偶然と偶然と押しへの弱さの果てに…私が合唱を始めたきっかけ

いわゆる人生の節目にあたる時期には、自分の人生を大きく変える出来事がよく起こるものです。

私の人生を大きく変えた出来事で、いちばんに思い出すのが、大学1年生の4/6、クラブサークルオリエンテーション(通称クサオリ)で起きた出来事です。

君、まさか1年生?

私は高校時代から音楽が好きで、趣味でギターや作曲をしていたこともあり、大学のサークルは軽音楽部かフォークソング部に入ろうと決めていました。

まずは軽音楽部を見学。
楽しそうだなーと思いつつも、部費が高すぎてこれはお金がなくなるということで、断念。

次にフォークソング部を見学。
フォークソング部はただ淡々とライブをやっていただけなので、あまり雰囲気はつかめませんでしたが、部費はそんなに高くなさそう。
よしフォークソング部に決めよう!

そうだ、フットサルのサークルも見てみたいなー

と思っていたそのとき、

「君、まさか1年生?」

そう声をかけて掛けてきたのは、後に混声合唱団の先輩となるM先輩。

私はこう思いました。

(うわー、勧誘っぽい人に声掛けられた、めんどくさ…)

NS「あ、はい…」
M先輩「混声合唱団っていうところのブースによかったら行かない?」

全くついて行く気はないものの、一応ブースの場所の紙を取り出して確認する私。

M先輩「ほかはどこのブース見てきたの?」
NS「軽音楽部とフォークソング部を見てきました。」
M先輩「じゃあ合唱とそんなに離れたジャンルなわけではないんだね。」

(いや、合唱とバンドって音楽は音楽でも対極じゃね…)

M先輩「よかったら今から混声合唱団のブース一緒に連れていくけど、どうかな?」
NS「(モゾモゾ)…あ、いや…いいです…。」
M先輩「そうか、じゃあもしよかったらまた来てね!」

なんとかその場を逃れた私。

このままこの出会いは人生の中の何の意味もない3分間になると私は思っていました。
それが、まさかあんなことになるなんて…。

君、まさか来てくれたの!?

その後私はフットサルサークルのブースへ向かおうとしました。
が、同じ部屋に男声合唱団のブースがあることに気づきました。

男声合唱団!?

入学手続きのときに、しきりに勧誘してきた、男声合唱団?
まためんどくさいことになるやん!

そう思った私は、フットサルサークルのブースがある1階へ降りたものの、そのまま見ずに帰ることを決意しました。

さて、帰るか…。

出口まで歩いていた途中、あることに気づきました。

そういえば混声合唱団のブースってこの辺だったよな…

そう思った次の瞬間、目の前にさっきの先輩が!

「君、まさか来てくれたの!?」

(ちげーよ、たまたま通っただけだよ!
てかなんでちょうど戻ってきてんだよ!)

NS「いや、たまたま通っただけです…」
M先輩「でもせっかくだから、どう?」

M先輩以外にも2人ほど先輩がいました。
先輩「中入ったら、お菓子が食べれるよ!」
NS「お菓子はさっき軽音でももらいました…」
先輩「ちょっと中で話するだけでも…」
先輩「中に入ったら、お菓子とジュースがー」

・・・

NS「あーじゃーもう入ります」

こうして押しに負けて混声合唱団のブースに入ることに…。

一応話は聞いてみるものの、ゆうて入る気ないしなという感じで聞いていました。
合唱も聞かされたんですが、興味のなかった自分にあまり魅力を感じず…。

とはいえいろんな話をしてもらい、なんやかんやで長い時間留まってしまいます。
同じ学科の先輩ともお話をさせてもらい、学科で馴染めてなかった私は人のつながりのためにサークルに入るのもありかと思うようになってきました。

といいつつ、そのまま入団などすることなく、一期一会もなかなか楽しかったなと思い、帰りの電車に乗りました。
しかし、電車の中でふと思いました。

でも待てよ!
せっかくできたつながりをこのまま切ってしまっていいのか?
もったいなくないか?

このとき、サークルを兼ねるのもありなのでは、と思い始めました。

入部保留からの合唱1本

サークルを兼ねようと思ったので、早速HPで問い合わせ。
ただその当時HP管理の方があまり動いておらず、返事は来ません。

ならば翌週の新歓演奏会に潜入しよう!
でもフォークソング部の入部したいから被る…

そうだ、ビラ配りしてるところに潜入しよう!

そう思い、4/13新歓演奏会の日、混声合唱団がビラ配りしているところに行って声をかけました。
するとクサオリでお話した同じ学科の先輩がいたため、すぐにわかってもらい、フォークソングの入部が終わったら行きますと伝えました。

そして、フォークソング部、入部しに行くぞ!
とフォークソング部の場所に向かいます。

しかし、行ってみるとやっぱり人気で人が多く、あまり新入部員を歓迎していない様子…
さらには、人数多すぎるから今回は入部保留にして、それでもどうしても入部したいという人は来週来てくださいということになりました。

うーん、これは…
歓迎されないところに入るべきなのか…
しかも、友達同士で来てるわけじゃないから、はいったとこでバンド組めるん…?

そう思い、このときに、大学でバンドサークルに入ることは諦め、合唱に生きていこうと決めました。

優しい、楽しい!

私はそのまま意気揚々と新歓演奏会の会場に向かいます。

もう演奏は終わりかけで、まあ今日は顔出すだけでいいかと思いましたが、なんと演奏が終わるとそのまま練習に。

合唱経験はゼロなので、何やってるかよく分からない…
でもなんかみんな優しいし、雰囲気も良くて楽しい!

練習後私は入団届をすぐに記入しました。

練習が終わり、帰ろうと思うと、先輩からご飯(アフター)の誘いが。

「タダで食べれるよ!」

当時バイトは始めたばかりの週末バイトのみ、お金に困っていたので、これに飛びつき家に連絡しアフターに参加することに。

高校まで大人数でご飯に行くことはほぼなかったので、アフターってこんなに楽しい時間なんだ!と思い、益々混声にがっつりハマっていくこととなりました。

友達がいなくて暇だった空きコマは部室で過ごすこととし、入団1週間で部室の住人に。
サークルと被ることが多かった土日のバイトは辞め、練習もアフターもほぼ毎回参加し、気づけば混声一の出席率を誇る人間になりました。

神様がくれたプレゼント

あれから4年間、大変なこともなくはなかったですが、楽しくて濃密で、かけがえのない時間を過ごすことができました。
なかなか殻を破れなかった自分の殻も破らせてくれました。
合唱自体も、ブランクはありながら今でも続けています。

あの場所で、「君、まさか1年生?」と声を掛けられたことは、間違いなく私の人生を大きく変える出来事だったと思います。
もしかしたら、あのタイミングであの場所にM先輩がいたのは、神様がくれたプレゼントだったのかもしれません。

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