起業家インタビューvol.1 - Rokhak代表 Srors Soun Hor
N's baseは、カンボジアの社会課題をビジネスで解決しようと取り組まれている4人の社会起業家の方々の商品を販売しています。本企画ではそれぞれの社会起業家の想いに迫る、インタビュー記事をお届けしていきます。
第一弾は雑貨ブランドRokhakの創業者、Srorsさんにお話を伺いました。お母さまのような自立した女性を増やすために努力を惜しまない彼女の原動力とは...。ぜひご覧ください!
Srors Soun Hor - Rokhak 代表
カンボジア出身。2016年にカンボジアで雑貨ブランドRokhakを創業し、ヒヤシンスなど水草を材料にしたバッグや小物を販売。Rokhakの運営と同時に、女性支援や教育機会の提供に取り組む。
自立することの大切さ
ー幼少期の生活環境についてお聞かせください。
母と妹の3人でシェムリアップに家を借りて住んでいました。母は小学校で食べ物を売る仕事をしており、決して裕福な家庭ではなかったですが、楽しく暮らしていました。いろいろな理由で周りの友達が学校をやめていきましたが、学校だけは休まず毎日行くようにしていましたし、通わせてくれた母に感謝しています。
ーそのような幼少期の経験が今のSrorsさんにどのような影響を与えましたか?
小さい頃から母に自立することが重要だと言われ続けてきました。自分が自立するためには学校に行くのが必須で、私自身への投資だと思いながら学校に毎日通っていました。
母に言われた言葉で強く覚えているものがあります。”Nobody would help us so we have to help ourselves” つまり、周りに頼ることを期待しないで自分自身で生きていくことが重要だということです。
辛い時などはこの言葉をいつも自分に言い聞かせています。自分が今自立して生きていけているのは、母から自立することの大切さを教えられたからだと思います。また、母が自分で作った食べ物を小学校で売っている姿を見て、自分もビジネスに興味が湧くようになったんですよね。
ーそうなんですね。お母さまの存在が非常に大きな役割を果たしているのが強く感じました。Srosさんはご自身ががどのような性格だとお考えですか。
自分の性格を一言でいうとポジティブ!です。コロナの状況で大変な時期もありましたが、今は前以上にポジティブになれたと思います。「自分が望めばなんでもできる」と思っています。しかし、本当に望んでいないと現実にはなりません。物事を実現するツールは既に世界に揃っていて、あとは自分次第である。そのように考えることで、自分自身が強く感じられます。
ー聞いているこちら側もポジティブになれます!では次にRokhakを設立した理由を教えてください。
自立した女性になりたかったからです。自分だけではなく、他の多くの女性にも「自立精神」というものを伝えたいと思いました。
カンボジアでは、「自立」=「自分でお金を稼ぐこと」です。しかし、農村に住んでいる多くのカンボジア人女性はなかなか自立できません。なぜなら17歳頃には結婚し、家事で忙しい毎日を送ることになるからです。そのため学校に通えず、教育の重要性に気づいていないカンボジア人女性が多いのが現実です。
私はそのような人たちに、人生において教育がどれほど重要なのかを伝えたいです。自分の若い頃と似た生い立ちの女性たちを助けたいと思い、Rokhakを立ち上げました。
ー農村に住んでいるカンボジア人女性を抜け出せないサイクルから救いたいのですね。素敵な夢ですね!Rokhakを通して、彼女たちをどのように支援していきたいですか?
私は若い頃、ただただ人を助けたいという漠然な気持ちしかありませんでした。その頃は土日などを使い、地元の女性に自分の知識や知っていることを教えていました。しかし、大人になってからは「教育を受けることができない人たちに自分が教えるのではなく、自分のお金を使って学校に行かせればいい」と考えるようになったのです。私にお金があれば様々な人の人生を変えることができる。
私はRokhakを通してお金を稼ぎ、経済的な理由で学校に通えない人々に奨学金を提供できるようになりたいです。また、Rokhakで学校を作るのも夢です。Rokhakを立ち上げたことで自分の夢の規模が一段と大きくなりました。
ーRokhakを立ち上げた時、周りの反応はどうでしたか?
特に反対はなかったです。
家族はビジネスの知識がないのでアドバイスはなかったですが、いつも応援してくれています。友達からはビジネスを立ち上げたことを羨ましがっています。
周りの人が応援してくれるのは嬉しいですね。ただ私自身周りに左右されない性格なので、反対されたとしても、周りの意見や考えに影響されることはありませんでした。自分の意見をしっかり持ちそれに従って動く。周りに期待をしすぎない。自分で決断をするし、何か失敗した時も自分にベクトルを向けるようにしています。周りの意見がは自分にプラスになることもあればマイナスになることもあります。やるべきことは全部自分でやる!が私のモットーです。みんなにもそうなって欲しいと願っています。
コロナで打撃を受けるも、立ち上がろうと決心
ーコロナウイルスの影響で、自分自身に変化はありましたか?
少し前までは本当につらかったです。ビジネスも大きな打撃を受け、銀行からの借金を返せないかもしれないと不安になりました。これまでになく人生が心配になり、ショックで1ヶ月間何もできませんでした。
しかし女性起業家が集まるグループに参加した際、自分よりも苦しい状況に陥っている女性が頑張っている姿を見てエネルギーを取り戻しました。そして、ちゃんと自分を見直して前に進もうと決心しました。そこからは新しいビジネスを始めてみたり、嫌いだったビジネス書を読んでビジネスの知識をつけたりと、今できることに挑戦しています。
ーやはりコロナで大きな打撃を受けたのですね。Rokhak自体にはどのような影響がありましたか。
今まではお店やホテルなどに商品を置いていたのですが、コロナで一切売れなくなりました。物流も整っていないのでお客さんに商品を送ることができません。観光客に頼ったビジネスなのでかなり大きな打撃を受けました。
コロナの怖いところは、いつこの状況が終わるか分からないことです。現在、Rokhakは新商品の開発に力を入れており、クッションカバーなどの新商品ができています。これからは観光客だけでなく、国内の人もターゲットにしようと頑張っています。
ー厳しい時期でも頑張ることの重要さを改めて感じました。貴重なお話をありがとうございました。
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N's baseではインタビューで熱い想いを語ってくれたSrorsさんが創業した雑貨ブランド、Rokhakの商品も取り扱っております。ぜひオンラインショップも覗いてみてくださいね。
N's base noteではこれからも社会起業家の方々の生の声をお届けいたします。次回もお楽しみに!
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