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【読書録】灰の劇場 恩田陸著 ~遺書を考える~

遺書は遺族へのサービスだ

338ページ

実家から独立したとき
自分が遺書を書こうと思ったこと、
書いたところで読まないだろうし
回し読みして論って消費されるだけで
こちらの希望を踏みにじるだけの親族しかもってないから
何を書いたところで無駄だなと思って
書くのを辞めたことを思い出しましたよ


あとがきを先に読めば早めに入り込めたかもしれない!と
少々後悔した作品でした。

フィクション部分が「1」
ノンフィクション部分が「0」
というのがあとがきで判明するためです。

あなただれ?
だれがだれとどういう関係性をもっているの?
イニシャルだからもう全然わからん
時期もずれてるから余計わからん
と混乱しながら1周目読んだので
2周目が違った楽しみ方ができると思おうそうしよう


高さ26メートルの橋から飛び降りて死亡した四十代女性2名の新聞記事について小説を書き、それが舞台化される設定の「0」、
この四十代女性2名の日常生活を描いた「1」と
「0」で描かれた小説の「(1)」
が入り乱れる構成で場面展開が早いので
長いドラマとか見られなくなっている私でも楽しめました


小説をドラマ化することについて苦々しく思う部分もある、
小説が舞台化されることについて違和感が残り続ける、という「0」で
事実をもとに小説を書くことについて葛藤するところは
きっとそうなんだろうなと思ったし

実家と折り合いが悪くて信用してない登場人物が感じているであろう
「ついていけない」「やっていけない」「未来がない」は
きっと私が長年思ってるものと通じる部分があったし

懐かしい感覚でもあるし
文字になったことで得られた新感覚でもあったから

たまには小説を読むのもいいですね

おしまい

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