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プロテニスプレイヤー西岡良仁の「N論」(第3回)。最強メンタルの為の西岡流思考法(前編)

プロテニスプレイヤーの西岡良仁選手が主催するオンラインイベント「N論」。
「若者たちが夢に向かって羽ばたく場を作りたい」「それも既存の枠にとらわれない自由で新しいスタイルで」という西岡選手の思いからこの企画は始まりました。
その思いに共感した英語学習アプリを提供するスタートアップのミントフラッグファンファンラーニングが企画・運営をサポート。この2社は「日本中の子どもたちを英語ペラペラにする」というビジョンを持っています。
この3者がボランティアという形で集まり2020年6月、「N論」の第一回を初開催。その後、回を重ねていき8月22日には三回目の「N論」を開催。
今回はこれまでも質問が多くあった「メンタル」についてを語り会いました。
その内容を一部抜粋してご紹介いたします。

▼「N論」それはフリースタイルで話し合う場

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MC:今回で「N論」は三回目になりますが、初参加の方もいらっしゃるので改めて「N論とは?」を教えて頂けますか?

西岡:「N論」というと堅いイメージを持たれるかもしれませんが(笑)、フリースタイルで気楽に話し合っていく、みんなと自由に話していく、みんなと作り上げていく場にしたいと思ってます。
「N論」の"N"は、色々な意味を持たせている。西岡の"N"とか、伸びしろの"N"とか。
また講義するというよりは、僕の経験を伝えてあげたいというか、共有したいということも目的にあるので、"論"と付けています。

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▼最強メンタルのための西岡流思考法 メンタル=気持ちじゃない?!

MC:ありがとうございます。ではそろそろ3回目の「N論」を始めたいと思います。今回のテーマはメンタル。「最強メンタルのための西岡流思考法」という切り口でお届けします。
毎回、開催後に次回聞きたい事のアンケートを取っているのですが、メンタル関連の質問がめちゃくちゃ多いんですよね。「どうしても試合で劣勢になった時に気持ちが保てない」「練習通りにできなくなる」「強敵、格上の相手とやるときにどうしても萎縮してしまう」とか。
「西岡さん=メンタルが強い選手」という印象があるのですが、強い選手と弱い選手って何が違うんだろうっていうところからお話を伺います。

西岡:テニスは気持ちの勝負っていうぐらいメンタルが重要なのですが、僕の見解は、気持ちが強いだけという事だけではないと思っています。
もちろん、負けず嫌いとか気持ちは大事ですが、それより大切なのは「劣勢のときどうしたらいいのか?」ということです。
僕もよくセットを落とすのですが、そういう時どういう気持ちでやっているのかというと、僕は気にしないんです。
前のN論でも、言ったかもしれないけれど、ファーストセットを落としたとしても関係がなく、勝つために何をするのかが重要。勝つためにファーストセットを落としたなら全然いいと思うんですよね。
劣勢になると何が起こるかというと、イライラしてきたり、ヤバイどうしようみたいなパニック状態になると思うんです。どちらにしても冷静さに欠けるので、大事なポイントで冷静な判断ができなくなるのが大きな要素になると思う。
そこで正しい判断ができるメンタルが否かということがまず1つあるなと思います。

MC:それはテニスだけじゃないですよね。なにごとも、メンタルが辛くなっている時は冷静な判断ができなくなる。どう判断したらいいのかわからない。

西岡:テニスには流れがある。いい流れ、悪い流れ。この流れが一定の選手は誰一人いなくて、アップダウンする。
その中でメンタルが強い選手というのは、「ここぞ!」という場面で思い切りのいいプレイができる。そういう選手はメンタルが強いと思います。
この前「+ POWER CUP(プラスパワーカップ)」という選手会が開催した大会があり、高校生や大学生とプロがチームを組んで団体戦を戦う機会がありました。その時、僕はチームメイトの高校生に対して大事な時に「思い切っていこう」と声をかけたんですね。

そしたらその子は「思い切っていくこと」ということを、打つことが思い切ることと思っていたんですよね。エースを狙いにいくとか。
途中でその子から「思い切るってどういうことですか?」って聞かれたとき、僕が悪いなと思いました。
僕は理解しているんですけど、たしかに理解できないよなって。

僕なりに言葉を噛み砕いた時、「思い切っていく」というのは、ただただ強打することだけではなくて、「その場面場面でベストな選択が思い切ってできるか」ってことなんですよね。
ただ攻めるだけでない。

プロの世界では200km超の球が飛んでくるのですが、それを全力で返そうと考えるのではなく、確実に返すことだけを意識するとか。

思い切るということは、攻めるだけのことではなく、最善の判断をできるかどうか。それが強いメンタルに不可欠な要素だと思っています。

MC:メンタルって「気持ち」の問題で、「気持ちで負けるな!」みたいになりがちじゃないですか。けど、メンタルを「判断力」と捉える、ということですね?

