【ネタバレ注意】劇場版名探偵コナン「黒鉄の魚影」の感想
2023年4月14日(金)、26作目となる劇場版名探偵コナンシリーズである「黒鉄の魚影」が公開されました。
25年近く前から登場している人気キャラクターである灰原哀が初めて主役となった今回の映画、灰原ファンの私は公開初日、2日目と連続で行ってきました。
初の灰原主役、黒ずくめ関連、面白くないはずがないと期待に胸を膨らませて観にいきましたが、見事にその期待を上回る内容でした!
というわけで今回は、過去最高と言っても過言ではない「劇場版名探偵コナン 黒鉄の魚影」のネタバレを含む感想をまとめました。
不穏さがあるオープニングテーマ
今回の話の中心となるパシフィックブイにラムの側近であるピンガが関わっていると伝えられたところで始まった毎度おなじみのオープニングテーマ。
オープニング前からいきなり不穏な空気の中始まりましたが、今回のオープニングテーマのアレンジも不穏さを存分に感じさせる編曲でした。
というかいつもの前奏のところが全然違う感じになっていて、最初は別の曲かと思いました。
人物紹介でも灰原のところを影絵にするなど工夫を凝らしていて、曲も途中で重低音だけが鳴り響く部分があるなどどこかダークさを感じさせる演出がふんだんに盛り込まれています。
(音楽の説明下手ですいません)
このオープニングだけでもワクワク感が増しました。
序盤から怒涛の展開
今回面白かったポイントとして大きかったのが、序盤から怒涛の展開であったこと。
パシフィックブイの説明が一通り終わったかと思えば、いきなりベルモットとバーボンが潜入し、直美を攫う事件が起きます。
それだけでも展開早いなと思ったのですが、さらに直美が持っていたUSBから灰原の老若認証の画像が出てくるというまさかの展開。
灰原はベルツリー急行編で黒の組織には死んだと思わせていました。
そのため原作に影響が及ぶのはまずいので、ゆうて黒の組織に灰原がバレるわけじゃなくてたまたま黒の組織の事件に巻き込まれるだけやろと思っていたのですが、早々に灰原の正体がバレることに。
灰原を見極める能力に長けすぎているジンはその画像を見ず本人を拉致させることを指示したため、ジンとの対面はありませんでした。
ジンと会ってたらさすがに誤魔化しもきかないですからね!
まさか序盤から泣かせにくるとはな
そしてまだ物語が始まって30分も経たないところ。
老若認証で灰原がバレたことはまだ知らないコナンですが、パシフィックブイに黒の組織が潜入していたことを博士に伝えます。
そして盗み聞きしており黒の組織が近くにいることを知った灰原に対し、自分のメガネをかけるコナン。
灰原は予備を持っていたが、黒の組織との再開でコナンが灰原にかけた、この追跡メガネ1号機をかけるというシーン、ふいうちで泣かされました。
まさか序盤から泣かせにくるとはな。
ツンデレ灰原は結局すぐに正体バレたと言い返しますが、結局助かったからお守りみたいなもんだと必死に言い訳するコナンがかわいかったですね。
必死に灰原を助けようとするも…
そしてコナンのメガネのお守りもやむなくすぐに見つかってしまった灰原。
ウォッカとピンガに捕まってしまいます。
すぐに追いかけたコナンはベランダから伸縮サスペンダーで下りようとしますが、ここで蘭がベランダからまさかの空中1回転。
車のボンネットに飛び降ります。
そしてピンガと格闘。
蘭姉ちゃん人間やめてしまいました(笑)
結局蘭はキャンティからの狙撃を受けそうになり、コナンに助けられる形で灰原、ピンガを逃してしまいます。
その後博士とコナンで必死に追いかけますが、灰原を乗せた車は何と海中へ飛び込み、黒の組織の潜水艦へ。
コナンは灰原の救出に失敗しました。
BGMもなく絶望的なこのシーン。
博士の涙とコナンの灰原取り返す発言は涙なしでは見られませんでした。
個人的にはその後の事情聴取で、「オレは本当に潜水艦を見たんだ!」と取り乱すコナンに心動かされました。
その後探偵団メンバーに灰原が風邪をひいたと嘘をついて園子つきそいのもと帰すシーン。
事情を知っているけど子供たちには伝えることができない大人たちが気丈に振る舞う姿が心苦しかったですね。
灰原の過去
黒の組織の潜水艦では灰原と直美が話すシーンもありましたが、直美が灰原の老若認証を行っていた背景が話されました。
直美は過去にアメリカでいじめを受けていたが、そのとき助けてくれたのが灰原で、その後いじめの対象が灰原に変わったというもの。
幼少期の灰原のことはこれまであまり語られてきませんでしたが、こんな素敵なエピソードがあったのですね。
そして小学生の時も髪を触ってちょっと大人っぽい雰囲気だったのも灰原らしかったです。
そして、かばってくれた灰原を助けられなかったことを謝りたかったから、この老若認証でまっさきに灰原をさがしたという直美。
