義や説明で終わってしまう答案も結構多いので、違いが問われている問題では、違いが何かを明確にまとめるような記述も入れるようにしましょう。

なお、「同異点」は同じ点(共通点)と異なる点(相違点)の両方を問うているので、同じ点(共通点)も説明に加えてあげましょう。


理由を問う問題

「○○の理由を述べなさい」のように"理由"が問われている問題では、メインテーマが"理由"ですから、「~だからである」「~のためである」のように、必ずどこかで理由を意味するような文章が入るはずです。
このような問題でも、単なる事実や説明の羅列で終わってしまうのは非常にもったいないので、理由を説明できないか、考えるようにしましょう。


長所や短所を問う問題

長所や短所を問う問題では、「○○という長所がある。」や「××という点が短所である。」のように、メリット・デメリットが何かを明確に伝わるような答案を心がけましょう。


何かを踏まえて説明させる問題

「○○の観点を踏まえて」や「××の処理との違いを踏まえて」のように、説明する過程で触れるべき内容が指定される問題は、問題文で指示された内容も踏まえるような答案にしましょう。
ただ、数多くの受験生の方の答案を見ていると、案外、途中で触れるべき内容は書けているものなので、その点はあまり心配は必要ないのかもしれません。

それよりも気になるのは、途中で触れるべき内容に気を取られてしまって、問題の本筋から離れてしまうというケースです。
それでは、十分な点数がもらえない可能性もあるので、高得点を狙いたい方は、一旦落ち着いて、「○○を踏まえて」みたいなものを無視した問題のメインテーマについて考えて、その後、途中で踏まえるべき内容をどうやって付け加えるのかという手順で考えるようにしましょう。


他のテーマにも当てはまる特徴(特長)や説明を書く

「〇〇について説明しなさい」や「〇〇の特徴を述べなさい」という問題では、できる限り「問題のテーマになっているもの"だけに"当てはまる事柄」、つまり限定的な内容で説明するのがセオリーです。

必ずしも完全に限定できる訳でもないというケースも多々ありますが、"できる限り"限定するのが望ましいです。
しかし、添削をしていると、「他のことにもその説明が当てはまるんじゃない?」という説明も時折見かけるので、そういう答案だと高得点を付けにくくなります。

試験に関係ない例ですが、「おにぎりについて説明しなさい」と言われて「おいしい」とか「和食である」といった説明だと、他にもたくさん当てはまる料理があって、説明として不十分です。

完璧な説明は難しくても、なるべく「おにぎりらしさ」を出せる「おにぎり以外に当てはまるものが少ない」要素を説明できないかと考えるのが大切です。
例えば、(私も自信はあまりないですが)「中の具やお米を変えてバリエーションを楽しめる」とか「持ち運びに便利」とか、「手軽にサッと食べられる」のような説明の方が「おにぎりらしさ」が出た説明と言える分、おにぎりの説明としても明確な印象が出るはずです。


もっと他にもあるのかもしれませんが、特に気になることが多い点をまとめてみました。
少し気にするだけで、模範解答通りでなくても追加得点が狙える可能性があるような内容ばかりです。

国語の授業のようなアドバイスばかりでうんざりするかもしれませんが、確実に他の受験生と差を付けられるポイントでもありますので、ぜひ参考にしてみて下さい。


なお、もっとしっかり論述問題の対策をしたいという方は、私が担当するネットスクールの建設業経理士対策WEB講座がお勧めです。
試験の直前期には、第1問の論述問題の添削も行っています。気になる方は、ネットスクールのホームページで詳細をご確認ください。