西岡:そうなんですよ。

MC:思い切るための判断力はどうやったら磨かれていく?

西岡:経験からしか身につかないと思うんですよね。ジュニアの頃からたくさん失敗を重ね、常に良し悪しを判断し続けていて、今でもそれは探っている。
試合で、これをやるべきだった、やらないべきだった、と後悔することがあります。それをきちんと振り返ることで、同じ状況が来たら判断できるようになる。どれだけ試合の中で試して経験できているかどうか。その経験の中で良し悪しがわかってくる。

▼判断力を鍛えるための方法論

MC:判断力を上げていくには経験しかないとおっしゃっていましたね。実際には、たくさんの失敗もあるわけですよね。

西岡:そうでうそうです。たくさんの失敗を重ね、そこから成功する確率が一番高そうなものを、自分の経験から導き出すこと。これが判断に繋がる。

MC:プレッシャーの中でも自分で判断してやっていく、このことが結果的に判断力を磨くことになり、メンタルも強くなることにつながっていく。
自分で考えるようになっていったと言ってましたが、そのきっかけはありますか?

西岡:全豪オープンの試合で接戦となり、次はリターンエースを狙っていくと決めて打ち返したら入らなかったんですよ。そしてもう一度同じような場面になった時、(前回入らなかったので、打つか迷ってしまい)中途半端に打ち返し、結果的にその試合は落としてしまった。

試合後、その時にサポートしてくれていたブラジル人のコーチから「打つと決めたら打ってミスった方がいい。打たないなら打たないって決めた方がいい。中途半端をやってはいけない」と言われて、はっとした。

自分がいくって決めてやったことは失敗しても後悔してはいけない。自分が粘るって決めて粘って落としても、試合中は割り切らないといけない。
そうすれば試合後にコーチなどど振り返りながら答え合わせができる。答え合わせしないと意味がない。それは大きな経験として残っていく。

接戦の時、思い切ったプレイができない人もいると思いますが、僕もそういう時があった。

大きな大会の予選の時、母から「勝てる時は勝てるし、負ける時は負けるし、このポイントがどうこうとか、いうのはやめなさい。どんな状況でもいつも通りの気持ちでやったほうがいいんじゃない」と言われ、その気持ちで試合をやったら勝ったんですよね。

MC:素敵なお母様ですね。(西岡選手は)自分で判断していくことをすごく大事にされていると思います。テニスももちろんだし、YouTuberとしての活動もそうだし、海外留学時代はどうだったのでしょうか?

西岡:
以前、修造チャレンジに参加し海外でいった際、語学でオドオドしちゃいけないということで「英語で何かをもらいにいけ」と言われたことがありました(笑)。

恥ずかしがってちゃいけないし、ビビっていてもいけないから「『大会のワイルドカードをくれ』と自分で英語で伝えろ」と。

僕は独学で英語を学んだのですが、とりあえずなんとか英語で会話しよう。とりあえず英語で伝えて、とりあえず理解することをひたすらやり続けていきました。

英語は本当に話せた方がいいと思います。日本の教育は話すところまでいってないと思うので、話すことを意識した方がいい。今のうちに勉強できるならば、勉強しておいて欲しいと思います。

山中さん(MC)の本業は、英語の仕事なんですよね?

MC:そうですね。いま西岡さんから聞いた英語の学び方と、私たちが目指している英語の学び方は実はとても近しいですね。

西岡さんの学び方は、教科書を使わず、とにかく外国の方と話すという超実践タイプの学び方かと思います。
私たちは「日本中の子どもたち、若者を英語ペラペラにする」という目標を掲げてサービスを開発し、今夏に新サービスをローンチしました。
日常会話に必要な単語はこれひとつでOKという最強アプリと、オンラインで謎解きしながら楽しくアウトプットする英会話が連動する「マグナパーティ」というオンライン英会話サービスになります。

最初は文法や発音は間違っていてもいいから、とにかくドンドン英語で話そうというのをコンセプトにしてます。また楽しくないと続かないのでテキストを学ぶのではなく、謎解きゲームみたいにストーリーを解いていくスタイルになってます。宣伝になっちゃいましたね(笑)
N論に来てくれた子には、特典があるので、後ほどご案内しますね。

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西岡:英語は本当に話せた方がいいと思います。英語は必須の科目になっていますが、まだ日本の教育では話すところまでいってないと思うので、話すことを意識していった方がいい。もし将来プロになったら海外遠征もあるし、英語を使って働くこともあると思うので、今のうちに勉強できるならば、時間を割いてでも勉強しておいて欲しいと思います。

MC:ありがとうございます。以上でトークセッションを終了します。それではここからは皆からの質問タイムになります。

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(前編終了)

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