純粋な気持ちから黒の組織と灰原を引き合わせてしまった。
運命は残酷ですね。
キールの活躍
ここからは黒の組織陣営中心で話が進みます。
直美の父親が狙撃されるシーンは心が痛かったですね。
同じく父親を亡くしたキールの表情も心揺さぶられました。
そして滅多に涙を流すことのない灰原の涙もありました。
これ、予告だと大人の姿で泣いてるように見えたんですが、ここに関しては作画詐欺でしたね…。
そして潜水艦のシーンで誰よりも活躍したのがキール。
まず灰原を縛るときに、ほどきやすいような縛り方をしておき、コナンと灰原が探偵バッジでやり取りしていること、灰原が自身に盗聴器を仕掛けたことに気づくと、何も知らない風の演技で灰原と直美の脱出をサポートしました。
すっとぼけ演技をするキールとそれに呆れながらも丁寧に教えるウォッカ。
このシーンもなかなか面白かったですね。
脱出は意外とあっさり
灰原と直美が脱出に向かう中、ジンが潜水艦に合流。
間一髪のところでジンと灰原の対面は避けることができました。
しかしジンは、逃げるやつは殺せと迷わず魚雷を発射しようとします。
ここでもキールが活躍。
ジンが魚雷のレバーを引きかけたところでキールがジンを止めます。
銃口を向けるジンにキールは正論で応戦、これにウォッカも納得しているうちに灰原と直美は無事脱出完了しました。
一歩遅ければ灰原も直美も木っ端微塵だったところを防いだキールのファインプレー。
今回の脱出はキールさまさまでした。
その後コナンと合流した2人は、黒の組織に見つかることなくあっさりと海上へ。
ここで一波乱あると思ったのですが意外とあっさり終わりました。
ここで蘭が灰原を固く抱きしめて、灰原がお姉さんを思い出す場面も胸熱でしたね。
新一くん呼び
助けられたものの黒の組織に正体がバレ、このまま遠くへ行くしかないと話す灰原。
しかしコナンはそんなことはこれっぽっちも考えていません。
ピンガの正体が分かると、「ちょっとここで待っててくれ」と笑顔で灰原に告げて出ていきました。
そしてここで出た灰原のセリフが
「ホント、待たせるの好きね、新一くん」
これまで工藤くんか江戸川くんとしか呼ばなかった灰原が初めて新一くん呼び。
これはふいうちでキュンとしてしまいましたね。
コナンの正体も
そして久々の眠りの小五郎登場。
ピンガ、つまり犯人を明かすわけですが、ピンガは正体がバレるとすぐに逃走。
警察を欺いて逃げ切る直前でコナンと対面します。
するとピンガはコナンに対して工藤新一と呼びました。
どうやらコナンのかしこさが気になったピンガは老若認証でコナンが工藤新一であることを突き止めていたようです。
こ、これは、、死亡フラグ…
これまでコナンの正体を知った黒の組織のメンバーはあえなく死亡してきました。
ピンガもそうなってしまうのか…
ピンガはジンを蹴落とし自らの昇進のためコナンを連れ去ろうとしますが、コナンはジンの名前を使いピンガを挑発。
挑発に乗ったピンガはけちょんけちょんにコナンを痛めつけますが、その隙に警察が来てしまいコナンを取り逃してしまいました。
かなり優秀であるはずのピンガの小物感もまたこれまで出てきた劇場版の黒の組織メンツとは違って面白かったですね。
ベルモットの偽装と「クソシステムじゃねえか!」
一方、灰原の正体に関しては、ベルモットが世界中を回り大人の姿のシェリーに成りすまし、老若認証を遠隔操作したことにより組織内には別人だということが知れ渡ります。
もちろんベルモットによる操作なので老若認証の精度は完璧だったのですが、内部からの偽装に騙されたジンは「クソシステムじゃねえか!」と怒りの様子。
まんまとパシフィックブイを潰すことに舵を切りました。
何やら組織のボスにとって老若認証は都合が悪かったようで、ベルモットは「○○をつぶせ」というメールを序盤に受け取っていました。
私は、1回目のときはメールの中身まで見れなかったのですが、2回目は見逃すものかーと集中して見たのでメールの内容をしっかり確認しました。
このメールでベルモットはパシフィックを潰すための内部工作に出たのでしょうね。
シェリーを助けなくてもそれはできたんじゃないかとも思いつつも、やはりベルモットにとってシェリーが幼児化していることを知られるのは都合が悪いのでしょう。
これは水の中なのか、夢の中なのか
そしてコナンは海に潜って赤井秀一が潜水艦を撃ち抜くのをサポート。
結局パシフィックブイは沈められたし、乗ってた人は避難できたし、そこまでする意味あんまなくなかったかというのは置いといて、無茶をしたコナンは作戦成功とともに装備が取れた状態で海に投げ出されてしまいます。
ここでコナンを救ったのが、灰原。
いつもコナンに助けられてきた灰原がコナンを助ける激アツな展開でした。
そしてまさかの水中人工呼吸。
コナンはすぐに息を吹き返しまきた。
で、開口一番「あっぶねー、助かったぜ」って軽すぎだろ!
