【#のりたまδの炉辺話】各教科はそこそこだけど合計点では校内指折り、みたいな車(日産・NXクーペ)
こんにちは。10月には車が来そうでワクワク気分、のりたまδです。今回は短いやつです。いつものは軽く丸一日以上乗ったやつでないと書けない……という顔。今回は十数分ほど乗せて頂いた日産のスペシャリティカー、NXクーペです。
バブル時代の残り香
NXクーペというのは、B13型サニー(メキシコではツルという名前で2017年まで販売されていましたね)のクーペタイプ。サニーRZ-1、パルサーEXAなどがご先祖様で、ルキノクーペが後継モデルということになるんでしょうか。知らんけど。
なんとも攻めたエクステリアデザインは日産デザインインターナショナル在籍の、あのレパード・J・フェリーや240Zコンセプトを手掛けたジェリー・ハーシュバーグによるもの。
というと偏向報道になりそうなので予防線を張っておくと、パスファインダー(日本名テラノ)もハーシュバーグのデザインです。さらに関係ないですがぼくは日々を無気力に生きてそうなU13ブルーバードセダンがすきです。21世紀を見据えて丸く包まったあの頃のぼってりとして重ったるそうなセダンや、それにちんまい羽つけたスポーティグレードがすきです。どうでもよすぎ。
この頃の丸みを帯びた日産車、今見るといい感じと言えなくもないのですが、901運動華やかなりし時代やそれ以前の車両と比べての残存率を見るにウケは芳しくなかったのでしょうか。
それはそれとしてこのNXクーペ、エアロの具合で様々な表情を見せるので、かわいいもカッコいいもお任せあれ!といったところ。ぼくは黄色フルエアロのGA15DS搭載車がいいですね。
正直どうってことはないけれど、なんだかいい感じ
気付きとは思わぬトコから来るものである、というのはもうホンダのビートをけしかけられ運転させていただいて得た知見なんですが、このNXクーペも御多分に漏れず。
いや御多分も何もこのような車(言い方)、普通は「ウィキペディアの内容と当時の情勢やセールス状況をこねくり回してだいたいどこのメディアが書いても似たりよったりな文章で構成されている『かつてあったこんな車』みたいなネットの記事」以外で触れる機会があろうはずもありません。
とりあえず助手席に乗ります。シートはわりあい硬め、といっても不快だとか乗っているうちにしんどくなるとかそういった感触ではありません。しっかりめの方が適切でしょうか。表皮の触感もいい感じ。この良さは長距離の運転で輝きそう?
乗り心地はそこそこ。そこそこといってもなんかネガなところがあるわけでもなく、フニャフニャしてなくていいなあという感じ。シートといい乗り心地といい、ぶっちゃけ劇的にこれはいいぞと感動できるほどではないっちゃないんですが、なんともスルメイカみたいな味の出方なので、所有して初めて良さを100%享受できる、「知っている人は知っている」タイプの車なのではないでしょうか。
そんなNXクーペの運転はメシの後。
全然関係ないんですけど丸亀製麺のグロッサー・カニカマ天って期間限定なんですかね?前1回見て気になりつつも手に取れないまま食べ損ねたんですが……
野菜かき揚げの油がウッときてキツいので次はもうやめようと気づいたそんな頃、NXクーペの運転。
NXクーペに搭載されているGA15DSは1,496ccで94馬力、トン切りの車体には十分。
発進も容易で、1.5Lなだけあってなかなかよく走ります。デジタルメーターのせいもあるでしょうが、ちょっと回してみると気分もなかなか高揚してきます。
同じくらいの排気量で乗ったことのある車種だとオートザム・レビューなんですが、パワフル感では正直差がない(GA15DSがややパワーは上回るがレビューは90kg近く軽量)ものの、“短距離を走る”だけで運転した感じの感触のみで比べた感想だと「NXクーペがなんだかいい感じ。(インプレッションの放棄)」といったところ。レビューは普段使いとか4乗して旅行したい感じの良さがあるのでそもそもこの2ドアスペシャリティクーペと4ドア2.5ボックスセダンを比べること自体が間違いではあります。(インプレッションの放棄)
しかしこのなんとなく身に覚えのあるドライビング・フィールはチンクエチェントに近いもの(ホームシックが過ぎて万物を我が家にこじつけ始める狂った人間)で、これがまた親しみやすくてなかなか具合がよろしいのです。初めて運転して懐かしさを覚えるなんて妙な話ですが。
このフィーリングがNXクーペ特有のものか、それともB13型サニーに起因するものか、はたまたGA15DS搭載車故のものか、ぼくにはわかりませんが、
「特段何か素晴らしいということでもないけれど、全体的になんだかいい感じ」
をのりたまδのNXクーペの総評とさせていただきたいと思います。ほんとに言語化できないけど謎の実家のような安心感があるし、全体的になんかいい感じなんだよな。何?
最後に
ぼくは小さい頃からティーポやボルナツ、ラリーXを読んで育ったためにどうしても車はそっちの方面に偏りがちで、NXクーペのような車は存在こそ知っていても乗ろうという考えがよぎるはずもありませんでした。そんな距離感の車に乗ってこういう感想が出てくるのですから、車というのは面白いし、どんなものでも何かしらは得るものがあるし、実際に乗って経験するのがどれだけ大事で、そういう経験をさせてもらえる環境がいかにありがたいか、ということを改めて確認しました。今回は短いやつなのでこれで終わりです。ばいばい。