ヒアリングの極意①
【読んだ本】
対話型ファシリテーションの手解き
中田 豊一
【手に入れられるスキル】
新規事業のN1を作るために必要な、ヒアリング力を上げ顧客課題を明らかにすることに大いに役立つ
【具体的内容】
①
「〜はどうですか?」「〜はなぜですか?」という質問は相手の考えを尋ねるものだった。
簡単な事実質問を積み重ねて行く中で、相手の現実を浮かび上がらせていたわけです。5W1Hのうち、HowとWhyの質問は一切使わない質問をすることで相手の事実情報を手に入れることが大事。
相手の実際の行動から生じた課題の本当の原因を突き止めることができる。
②
困ったら、「いつ、それをしたのか」を聞く
ヒアリングをする切り口として「いつ」について聞くことで具体的な質問が始めやすくなる。
もらった返答から「どこで、何を、誰と」と具体的にしていく。
③
質問を繰り返していて、相手が「なんでこんなに気にしているのだろう?」という滞ったとき「他の人はどうなの?」と身近な人の事例を聞いてあげる。自分と他の人の環境や状況を比較するとこで、自分の本当の気持ちに気づくことができる
④
対話型ファシリテーションの場合、「相手が自分で気づくことによって行動変化を起こす」のを促すのが目的。相手の心を開かせるような質問をしていく必要がある。心を開かせるには、「いつ」「どこ」「誰と」「何を」という質問をうまく繋げて、テンポをよくすることが必要になる。
そのためには、相手に関心を持ち、「相手が答えやすい質問」をすることを心がけることが大事。
心を開かせることができればより深いことを聞くことができるようになる。
⑤
本当に問題か?
「それは本当に問題ですか?」と問うのではなく、「誰か取り組んでいますか?」「何か対策していますか?」と問う。「それは本当に問題ですか?」と問うと質問者の考えを言うことになる。そうではなく、自発的に本当はコアな問題ではないと自発的に気づかせることが大事。
⑥
「なぜ?」本人の考えを直接聞いたのであれば、結果が同じになってしまう可能性が高くなる。課題分析を手助けするためには、問題そのものについてもこちらからは尋ねないのが対話型ファシリテーションの原則です。逆にもし、相手がこちらについて聞いてほしい問題があるならば必ず相手から語り始める。相手の周辺で目についた物の中から意味のありそうなものを選んで、「それはなんですか?」「何でできてるんですか?」「いつ手に入れたんですか?」と単純に聞き始めれば良い。それで相手が問題について語り始めたら、「それを解決するためにどんな努力をしたか?」「誰がどのように困ったか?」を聞いていく。
⑦
時系列で聞いていく。
本当に問題だと合意ができたら、次は「一番最近その問題が起きたのはいつですか?」と聞く。本格的に深掘りを始める。
その後問題のおおまかな姿が見えてくるまで「その前はいつですか?」と繰り返し聞いていく。
問題の課題は必ず起点にあるという考えの元で、時系列にヒアリングを行いその課題が発生した経緯を具体的に遡っていくことが大切。
⑧
問題解決には現状と目標の差を明確にすることが大切。
「あといくら必要ですか?」という質問をすることで、具体的に相手の目標を明確にすることができる。目標と現状の差を明確にしなければ、解決策は生まれない。目標設定が明確になると、相手の内側からやる気がでるようになり、解決しようという気持ちになりやすくなる。
⑨
問題を解決する方法は、「こうありたいという理想にむけて自分を変えること」もう一つは、「理想を下げること」の二つ。
目標について具体的にヒアリングを行い、本当にその目標設定が最適か考える必要がある。問題が発生したときは問題を分析し、現状で妥協できるか解決のために必要な材料や策は何があるか考える。考えた解決策を実現することができるか分析し、また妥協するか実践するか判断する。
これを繰り返すことで、行動方針を定め実行する。
⑩
「なぜ?」という質問は相手の誤った固定概念を引き出し、事実質問を行うことによって新たな学びと気づきを引き出させることができる。
【appendix】
会議中の議論で空中戦にならないようにするコツ
事実を確認しないままに、「これは何で起こったのでしょうかね?」「多分こうだからだと思いますよ」というような意見と意見が飛び交うようになると抽象的な議論になってしまい焦点が定まらなくなってしまう。それを防ぐためには、「具体的に話してもらえますか?」という質問が効果的。
空中戦になりそうだと思った時に「その話、わからないのですが具体例など教えていただけないでしょうか。」と話すと良い。