死にかけてたくせに。
そして心の声で会話して、手を繋いで水面まで上がっていく、これだけでもやりすぎだろって思ってたところ。
ここで正体がバレたままだと思っている灰原は、これがコナンといられる最後のときだと悟ります。
そして予告でも流れた「バイバイだね、江戸川コナンくん」。
ここは切なくて本当に泣けました。
そして絶妙なタイミングでBGM「キミがいれば」。
コナンは「そんな顔するなよ」と笑顔。
それに対して「どうしてあなたはいつもそんな顔ができるの」と顔を赤らめる灰原。
ここのシーンはマジで愛しさと切なさと心強さで泣けました…
今でも思い出すと泣ける…
からの、その前の人工呼吸を灰原がキスと表現。
まさかの灰原からのキス発言(心の声だけど)にめちゃめちゃ驚きました。
いやー、本当にここまでやると思ってなかった!!
まるで夢の中にいるかのような、水中シーンでした!
そしてピンガは予想通り、ジンに見捨てられ死亡したようです。
感動とミステリーのエンディング
無事助かったはずだったが気絶した(ふり)の灰原。
コナンは慌てて灰原に駆け寄り、人工呼吸をしようとしますが、気絶したふりの灰原はコナンを制します。
そして遅れて駆け寄ってきた蘭が人工呼吸しようとすると、自ら口を近づけ蘭と口づけ…
いやいや、なんそれ!
そして灰原は心の中で「ちゃんと返しといたわよ」とつぶやきました。
誰も知らないんだからそんな律儀に返さなくても!!
まあでもそこが灰原らしさなのかもしれません。
むしろ水中のシーンは今まで隠していた気持ちをさらけ出した貴重なシーンで、ここでまた本来の灰原に戻ったのでしょう。
そしてエンディングテーマ「美しい鰭」。
さわやかな曲ですが草野さんの少し哀愁漂う美しい声から切なさも感じ取れてすごくよかったです。
曲が短いのでエンドロールは忙しい人のための状態でした。
エンディングはネタか真面目かどうなんだろうと思いましたが、まずは感動シーン。
直美と灰原が別れを告げるところ。
どこに行くか教えられないことを謝りながら抱きしめた直美でしたが、最後に「また会えてよかった、志保ちゃん」と心の中で呟いていたことから、この抱擁は謝罪の意味というより、志保ちゃんとの別れの抱擁だったのではないでしょうか。
そして最後はベルモットがなぜシェリーを助けたのかを投げかけて終了。
今までにない終わり方でしたね。
ベルモットの件は中盤でも考察したとおり、ボスの指示と自らの秘密がバレないためという面が大きいと思います。
これが理由だよ!といわんばかりに見せつけてきたフサエブランドのブローチ。
まあこれのお礼も1ミリぐらいはあったのかもしれませんね。
結論
灰原好きとしてはもちろん満足ですし、ほかのキャラクターもそれぞれの良さが際立っていてとても良い内容でした。
そして序盤から畳みかける展開が常に目が離せませんでした。
私は1回目、半分行く前からトイレを我慢してましたが、なんとか我慢できて目を離さずに済んでよかったです。
多少後半あっさりしてたかなという部分もありましたが、もうやりすぎだろぐらいに黒の組織もがっつりかかわるし灰原はコナン愛を爆発させるし、満足すぎてお酒が進みました。
過去、同じ映画を映画館で観たのは3回が最高ですが、今回は10回ぐらい観たいですね。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?