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令和元年度特許出願技術動向調査ーAIを用いた画像処理ーのまとめ
特許庁は新市場の創出が期待される分野、国の政策として推進すべき分野を中心に、今後の進展が予想される技術テーマを選定し、特許出願技術動向調査を実施しています。その中から、令和元年度特許出願技術動向調査ーAIを用いた画像処理ーを取り上げ、その結果をご紹介します。
1.はじめに
近年、目覚ましい発展を遂げているAI技術。私たちの生活にも、AIは様々な形で浸透し始めています。その中でも、特に注目されているのがAIを用いた画像処理技術です。 自動運転、医療診断、工場の自動化など、幅広い分野で活用され、私たちの未来を大きく変えようとしています。この調査では、ディープラーニングをはじめとするAIを用いた画像処理に関する、国内外の技術動向、技術競争力、今後の展望を明らかにすることを目的としています。
2.AIを用いた画像処理技術とは
AIを用いた画像処理技術とは、機械学習を用いてコンピュータに画像を認識・分析させる技術です。従来の画像処理では、人が特徴量を設定する必要がありました。しかし、AIを用いることで、コンピュータが自動で特徴量を学習することができるようになりました。これにより、認識精度が飛躍的に向上し、様々な分野への応用が可能となりました。
3.市場環境
AIを用いた画像処理技術の市場は、近年急速に拡大しています。特に、ディープラーニングを活用した画像処理ソフトウェア市場は、2021年までに世界全体で大きな成長が見込まれています(注:本調査は2019年度に実施のため、調査時点では2021年は未来です)。AIを用いた画像処理技術は、今後、さらに多くの分野で活用され、私たちの生活をより豊かにしていくと期待されています。
AIを用いた画像処理技術は、すでに様々な分野で活用されています。医療分野では、レントゲン画像やCT画像から病気を診断すること。製造業では、製品の外観検査を自動化すること。セキュリティ分野では、顔認証システムでセキュリティを強化すること。交通分野では管制システムや自動運転など、私たちの生活の様々な場面で役立っています。
4.日本の現状と課題
日本は、AIを用いた画像処理技術の研究開発において、世界的に見ても高いレベルにあります。しかし、近年では 中国の台頭が著しく、国際競争は激化しています。日本は米国への特許出願が多い一方、中国は中国への出願比率が高い結果となっています。日本が今後も世界をリードしていくためには、産学連携の強化や人材育成が重要です。
5.未来への期待
AIを用いた画像処理技術は、様々な分野で実用化が進み、社会課題の解決に貢献すると期待されています。 特に、日本は自動車・交通、医療・健康、工場・プラントなどの分野で強みを持っているため、これらの分野における技術開発を強化することで、国際的な競争力を維持・向上させることが重要です。また、適用分野の拡大やAI利用に際しての安心感も重要です。合わせて、産学連携による取り組みや人材育成も重要です。
6.おわりに
本記事は以下内容を参考に構成しました。
出典:特許庁 令和元年度 特許出願技術動向調査 結果概要 AIを用いた画像処理
https://www.jpo.go.jp/resources/report/gidou-houkoku/tokkyo/document/index/2019_08.pdf
上記内容を参考に動画も作成しております。こちらからご覧ください。