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<全文和訳>バフェットからの手紙(2022年2月)~バークシャーの「4つの巨人」と、巨額に積みあがった現金の振り向け先について語る~

2022年2月26日に伝説的な投資家であるウォーレンバフェット氏率いるバークシャーハサウェイの年次報告書及びバフェットから同社株主へ向けた手紙が公表されました。

バフェットからの手紙は、バフェットがバークシャーの経営を担ってから50年以上も毎年欠かさず執筆されているものです。

そこにはバフェットの投資哲学がふんだんに盛り込まれていることから、投資に携わる人すべてに必見の内容です。

今回はその和訳全文を以下に記します。

個人的な注目点は以下三つ。

①手紙の中ではバークシャーが保有する「4つの巨人」が紹介されていますが、よく注目される上場企業で含まれているのはアップルのみ。他の3巨人はバークシャーが経営権を握る3社が紹介されています。

②上場株投資では毎年上位銘柄が紹介されますが、今年は伊藤忠商事、三菱商事、三井物産の日本の総合商社三社が名を連ねております。この三社への現在のポジションも確認してみましょう。

③近年問題視されている巨額の現金。バークシャーは年末時点で約16兆円もの現金が積みあがっています。これに関しては直近二年間は少しだけ魅力的な振り向け先を見出していることが説明されています。

是非これらの点に注目して読み進めてみてください!

※購入の上、複数人に共有したい場合はお問い合わせかコメント欄から別途ご相談ください。


パフォーマンス_20220228

注:データは以下の例外を除いて全て12月末締めの12か月間です。
1965年及び1966年は9月30日締め
1967年は12月31日締めで15ヶ月間のデータ


BERKSHIRE HATHAWAY INC.


バークシャー・ハサウェイの株主の皆様へ

長年のパートナーであるチャーリー・マンガーと私は、皆様の資産の一部を運用させて頂いております。我々は皆様の信頼にお応えできることを心より光栄に思います。

私達は、仮に自分達が経営に関与しない株主であった場合に自分達が知りたいことを、株主の皆様に報告する責任を負っています。私達は、この株主への手紙や年次総会を通じて、株主の皆様と直接コミュニケーションできることを心から喜んでおります。

私達のポリシーは全ての株主を平等に扱うことです。そのため、アナリストや大手金融機関とのディスカッションの場は設けません。また、重要なニュースは可能な限り土曜日の朝に公開し、月曜日に市場が開くまでに、株主やメディアの皆様がそのニュースを理解するために必要な時間を最大化するよう心がけています。

バークシャーの経営状況と業績は、当社が米国証券取引委員会に定期的に提出している年次報告書に記載されており、K-1〜K-119ページに転載しています。株主の中には、このような詳細情報を知りたいと思う人もいれば、バークシャーにとって新しく我々が興味深いと考える情報を知りたいと思う人もいることでしょう。

ただ残念ながら、2021年にはそのような情報はほとんどありませんでした。しかし、株式の本質的価値を高めるという点ではそれなりの成果を上げることができました。この仕事は57年間、私の主要な任務でした。そして、これからもそうあり続けるでしょう。


株主の皆様が保有しているもの

バークシャーはさまざまな事業を所有しており、いくつかはその全てを、他のいくつかは部分的に保有しています。後者は、主に米国の主要企業の上場株式群で構成されています。加えて、米国外の株式も数銘柄所有し、いくつかのジョイント・ベンチャーやその他の共同事業にも参画しています。

どのような保有形態であっても、私達の目標は、持続的な経済優位性と一流のCEOを兼ね備えたビジネスに、有意義な投資を行うことです。特に、私達が株式を保有する理由は、長期的な業績に対する期待に基づくものであり、市場のタイムリーな変動を捉えるためではないことにご留意ください。これは非常に重要です。チャーリーと私は、銘柄を選ぶのではなく、ビジネスを選ぶのです。

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